3
「初めにさ自己紹介からしないかな、ほら僕たち何も知らないから」流行り初対面に欠かせないのは自己紹介。なんでもいいから名前から掴んでいけばきっと会話が弾むはず
「えっと、私の名前は、如月 莉奈。異世界からあなたに会うためにここに来ました」
(嘘だろ、おい。今彼女なんて言った)
余りリの喜びで頭の中と口がニヤリとニヤツイてしまった。
「いやいやいや、違うんだ。誤解しないでくれ。けしてすっごいかわいい子がわざわざ異世界からやってきて終いにはあなたに会うためとか言われて、えっ これなんてエロゲとかついにモテキがキターとかけして何一つ微塵も感じないからね」
「なぜツンデレなるのですか。素直にうれしいって言えないんですか、このゴミ虫」
なぜだかその冷たい言葉に体が嬉しがっている。いや、もしやご褒美なのではないかと感じさせられる。
「で、何しにボクに来たの」
「自分から言っといて自分の事は名乗らないのですか、最低です。破廉恥です。」
「おっと忘れてた、ボクの名前は 西連寺 魁っていうんだ 勿論21歳 正社員且つ童貞だ。よろしく」
如月は何もなかったかのように話を進め始めた
「あなたはある人物のギャンブルによって選ばれました。そして、あなたに条件を与えました。結論、その条件をクリアして ハッピーなエンドをしてください」
(ハッピーなエンドねェ・・・)
「一ついいか 条件の一つに 神からの任務とあるがこれはなんだ」
「これはですね、あなたが最高な人生を送れるようにすることです」
「もう一つ、追加能力で武器が作れるとあるがこれはどういう事」
「文字通り武器が作れます。ただし条件がありました半径5m以内に私がいないと武器を生成することが出来ません」
「もしかして俺を殺しに来る奴が来るってことも万が一あるってことかな」
「その通りです。私達には2つの世界がありまして 善人が集うアリエルという集団と悪人が集うアザゼルの2グループに分けられます。アリエルはアザゼルが悪いことをしないよう監視してきましたがここ最近アザゼルの動きも怪しくなり噂の情報によれば地上に数匹逃げ込んだの事です」
「つまり、それを退治すればハッピーエンドってことなのかな」
根拠はないけど多分これは運命でもなんにでもないきっと定められた出来事だったとそう感じる。一回この光景を夢で見た気がする。
「あくまでこれはアザゼルが襲ってきたときの防御法と見込み私達アリエルが導入した追加能力です。一度やってみます」
何故か如月が目をキラキラしながらボクに言いつけてきた。だからか、自然となぜか口から「はい」と零れてしまった。
「では、私に向かって トレースと言ってください」
「ああ、トレース」
その時、如月の体が光はじめ胸元から手が丁度入る具体のスペースが出来ていた。
「この胸元の中に手を入れてください」
結構、暖かった。如月という人物は初めてだが、なんだが心地良い響きを感じた。小さなときの記憶もゆっくりと
「なんだいきなり」
「それが武器です。私という個性を具現化した武器がそれです。私達の世界ではライフと名称しています、壊しても大丈夫です。数時間すると元通りになるので」
「いやいや、無理やりには壊さないよ」
胸元に手を入れて一瞬な出来事だった。如月の胸に手を入れただけなのに繊維という繊維が手に纏わりつき一瞬で武器が生成された。
「美しいでしょ。それが私が人であった頃の思い出をかき集めた武器なんだ」
「えっ」
如月は悲しそうな瞳をボクに向けながら小さく小さくそうつぶやいた。