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幻の夏祭り  作者: 皐月 満
鳥居へ
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青い闇の中に

少し向こうに鳥居の朱色が見えた。山車は、神社の前で一度止まって次は東側の通りを歩く。次にここに戻ってくるのは七時。そんな時間はない。何としてもここを抜けなければ。


山車が少し高い坂を登っていく。一番高いところに来ると、人の頭で見え隠れしていた鳥居がはっきり確認できた。鳥居の向こうに並ぶ数軒の露店、さらにその向こうにある、本殿への石段も。


ちらりと、鳥居の向こう、露店のある場所から短い石段で繋がった少し高い境内に何かが見えた。明らかに、参拝者ではなかった。


それは階段を登らず境内を左に曲がった。青い闇に溶けて、それはあっという間に見えなくなった。


とても短い、ほんの数秒、十数秒の間だった。


私はすんでのところでそこに踏みとどまった。


──間違いなかった。間違う筈もなかった。

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