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咎め
涼介が持っていたあのペットボトル。あれは、零波があの時持っていたものと同じだった。
コップを晃太に渡して、私はしばらく自分の身体を抱いていた。
やがて、もういいだろうと思ったのか晃太が手を止めた。私は、はあ、と長く息を吐くと俯いて言った。
「ごめん、もう帰って」
涼介は申し訳なさそうに頷いたが、晃太は
「後でまた来るから」
と言い残して、不思議そうにしている涼介の後を追って出て行った。
私は一度ソファに腰掛けた。
晃太にも涼介にも、迷惑をかけてしまった挙句、帰ってとまで言ってしまった。
しかし、そう言わなければいけなかった。
自分が情けなくて、仕方なかった。
「ごめん、ごめん……」
私はソファの上でうずくまった。