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幻の夏祭り  作者: 皐月 満
祖母家にて
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古民家で

「千代ばあ!」


古民家の玄関で実紀が叫ぶ。近所迷惑だ。


ガラガラ、と引き戸が開き、中から背の曲がった小柄な「千代ばあ」が顔を出した。


「おお、実結ちゃん、実紀ちゃんも。さ、早くお入り」


しわしわの顔を歪めて笑う。


千代ばあは、私の母の母、つまり祖母だ。零波の墓苑のある川野町駅の手前、本田寺駅の近くに住んでいる。ここは畑と田んぼと古民家しか無いような場所で、まさに田舎だ。


近くには川があり、田んぼの水はそこから引いている。綺麗な川だけれど、夏場は少し水が少ない。


実紀が荷物を投げ捨てて黄色い声を上げながら畳の上を走り周る。


私は広い古民家の中を見回した。


そして、叫んだ。

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