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アイスとノート
一階のリビングからテレビの音がすることに気付き、私は乱れた髪を梳きもしないまま階段を降りた。
ソファには、晃太が座っていた。何故か、アイスを食べながら私のノートを見ている。
「……晃太、何してるの?」
晃太が弾かれたように顔を上げ、私を振り返る。
「み、実結? ……あ、いやこれはその……」
まあこっそり何かしているのは知っているから、今更何をしているのか知っても何も変わらないけれど。
「はいはい、ノート見るぐらいいいよ。減るもんでもなし」
晃太は安堵の表情を浮かべた。お侘びのつもりなのか、未開封の棒アイスを私に差し出している。
まあ、いいか。