友情破壊遊戯の始まり
頭が痛い。ここはどこだ。
目を開けると、光が点滅している。
まだ、目が慣れていないのか視界がぼやけていた。
目が慣れその光の点滅の正体がわかった。
どうやら、蛍光灯が切れかかっているようだ。
あたりを見渡すと、三吉、石田、長谷部の三人がまだ寝ていた。
僕は三人の肩を揺すり一人ずつ起こしていった。
三人を起こし終えるとすぐにあることに気づく。部屋の奥にモニターがあった。僕はそのモニターの電源を入れてみる。
モニターに映し出されたのは、小さなクマのぬいぐるみだった。
「どうやらみんな起きたようだね」
画面は小さなくまのぬいぐるみだが声は西園寺のものだった。
「西園寺なぜこんなことをした。ここはどこだ」
僕はこの現状の理不尽さに腹が立ち、モニターごしに叫んでしまった。
「そう激昂すんじゃあない。君たちにはゲームをしてもらおうとおもうんだ」
「ゲームだと」
「そうだ」
「その部屋には四つの椅子があるだろ。まず自分の名前が書かれた椅子に座ってくれ」
僕たちは部屋を見渡した。そこには、四つの椅子が対面するように置かれていた。
一つずつ椅子を確認すると、背もたれの部分に名前が彫ってある。
しかし、僕たちは座ることができなかったのだ。なぜなら、その椅子の形はまるで電気椅子のように見えたのだ。
「どうしたんだい。早く座ってくれ」
西園寺の声でわかる。彼は今笑っているのだ、僕らの姿を見て。
「お前の言う事なんか誰が聞くか」
長谷部がモニターに向かって吐き捨てた。
「そんなことを言っていいのかな」
西園寺はモニターに時計を写した。時計の針は11時を指していた。
「まさか今は夜の23時だというのか」
長谷部がいつもは見せない愕然とした顔をしている。
「その通りだ。つまり早く急いだほうがいい。君たちは、どこかよくわからない場所で年越しそばを食べることなく年を越すことになってしまうぞ」
モニターからは西園寺の笑い声が聞こえる。
僕たちは渋々椅子に座った。
―――ガシャン
「なんだ、これは! 」
椅子が僕たちを拘束してきた。腰と手首に鉄のベルトが巻かれ、椅子から一歩も動くことができなくなってしまった。
「なんでこんなことを」
石田はモニターを睨みつけて言った。
「いやいや、余興だよ。そんなことは重要じゃあない。これはからルールの説明をしよう」
モニターにルールの説明が映し出された。
友情崩壊遊戯ルール説明
・ゲームは3回戦まである
・ゲーム3回戦中同じ種目のゲームはない
・ゲームの敗者は1回戦につき1人
・ゲームの勝者は次のゲームに進むことができる
「敗者はどうなるんだ」
三吉が震えた声で西園寺に聞いた。
「この場からいなくなる」
西園寺の言葉に皆青ざめた。
「いなくなるってどういうことだ」
三吉はすでにパニックを起こしているようだ。
「直にわかる」
西園寺は冷たく言う。三吉は何かを諦めたのか静かになっていた。