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学園軍記スクールブラッド  作者: 級長
スクールブラッド第一万六号「桜花学院の乱」
7/35

小話 15級長バレンタイン

 15級長(男女別リスト)

 女

 1.『豊饒神』豊饒苗

 2.『狂鮫』青嶋牙子

 3.『空の乙女』天野宙

 9.『狙撃手』エルフィ・ラタトクス

 10.『獣王無尽』四条畷

 13.『移動病院』癒野療子

 14.『人形師』遊木菜緒

 15.『暗黒騎士』白野黒


 男

 4.『氷室の番人』小室氷

 5.『燃える刀剣』烈火紅蓮

 6.『雷鳴の演奏家』響響介

 7.『壊し屋』鉄破正輝

 8.『武器商人』上杉四季

 11.『猟犬』倉木闇人

 12.『機械技師』田中一郎

 15級長、ハクロウ高校に入学した15人の強者達のことである。しかし、彼らも普通の高校生。この日ばかりは、彼らもいろいろ思ったりするのだ。


 「渡す人いないな」

 「ねー」

 思ってなかった。校舎の屋根の上で、二人の女子高生が寝そべっていた。一人はパイロットスーツを着て、水色の短髪が特徴的だ。もう一人はフリルが付いたゴスロリ服を着て、長い黒髪をツインテールにしていた。パイロットスーツを着ているのが『空の乙女』天野宙、ゴスロリ服が『狙撃手』エルフィだ。

 「義理チョコとか友チョコとかしないタイプだしね」

 「そもそもバレンタインデーというのはバレンタインさんの命日なのよ。だから皆で喪に服すべきなの」

 喪に服したとは思えない様子で日光浴をするそらとエルフィ。二人にはチョコをあげたい人がいないみたいだ。そもそも、宙は大空に、エルフィは射撃という行為に恋してるので恋愛感情が皆無。15級長は変態揃いだ。


 一方、彼女達が寝そべる屋根の下。教室に集まって話す15級長もいた。

 「で、俺は妹の響歌が誰にチョコ渡すのか気になるわけだ!」

 教卓の前に立ち、エレキギターを掻き鳴らすのは『雷鳴の演奏家』響響介。どういう仕組みか、エレキギターはアンプに繋がってないのに音が鳴ってる。ブレザーの制服を着ているが、金髪でピアスをしたりチェーンを巻いたり、なんという反抗的スタイル。指全てに指輪をはめるセンスはおかしい。

 「なんだそんなことか。ならオイラはとっととトレーニングの続きを……」

 「待てこの熱血馬鹿。少し面白そうだな」

 赤髪でジャージの男子『燃える刀剣』烈火紅蓮をコートを着込んだ眼鏡男子『氷室の番人』小室氷に止められる。童顔の紅蓮、大人びてる小室と、属性的にも印象的にも正反対だ。性格も正反対みたいである。

 「他人の情事など、オイラは知らん!」

 「他山の石だ馬鹿め。人の振りを見るて自分の振りを直すのが良い鍛練になると何故気付かん」

 「おお、そうであったか」

 突っ切ろうとした紅蓮を小室が止めた。紅蓮の鍛練馬鹿を理解して、上手く話を鍛練に持っていった。

 「で、俺の妹の響歌なんだけどよ。誰にチョコ渡すと思う? 俺か? 俺なのか?」

 「兄に渡すなら義理だろう。この前、四季の奴に借りたヨスガ…何とかというディスクに収録された昔のアニメじゃないんだ、兄に本命は有り得ん。あれは内容が衝撃的過ぎてタイトルが頭から吹き飛んだ」

 ソワソワする響介を押し止め、小室が冷静な分析をする。四季と聞いて、響介は何かを思い出した様子だ。

 「四季っていえばさ、好きな奴いただろ?」

 「それはオイラでも知ってるくらい有名だ」

 「で、チョコもらえたのか四季は、そいつから」

 『武器商人』上杉四季に想い人がいるのは熱血馬鹿の紅蓮ですら知ってた。四季と親しい響介はそれが気になっていた。ハクロウの三馬鹿デルタフォースと15級長とは別に扱われるくらい、響介、四季、そして『猟犬』倉木闇人は仲がいい。

 ただ、四季はバレンタインに響介以上のソワソワを抱え、闇人が色恋沙汰に疎いため、いつもとメンバーを変えてお送りしているわけだ。

 「ツイッターを見ればいいだろ。四季はツイッターしてる」

 「そうか」

 小室に言われて、響介は携帯を開く。ツイッターなら何か言ってる可能性があったのだ。そこには、こう書かれていた。

 『好きな人からチョコ貰ったー。多分義理だけど』

 「貰ったか。毎年バンドの皆にもくれるよな」

 響介は四季が好きな人といろいろ接点がある。四季が好きな人は毎年、バンドの皆にもチョコをくれる。響介も妹のことで頭がいっぱいなので、つい忘れていた。

 「じゃあ妹の件を……」

 「トレーニング行ってくる」

 「よく考えれば、あの妹ではまともな事態にはなるまい。関わらん方がいいな」

 「お、おいお前ら?」

 響介が妹の件に話を移そうとしたら、自然に解散した。妹を持つと、兄は別の意味でいろいろ思案しなければならないから大変だ。


 他の学校からもチョコを渡しに来る人間もいる。その一人だろうか、校門の前に一人の女子中学生がいた。

 背中までの銀髪に右目の眼帯が特徴的だった。黒基調で赤いラインの入ったセーラー服を着ている。黒いタイツに包まれた華奢な足に、それに似合わないゴツいブーツが目を引く。刀がスカートのベルトに止めてある。

 校門の隅に、待伏せる様にして彼女はいた。狙いは誰か。チョコを渡すというより、暗殺に来た様にしか見えない。

 「上杉…先輩」

 彼女の狙いは『武器商人』上杉四季。一体、この中学生と四季の関係は?

 次回予告

 大学入試を控えた男がいた。奴の名前は上杉四季、15級長『武器商人』。

 しかし、大学入試を崩壊させる企みが影でうごめく! 四季は無事、AO入試を受けれるのか?

 次回、学園軍記スクールブラッド。『武器商人、上杉四季』。

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