番外 初詣ロワイヤル
伊勢神宮
今年、式年遷宮を迎えた神社。クリーチャーが出る様になったスクールブラッドの時代にも式年遷宮は行われている。
伊勢神宮
「青嶋さん」
「なんだ?」
「寒くないですか?」
まだ怪我が治らず、寒さが身に染みていた紗夜は15級長『狂鮫』青嶋牙子の服装を見て言った。闇人に背負われ、しっかり防寒して紗夜は初詣に来た。
青嶋は青いパーカーを羽織って下にスク水を着てるだけ。靴もサンダルで、見てるだけ寒い。肌は健康的に焼けており、髪は塩素で色が抜けて茶色になっていた。
「これは身体の水分に神力を流して、水の三大性質の一つ『温度変化を和らげる』を増大させたんだ。アタシの技だと服が濡れてうっとーしいからな」
「へぇ……納得」
青嶋から説明を聞き、紗夜は理解した。だが、隣に立ってる15級長『獣王無尽』四条綴を見てまた寒くなる。
黒髪を短く切った、快活そうな彼女はゴツいベルトを巻いたスラックスに黒いタンクトップという服装。寒そう(確信)。
こうして並べてみると、青嶋と四条は同じく活発そうで勝ち気な姐御キャラに見えるが、些細な違いがあることに気付く。
「なあ牙子、お陰横町寄らない?」
「今のうちにお参りした方がいい。横町は帰りにゆっくり寄ろう」
歩いている時の会話を聞く限り、青嶋の方がまとめ役である。
「マズイな、人が多い。アタシの技で行けるか?」
「あたしに任せな牙子!」
人が固まっていて動けなくなるが、四条が力を使って退却させる。青嶋は水を被せるつもりらしく、手に水を集めていた。四条は金髪ネコミミの姿に変身し、殺気で追い出した。
道を切り開く、背中を追わせるタイプの姐御キャラが四条だ。
「四条さんは闇人さんと同じ変身系ですね」
「厳密には違うけどね。あたしは神力を流している間だけ1つの姿を使えるバルーン型。闇人は神力でスイッチを切り替え、複数の姿を使えるスイッチ型だよ」
四条は紗夜に闇人との違いを語る。同じ変身でもそこが違うんです。幻夢高校の宵闇夢憂もバルーン型だろうか。ただ、彼女の特異さからそれは怪しい。
「変身系は他の力と違って、基本的には後天的なんだ。あたしやクラリスはアイテムの影響で、元々持ってた力に上書きしてだな。闇人は先天的だが」
「へぇ。闇人さんは生まれ付きなんですね」
一行はおさい銭箱の前に着いた。おさい銭箱というより、巨大なおさい銭投げスペースだ。
それぞれがおさい銭を投げ、お願い事をする。
(来年は強くなれますように)
「イヤッホーイ!」
「おさい銭は俺達のものだぜ!」
紗夜は切実なお願いをした。自分が強くならねば、救われた意味もない。そこへ、モヒカンの男達が現れた。おさい銭を狙っているらしい。どうやら、DQN族なのか腕の寄生虫を武器にしている。
「罰当たりめ! 死ね!」
青嶋は腕に水を纏わせ、手刀で攻撃した。すると、南斗水鳥拳とかそんな感じでモヒカンがバラバラになった。
「ぐぺら!」
「なっ! 手刀なんかでぱッ!」
今度はパンチで風穴が空く。纏わせている水の力だろう。モヒカンの仲間達が一斉に青嶋を襲う。
「【シャークトゥース】!」
周りの水蒸気を集めて生成した水で、巨大な鮫を作る。これに衝突したDQN族は、触れた部分を消し飛ばされて死ぬ。
「討ち漏らしは任せた」
「おうよ!」
シャークトゥースを免れたDQN族は四条の手にかかる。変身した四条は、地面を蹴った跡以外見えないほど素早く動き、残りをズタボロにした。
「【猛虎、瞬速拳】!」
ネーミングセンスが無いのは15級長ならではか。勝手に人がバラバラになっていく様は圧巻だった。紗夜はここ最近、15級長の圧倒的パワーに驚かされっぱなしだ。
「イセイエビだ!」
「ドーン!」
突然現れた鋼鉄の海老も勢いだけで粉砕。恐るべし15級長。
「私もここまで強くなれるだろうか……」
「インフレするからやめとけ」
呆然とするのは紗夜だけで、闇人はいつも通り。こうして15級長の年末は過ぎていく。
15級長
1.『豊饒神』豊饒苗
2.『狂鮫』青嶋牙子
3.『空の乙女』天野宙
4.『氷室の番人』小室氷
5.『燃える刀剣』烈火紅蓮
6.『雷鳴の演奏家』響響介
7.『壊し屋』鉄破正輝
8.『武器商人』上杉四季
9.『狙撃手』エルフィ・ラタトクス
10.『獣王無尽』四条綴
11.『猟犬』倉木闇人
12.『機械技師』田中一郎
13.『移動病院』癒野療子
14.『人形師』遊木菜緒
15.『暗黒騎士』白野黒




