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第6話「少年と駄菓子と賢者3」

 運ばれてきたコーヒー。

 いまだに同じことを繰り返している国会中継。

 魔王は意を決して過去の出来事を思い返す。


======シーン5「事実は不要! 重要なのは(私の)お気持ち!」開始======

野党『このような疑惑を抱かれること自体! 酷い開き直りです! 国民に申し訳ないと思わないのですか?』


男爵令嬢『きゃっ、怖い。王子様。公爵令嬢様ににらまれました。恐ろしいですわ。私また公爵令嬢様に 階段から落とされるかと思うと……』


(……終わった。もういや……お家『魔界』帰る…………)

======シーン5「事実は不要! 重要なのは(私の)お気持ち!」開始======


 そうだ国会を消し飛ばそう。

 トラウマスイッチONから現実逃避しようとする魔王。ニヤニヤで魔王の力を封印する邪神様。


======シーン6「権利はあるが、義務はない!」開始======

野次『そうだ! そうだ! 国民に説明する義務があるぞ!!』


王子『貴様! 我が未来の妃となる男爵令嬢への嫉妬から起こしてしまった事に……謝罪すらできんのか! 貴族としての矜持はどこにやった!!』


(……大臣、用はないけど話をしよう。うん。公爵のレーザービームが怖い……)

======シーン6「権利はあるが、義務はない!」開始======


 あの時あの場を穏便に解決させるため、魔王は必死に次男である第2王子を探していた。

 だがそこに次男である第2王子はいなかった……。

 その時次男である第2王子は街に赴いており、お小遣で始めた麺系チェーン店、その第3号店オープニングセレモニーに出ていた。

 もう第2王子は王位なんて継ぐ気など欠片も無い。

 その為、このパーティーには第2王子の影武者を送り込んでいたのだ。

 絶望する魔王にその第2王子の影武者は申し訳なさそうに頭を下げていた。


======シーン7「俺は、弱者だ!(だから殴ってもOK)」開始======

野党『意図が無くても忖度させたのは確かです! これは権力の乱用があったのではないでしょうか?(相手じゃなくテレビカメラ見てます)』


男爵令嬢『私、公爵令嬢様のお友達にも色々されておりまして………皆様口をそろえて公爵令嬢様のご意志と言われました。公爵令嬢様の御意思に私では抵抗ませんでした。つらい日々でした……(庇護欲を周囲に誘う視線)』


野次『そうだ! そうだ! 国民に申し訳ないと思わないのか!』


王子『公爵令嬢! 貴様前から思っていたがその冷血な顔の裏でそんな汚い悪事に手を染めていたのか! 汚い! お前なぞ王妃にふさわしくない!』


(あー、あの伯爵はダメだな……あそこの派閥もダメ……うん。結構いなくなるな、貴族……。経験とかない血筋だと貴族の代わりとか無理ゲーにだしな統治とかって……。王家直轄地にするか……。でも代官を送ると王城人事が大変なことになる……きついよ……)

======シーン7「俺は、弱者だ!(だから殴ってもOK)」開始======


 『待て公爵、もう少し、少しだけ!』……その当時の声にならない声を思い出す魔王。

 そして精神安定剤コーヒーをもう一口口に含む魔王。


======シーン8「ファンタジーはハッピーエンド!」開始======

与党『ですから、ない事には何も言えません。そもそも、不正や権力の乱用があったことを証明してください。公式記録である書類にはそのような記述が一切ないのですよ?』


公爵『もう我慢ならん。馬鹿どもをとらえよ! ……王よ、こやつら打ち首でよいな。あと、そこな男爵家は一族郎党全て、この男爵令嬢の前で最大限に苦しませて殺す。他も心当たり有るやつらは心するがよい。……誰に逆らったのか、存分に思い知らせてやろう……』

======シーン8「ファンタジーはハッピーエンド!」開始======


(ああ、あの後面倒だったな。その場で王子の拷問始めちゃうし……王家の権威失墜したから調子に乗った貴族が傲慢になったりしたし……。やりすぎ貴族を端から1家1家虱潰しにして領地召し上げで王家直轄領にしなきゃだったし……。王家直轄領にしたら統治のための作業しんどかったし……。

 ……何よりあの後公爵令嬢に私が人間に見える『幻術魔法』解かれた挙句『幼き頃よりお慕い申し上げておりました』とか言われ、血涙を流す公爵に『責任。とるよな?』『なぁ?』と脅されたし……)


 結局魔王は彼女と再婚(王の身代わりなので、実際は初婚)したのを思い起こしていた。

 公爵令嬢との再婚を前に魔王は、次期王として次男である第2王子に王家に戻るよう説得することにした。

 説得は難航した。魔族とのハーフを王様に据え続けるわけにいかなかったので、第2王子には魔王が王の身代わりをしていたことの真相を話し、ひたすら泣き落としをしていた。


(だけど……私もこっちの世界に来て会社立ち上げに参加して思ったよ。自分の国(会社)を立ち上げている苦しくとも楽しい状況で、第2王子が良く王家に戻ってきてくれたよな……。あいつ本当に良い奴だったよ。イケメンだったし……)


 タブレットを邪神に返すと、魔王は正面に2人座っているのに気が付いた。

 お世話になっている宿の看板娘、あかり。そ能取なりにあかりと同じ制服を着ている少女がもう1人。流れるような艶のある美しい黒髪に、楚々とした雰囲気を纏ったお嬢様。そして年の割に出るところは出ている美人さんが居た。

 魔王と目が合うとニコリとほほ笑む。その姿は年齢に相応しない、実に堂に入った完成されたものだった。


「あなた。お久しぶりね」

 魔王はゆっくり立ち上がる。邪神様は未だパフェを食べている。

「魔王。高校生は条例違反だから気を付けるように。やったら逮☆捕、だぞ♪」

「うわーん! 社長のバカー! 社長なんて歩いて帰ってくればいいんだ―!」

 駆け出した魔王に誰も追いつけない。

 宣言通り魔王は邪神を街に置き去りにして宿へ戻った。

 しかし宿に戻ったはいいが、魔王は宿の玄関でうろうろしていた。『やっぱり置き去りは可哀そうだったな……』とか反省しながら。


「ただいまー(邪神)」

「ただいまー(灯)」

「お邪魔します(元公爵令嬢)」

 固まる魔王と事情をメールで連絡され、先ほどから動画撮影している勇者正。

 前世結ばれた2人は劇的な再会を果たしたのだった!!

 ・・・

 ・・

 ・

 だった!


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