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鬼頭の嫁―最凶の鬼を使役するJKって、美味しいですか?―  作者: 白雲八鈴


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第25話 斎木家と鬼頭家の役割

 校長の言葉に石蕗さんは驚きの声を上げて、校長先生を凝視している。

 庇ったにも関わらず、生かす意味がないことを認めたのだ。


「桔梗から報告を受けましたが、不出来ながらもこのような物を作る者に対して、対処する必要性があるとの意見がでております」

「ふん。囮に使うために連れてきたのか」

「そのように解釈していただいてかまいません」


 解釈か。たぶん本来は彼女を保護するという意味合いで連れてきたことには間違いはないだろう。

 しかし、里に馴染めない者の末路は、知っての通り死だ。


 この里で権力を持つ斎木家。力を持つ鬼頭家を足蹴にするのであれば、必要ないと切り捨ているのが、この里の常識となっている。


 ここで権力が二つに別れている意味が出てくる。斎木家は人を裁く権利を有し、鬼頭家は異形を裁く権利とに分けられている。


 複数人が集団で暮らして行こうと思えば、ルールは必要だ。


 そして、今の現状を説明すると。校長先生は、自ら頭を下げて、人のことは人である斎木家に任せて欲しいと鬼頭に言ったということだ。


「斎木家が管理をするというのであれば、刀は収める。だが、真白に対する態度を改めないのであれば、今度は庇う者ごと斬る」


 そう言って鬼頭は刀を鞘に収めた。斎木家と鬼頭家が長い時を共に暮らしていく中で決められたルール。それに従い鬼頭は刀を収めた。


 ただし、一度は鞘に収めるが次はないという言葉を残してだ。

 これを破れば、鬼頭の刀は容赦なく振るわれることになる。十二年前のときのようにだ。


「ありがとうございます」


 校長先生は再び深々と頭を下げる。

 が、この状況を全くわかっていない人がただ一人いた。


「私が死んでいいってどういうことよ! そのコワ⋯⋯」

「口を慎みなさい!」


 威圧的な校長先生の声が辺りに響いた。いや、音に力を込めて放った言葉は、全ての者に絡みつく。


言霊(ことだま)言の葉(ことのは)


 言葉自体が持つ霊力をまとわして放つ言葉のことだ。


 術者より強者で無い限り、この影響を受け、言葉を紡げなくなる。術者にとっては避けたい術だ。


 そして校長先生は立ち上がって、凛と背筋を伸ばして石蕗さんを見下ろした。彼女は未だに地面から立ち上がれずに座り込んでいる。


「この里にくる前に問いましたよね?異能が使える者たちが集まる場所に行きたいですかと」


 ああ、斎木家の代表として校長先生が彼女を迎えに行ったんだね。


「貴女は行きたいと言いましたので、注意事項を言ったはずです。斎木家の者と鬼頭家の者とは揉め事を起こさないようにと。里にはルールはありますが、この家の者たちが是と言えば、それがルールになります」


 ⋯⋯いや、そんな酷いことはないよ。


 なんだか、皆の視線がこちらに向いているような気がするけど、気の所為だ。そう、気の所為だよ。


「その時、貴女は何と言いましたか?わかったと了承をしましたよね。今の貴女はそれを破った。ならば、こちらも対応を変えなければなりません」


 口約束でも私達の場合はそれが効力を発揮してしまう場合がある。言葉に力を持たせることができるからだ。


「一つ例をあげましょう。鬼頭刀夜(とおや)私の幼馴染で、鬼頭真白の父だったものです」


 父だった。父はもうこの世にはいない。私が五歳の時、鬼頭とばぁに引き取られたときは、命は見逃された。


 次はないと鬼頭に言われてだ。


 だが、この言葉が大祖父様とお祖父様との間で、嫡男から外すことが決定されてしまった。

 鬼頭に歯向かった者を当主の座につけるわけにはいかないと。


 今は十環の父親が、鬼頭家の直系としてお祖父様の次の当主になる予定になっている。まぁ、いつになるかはわからないけど。鬼頭家は長命だからね。


「その鬼頭刀夜には、他に二人の子供がいましてね。長男の氷刹(ひょうせつ)と長女の炎珠(えんじゅ)という二人の子供です」


 私の母は父の二人目の妾ということは、本妻と一人目の妾がいるということだ。


 斎木家から嫁いできた本妻の子供は長男の氷刹。そして父の従兄妹にあたる鬼頭家の妾だ。

 この二人の妻は本家の母屋で暮らしていた。だから私は他の兄姉と会ったことがなかったのだ。


「その一家は今はいません。鬼頭真白を除いて全ての者が、そこにいらっしゃる鬼頭様に殺されました。わかりますか?たとえ同じ血族であっても、鬼頭様が是と言えば、それが正しいとなるのです」


 私はそのことを知らされていなかった。何故なら、ばぁが施した結界内の平屋の家から出ることがなく、出ても本家の方を通らず学校に通う日々だった。


 いや、皆が口を噤んだため、長い間私はそのことを知らなかったのだった。



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