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ある日突然世界が滅亡したら…  作者: 水上イリス / ICCHAMA
第2章 生き残りサバイバルの始まり
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第7話 採集と火起こし

 僕はただひたすらに山を登っていた。1人取り残された広い世界でただがむしゃらに行動していた。傍から見れば冷静に見えたかもしれない。でも内心はかなり動揺していた。

「……寂しいなぁ。」

不意に独り言が漏れた。抑えていた気持ちが内面からあふれ出てくるのが分かる。山を登っていた足が止まった。立ち尽くしてしまった。知らぬ間に、何か温かいものが頬を流れていた。たった数日とはいえ、誰にも相談できず打ち明けられずただただ感じる孤独感。それはあまりにも無常だった。

「みんなに会いたいなぁ。平和な日常に戻りたいなぁ。」

つぶやいてみたが何も変わらない。仕方なく山の散策を続けることにした。さっきまでは我を失っていたが、気を取り直して食料になりそうなもの、何かに使えそうなものを探す。子供のころからこの山には何度か入ったことがあり、木の実や山菜などがたくさん手に入れられることは知っていた。数時間歩き回って、数日分の食料を揃えた。

 初夜を過ごした中学校に戻った。外はかなり暗くなっていた。時計がないので正確な時間は分からない。スマホの電池も数日前に切れてしまった。だから夜は真っ暗だ。とくにすることもないので寝ることにした。真夏なので夜でもかなり暑い。布団に入り横になる。1日中歩き回ったせいか、すぐに眠りへと入っていった。

 翌日、明るくなり差し込んできた朝日に目覚めさせられた。昨日集めた木の実や果実を食べ、今日やることを決める。

「とりあえずサバイバル術を身につけたいなぁ。中でも火起こしは重要だ。水も煮沸しないといけないし、加熱調理やあったかいお湯も必要になるもんなぁ。」

 腹ごしらえを終えると早速山へ行き、木の枝や板を集めてきて、きりもみ式の練習を始めた。よくサバイバル番組で見たことがあったが、いざやってみると意外と大変だ。ひたすら手をこすり合わせて棒を回し、摩擦熱で木の板を焦がし、着火に必要なたねを作る。しっかりと体重をのせないと、摩擦が足りずにいい感じのたねができないのだ。

「これはしんどい…。キツイなぁ。」

昼頃まで数時間続けて挑戦してみたが、断念した。また後日チャレンジだ。手はまめだらけでかなり痛い。仕方がないので近くのきれいな川の水をそのまま飲む。煮沸しないと微生物にお腹をやられることがあるので火起こしの習得は急務である。本格的なサバイバル開始直後に、1人で生きることの大変さを強く感じたのであった。

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