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第1話 いたって普通の平和な日々

 空が青く澄んでいる。今日もまったくいい天気だ。僕は汗をにじませながら今日も朝早く家を出る。僕の名前は犬田賢一(けんだけんいち)、隣町のそこそこ知名度のある自称進に通う高校2年生だ。いたって普通の男子生徒で、友達も数人いる。たまに数人でカラオケに行ったり、ゲーセンに行ったり…。毎日はまあまあ充実しているほうだと思う。今日も最寄駅から電車に乗って1時間ほどかけて学校へ向かうところだ。

「今日も気温は35℃予想。今の気温も31℃。まったく、登校するのも楽じゃないぜ。」

朝っぱらからジリジリと照りつけてくる容赦ない太陽に、ふと文句が言いたくなる。テレビもネットも異常気象、異常気象と言っているが、数年前からこれが普通になってしまったと感じている。毎年のように観測史上初と報道し続け、全く何がしたいんだと思う。それを聞くこっちの気持ちになってくれ。昼は突き刺さる熱線に焼かれ、夜は下がらない気温と湿気に蒸され、朝は毎日異常気象の報道を聞かされる。こちとら外出という行為にストレスをかんじとんじゃあ!とまあ、こんな感じで今日も平凡な1日が始まる。

 僕が住んでいる街はそこそこ大きい。電車の駅もいくつかあって、大きい駅には2, 3時間に1本くらい快速が停車する。僕の最寄り駅は快速が停まる駅の1つだからそこそこ助かっている。高校の最寄り駅までは7駅くらいあるからね。普通電車の本数もそこそこあって、20分に朝夕のラッシュ時には20分に1本くらいやってくる。そんな環境の中、僕は用意周到な性格だから、遅刻は今まで一度もしたことがない。だいたい授業始まる1時間前には教室に座っている。今日もいつもと同じように電車に乗った。ちょうど通勤ラッシュと重なるからスーツ姿の人が多くていつも満員。むさくるしい中、なんとか耐え続けて下車する。高校までは歩いて数分、すぐだ。

 正門をくぐり、教室に入る。まだ教室には誰もいない。僕はいつも最初に教室に入って、持て余した時間で本を読んだり課題をやったりして過ごすのが日課だ。そうしているうちに、仲のいい男子や人気の女子が登校してくる。そして始業ギリギリになって慌ててくる連中が着席したところで1日の学校生活がスタートするのだ。

 授業を8:30から16:20まで受けて、帰宅部の僕は帰路につく。放課後一緒に遊びに行くような仲のいい友人はいるが、結構まれでだいたいはすぐ帰宅する。今日もそうだ。行きと同じように電車に乗って、まだまだ暑い夕暮れの時間帯に外を移動する。

「今日もきれいな夕日だ。」

暑さの代償としてもたらされるこの美しい夕焼けはありがたくもらっておく。

 家に帰るとお風呂が沸かしてあって、真っ先にいただく。汗をかいて疲れた体を温めて癒す。これはもうなくてはならないものだ。僕は今日もお風呂の発明に感謝をしながら湯舟を堪能する。その後は家族で食卓を囲み、母の手料理を味わうのだ。平凡だがこれが普通なのはとてもありがたいことだ。家族とたくさん話しながら楽しく過ごす。こうして僕の1日は終わる。そしてまた変わらない明日がやってくるのだ。

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