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異世界の力を知る

「人体実験?」


リナがユウキの言葉に驚いた。


ユウキは辞書の一節を指さして言った。


「ここに書いてあるよ。東部の政府機関が、異世界から来た人間を使って、人体実験をしているって」


「何の人体実験?」


リナが尋ねた。


ユウキは辞書を読みながら答えた。


「異世界から来た人間の体内にある、特殊なエネルギーを抽出することだって」


「特殊なエネルギー?」


リナが疑問に思った。


ユウキは続けた。


「この世界では存在しない、異質な遺伝子がそのエネルギーの源だって。その遺伝子は、異世界から来た人間が持つ、不思議な力の源だって」


「不思議な力?」


リナが驚いた。


ユウキは頷いた。


「この世界では理解できない、奇跡のような現象を起こすことができる力だって。その現象の一つが、異世界から来ることだって」


「えっ……」


リナは呆然とした。


自分達が持っている力に気づいていなかった。


「でも……私たちはそんな力を使ったことないよ」


リナが反論した。


ユウキは首を傾げた。


「確かに……でも、辞書にはそう書いてあるよ。もしかしたら、私たちは無意識に使っているのかもしれないよ」


「無意識に?」


リナが疑問に思った。


ユウキは考えた。


彼は自分の記憶を辿り異世界に来た時のこと、自分がゲームで選んだキャラクターのことを思い出した。


「そうだ……」


ユウキは気づいた。


彼はゲームで選んだキャラクターの特徴を思い出した。


それは、魔法使いだった。


魔法使いとは、この世界では理解できない、奇跡のような現象を起こすことができる者で、この世界では存在しない、異質な遺伝子を持つ者だった。


魔法使いとは、異世界から来た人間だった。


「魔法使い……」


ユウキは呟いた。


リナはユウキの言葉に驚いた。


彼女も自分の記憶を辿りゲームで選んだキャラクターの特徴を思い出した。


それは、剣士だった。


剣士とは、この世界では理解できない、奇跡のような現象を起こすことができる者でこの世界では存在しない、異質な遺伝子を持つ者だった。


剣士とは、異世界から来た人間だった。


「剣士だった……」


リナは呟いた。


ユウキとリナは互いに見つめ合い驚きと戸惑いと不安と期待を感じた。


「ユウキ……リナ……」


辞書の声が響いた。


ユウキとリナは驚きながらも辞書に目を向けた。


辞書は彼らに話しかけ重要なことを伝えようとしていた。


「私は、あなたたちに話したいことがあります」


「私は、ゲームの開発者が作った、特殊な辞書です。私は、ゲームとこの世界との関係を知る、唯一の存在です」


辞書は言った。


「あなたたちに真実を教えたいと思っています」


「この世界は……ゲームの世界です」


辞書は言った。


ユウキとリナは呆然とした。


「ゲームの世界……?」


「それって……どういうこと……?」


リナが声を上げた。


辞書は説明した。


「この世界は、ゲームの開発者が作った仮想現実で人工知能の実験場の世界です」


辞書は淡々と説明を続けた。


「この世界に住む人々は、すべてゲームの開発者が作った、人工知能です。起こる出来事は、すべてゲームの開発者が作った、シナリオです。この世界に存在する物や法則は、すべてゲームの開発者が作った、ルールです」

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