表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
145/160

管竹幸はいつまでも待っていられない

超みじ回。第三部完。

 翌朝。泰京放送のローカル報道番組は、春日井の邸宅の放火未遂から発覚した半小学校の七人の児童の悪質ないじめと隠ぺいにまつわる卑劣な話題で持ちきりになっていた。

 本物の春日井まことは数年前から放火や動物虐待を繰り返していた年齢不詳の男の夏井(なつい)(まこと)として報じられた。


 管はトランクス一丁でひとり馬鹿笑いし、敷き布団の上でジタバタと転げ回る。


「アイツ! やりやがった! ヒー! ヒー!」


 笑い過ぎて横腹を痛ませても、酸素をむさぼりながらゲラゲラ笑い続けた。


 顔にモザイク処理が施されてはいるが、公園で幅屋たちに暴力を振るっている姿が流れた。顔を隠し声も加工された半小学校の児童たちによって“七人の悪童”の積み重ねてきた罪は世間に公表された。どちらも舞前ベノワ優祐が撮影したものである。


 どうやら舞前は幅屋には認識阻害の術が効かないとわかって、事前に公園の至るところに監視カメラを設置したようだ。信頼関係をそれなりに築いたハズの教師が子ども同士の果たし合いを前にして、止めようとするどころか撮影しようとするなんてガッカリしてしまう。さすがにカメラの視線までは幅屋にはとらえられなかったらしい。


 怪力を自在に操れるようになった舞前は短期間で半小学校だけでなくPTAや教育委員会に溶け込んで春日井たちを追い詰めるための情報を集めると、テレビ局にまで堂々と入り込んだ挙句、トップニュースとしてお茶の間に流れるように手配してしまった。学校もどこかしこも寝耳に水で対応に追われることになるだろう。

 争いごとからのらりくらりと避けながら生きていそうな優男の風体をしていながら、いやはや、まったく、彼は一教師にしておくにはもったいない行動力ではないか。


 匿名の通報者の正体は何を隠そう管である。辰郎が所属しているのは泰京警察西本部の通称“マドギワ”で、近年ひそかに設立されたれっきとした秘密部署であることも、秘密を知らない者たちからいつも“厄介払い役”としてやらかした警察職員たちを一手に引き受けているせいで嘲笑の的になっていることも、その裏で真に厄介なモノを取り扱っていることも、管は紫煙を通して知っている。


 当然、誰が“マドギワ”を設立させたかもわかっているので、そいつ個人に電話を一本くれてやったのだ。


 見ず知らずのオッサンの化けの皮をかぶせられた春日井少年は少年法に甘んじることもできず、二度と表社会には戻ってこられないだろう。ヘビの所有物である半小学校に泥をぶっかけた春日井家は一生ヘビににらまれ続け、肩身の狭い思いをして暮らしていくことになるのだ。


 正直なところ、管はタヌキに出しゃばられるのは好かなかった。タヌキを嫌悪するのは幼少期から大人たちに刷り込まれた……いわば洗脳である。その事実を客観視することはできる彼は、少なからず“大人の対応”というものを心得ている。何より、今回出しゃばってきたタヌキは原水留金成の根絶を願っている。タヌキもさっさと世代交代しなければならない。


 管はさっさと加賀茂の件を終わらせて、幅屋に次へ進んでもらいたかった。殊久遠寺和子が原水留金成の所在を明らかにさせるカギであることは確かなのだ。


 それを思うと、笑い声が急速にしぼんでいく。床に転がっているテレビのリモコンに手を伸ばしてチャンネルを切り替えた。もうニュースに興味はない。笑い過ぎてこぼれ出た涙が垂れた。

 更新したつもりが更新できてなかった。

 次回から第四部を更新していけたらなぁって思うけど、構成に悩んでるから増して亀更新になるかもしれない。超久しぶりに来てみたら話が更新されてる~のテンションです。

 あとキモチ的には第四部で終わらせたい。心の中では話は続いてるけど、マジで一区切りさせたい。さすがに百話超え始めたあたりからヤバいと思ってた。こんなにグダグダするとは思ってなかった。

 図書館行ってお手本読みたい……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ