こいつは話聞かないし悪いと思ってないのがもっと悪い
遅くなりました
美春視点
「ごべんなざい。ごれがらぎおづげまちゅ」
「はいよろしい」
私が顔を脹れさせながら土下座して八雲に謝っていた。八雲の顔は今見えないけどとても素敵な笑顔をうかべているんたろうなぁ。
そんなことを思っていると横から声が聞こえてきた。
「ヤクモ様、ミハル様ももう反省していると思うのでそろそろ許しては」
「サンちゃん、君はまだ美春をまだわかっていない。俺がどれだけこいつに踏み潰されてきたか……最初は足、次にケツ、ボディプレス、頭突き、そして今回にいたっては膝だからな。しかも頸に、頚椎に直撃させていたからな」
「それはごめんって」
「マジで一瞬三途の川に行ったからな?」
「ゴメンって!」
私はこれでもかと頭を地面に叩きつけながら謝った。それくらいしか出来ないから。
「はぁ~……仕方なかったってもう思うよ。それに俺がすぐに避ければよかったんだからな」
八雲もいつも通り折れてくれて、ほんとは申し訳なくなるけど、切り替えて現状についての話し合いをすることにした。
そもそもとしてそのためにここまで来たんだから、早めに話しあっておきたい。
「それで荒太、上はどうなっている?これから外に出にくくなるもだが、どうすることがおすすめだ?」
八雲が荒太に聞いた。
「そうだな……俺達のちょうど真上、そこにさっきお前らが相手していた傭兵達が今来たとこだ」
「マジか……てぇことはだ、今出るにしても、バレるからな」
「ここがバレることはないの?」
私が素朴な疑問を口にすると、八雲と荒太が私を見て、深々とため息をついた。
「な、なに?」
「それは以前に説明しただろ?」
「そもそもとして魔法の授業中に話していたじゃんか」
「…………聞いてない」
「「だろうと思った」」
2人がハモった。失礼な、重要なことならちゃんと覚えているのに。今回たまたま聞いていなかっただけで、普段はちゃんと聞いているんだよ。そのときはちょっと……なにか……他に、気になることが、あぁ、?……あったんだと思うだけなのに。
「またなんか自分なりの解釈で言い訳しているな?」
「いつものことながら顔にめちゃくちゃ不機嫌さが出ているな」
「え、うそ!?」
2人に指摘されて顔を触るけど、どうなっているかはわからない。鏡を用意したいけどここには無いし。
「はぁ、この話題はもうここまでにしよう。それより、ここがなんでバレないかだったな」
八雲がちゃんと説明してくるみたい。いつも優しいなぁ~。
「バカ以外の他の奴らはすでに知っていて、バカのためだけに言わないといけないんだが」
「こらこら、そんな誰かのことをバカバカ言うんじゃないんだよ。バカって言われる人が可愛そうじゃん」
『…………』
私がバカと言われている人を養護するようなことを言ったら、みんなが一斉に私の方を見てきた。
「……なんでみんなこっちを見るの?」
「あの~……え?」
「それは本気でおっしゃっておるのですか?」
サンちゃんと騎士団長さんが信じられないといった感じで見ながら聞いてくる。え?なにか変なこと言ったかな?
「やっぱりか」
「なんでこいつは俺からのは……はぁ~、俺は喜べはいいのか、悲しめばいいのかわからん」
荒太が肩を落として俯く、それと正反対に八雲が後ろを向いて上を見上げていた。でもよく見ると、八雲の耳が真っ赤になっていた。何が恥ずかしかったのかな?
「はぁ~……もういい、もう気にしないことにした。えっと、何だったっけ?」
「なんでバレないか」
「あんがと荒太。えっとね、探知魔法は自然物なら簡単に透過して探知することが出来る。でも魔法で組み上げたものはそれそのものが他人の魔力を纏っている、そこに他の魔法がぶつかると、弾かれるか、透過しても歪んで、ちゃんと探知することができない」
「え?でもちょっとくらいの抵抗でしょ?私いつも、ふん!ってやったら大概見えるよ?」
「……それはお前だけだ」
うん?なんか呆れられているけどいつもそれで見えていたからなぁ~。でもなぁ、それ以外言うことないしなぁ。だからすんごい心配なのに。
「他の人だと普通に見えないの?」
「そうだな。普通なら抵抗強いから見ることはまずできない。お前みたいなイレギュラーもいるが、魔力を大量に消費するから普通はダメ元でしかやらない。それにあいつ等は俺達の力を知っているから魔力を無駄にしないからバレることはない」
「そうなんだ。でも私は見えるからすごいでしょ」
「はいはいすごいすごい。お前は特別だから」
「特別だって……きぁあーーーーーー!」大丈夫
「やかましいわ」
「ふべしっ!」
とまぁ、こんな感じに漫才みたいなことをしながら八雲と荒太からの説明を聞いた。大まかなことはさっき八雲が言ったことみたいで、細々としたことを荒太が補足してくれた。なので大体は理解できた。
「うん、大体わかった」
「もう忘れないな?忘れてももう教えないぞ?」
「大丈夫大丈夫、今回のはちゃんと覚えているから」
「……こういうときは覚えているからいいんだけどな」
まぁね、こういうときっていうか、八雲及び荒太がめっちゃ真剣に教えてくれたら覚えるだけなんだけどね。あとこれは忘れちゃだめだろうってやつだけ。
それとちょっと危ないかも。
「八雲」
「わかってる」
流石にちゃんと気づいていていた。荒太もサンちゃんも団長さんもまだ気がついてないみたいだけど、私と八雲はさっきまで戦闘してたから敏感になっていた。だからこそ気がつけたんだけど。
「構えろ!来るぞ!」
八雲が警戒を促すと何も言わずに荒太も団長さんも構えてサンちゃんの前に立つ。
「崩槍」
上からその声が聞こえた瞬間、天井が円状に消えて空が見えるようになった。そこから人影が飛び降りてきた。
「数は……18みたいだね」
「人数集めてきたみたいだな」
八雲がさっきの傭兵リーダーに声をかけた。
「まさか精鋭2人をここに来るためだけに使い潰すか」
「これが最善手だったからな」
あちらに荒太並みの魔力量が1人でもいたらその1人で済んでいたけど、この世界でも上の魔力量だけどね。それでも2人を潰すか。
「ここで仕留めさせてもらう」
全員が武器を構えて一触触発の雰囲気が漂う。
次回もよろしくお願いします




