包囲を突破したけど味方からの攻撃が一番きく
遅くなりました
傭兵リーダーの男視点
位置、間合い、タイミング、全てが完璧。過去に成功させていたこの最強の布陣で1番の完成系がここにあった。これから逃れられる者など今までいなかった。
だがこれを使ったことも数回しかない。傭兵になって十数年になるが、炉それほどの相手がその分しかいなかったのだ。それも人が相手ではない、上級悪魔に人形魔獣のみにだ。それも相手を弱らせてからだった。疲労があるとはいえ俺達の攻撃をずっと捌き続けている、だからこれすら捌かれてしまうのではないかという不安があった。でもここまできて直感した、これは当たる。俺の勘が当たると言いきっている。だからそれを信じて思いっきり振り下ろした。
他の奴らも俺と同じタイミングで振り下ろした。
上に飛ぼうにも2人同時に通り抜けられる大きさではなく、下に抜けられるスキマも与えていない。確実に1人は仕留められる。その確信があった。
だがこいつら2人は避ける素振りは一切なく、俺達の得物にそれぞれ合わせるように自分の得物を構えていた。
そしてお互いの得物同士がぶつかりあった。
相手2人の足元にヒビが入る。ヒビが広がる前に足元が陥没する。そのまま一気に押し込もうとして時煙が広がった。
八雲視点
ここまで来た!
一流の傭兵の、コンビネーションが完璧な数人を相手に、美春とコンタクトを取らずに、美春がどう動くのか感じとりながら動いて、捌き、立ち位置を考えて、相手にも悟らせないように場所を誘導させてこの場所にこさせた。
そして相手側が決めにきた。確実に俺達を仕留めるための攻撃を仕掛けてきた。そこで俺は腰のバックから煙玉取り出すと地面に落として使った。
俺達中心に煙が広がる。一瞬で煙が俺達を包んで姿を隠す。
その瞬間、煙を霧散させるように刃が四方から迫った。
だが振り下ろされた刃はそのまま地面に突き刺さった。振り下ろされた先に俺と美春はいなかったからだ。
「っ!?!どこだ!」
「こっちにはいねぇ!」
「こっちもだ!」
男達の怒号が飛び交う中、俺達は広がる煙の橋に潜みながら息を殺していた。
しばらくすると煙が徐々に晴れだしてきた。
このままだとすぐに俺達の居場所がバレてしまう。でもまだ動くことはない。
「…………っ、いたぞ!そこ、」
「吹き飛べぇえ!」
見つかり、居場所をいわれる前に美春が風魔法で煙を吹き飛ばして男達の体勢を少しだけ崩した。
「動きを止める!」
俺は土魔法で細長く丈夫な石柱を傭兵達の体勢に合わせて動けないように石柱を出現させた。
「くそっ!」
「うごけない!」
「なんとかできないのか!」
傭兵達が突然の事態に慌てて叫ぶ。さっきまで優勢で、なんなら勝つ寸前まで行っていたのに、たった数手で形勢逆転されたのだから。だから普段ならすぐに対処できるであろう俺の拘束にもどうすることもできなくなっている。だから、
「「にっげろうぅううーーーーーーーーー!!!」」
俺と美春は一目散に逃走した。
「おっ、追え!追うんだぁあああああああ!」
「う、動けないんだ!」
「その前にこれをなんとかしないといけないんだよ!」
そんなふうに喚きながら、なんとかして石柱を壊そうともがいているが、身体強化したとしても多少時間がかかるように強度強めにしている。魔法を使おうにも、自身の体を傷つけてしまう。それをすると脱出したとしても俺達を追うことはできない。そんな葛藤をしているなか、俺達はどんどん距離を開いていく。
そうして俺達は傭兵達から逃げ切ることができた。
まぁ、傭兵達もベヒモスの上にいるからここで逃げ切れたとしてもちゃんと逃げ切れたとは言えないだろうが。
そんな事を考えながら走っていると目的の場所に来ることができたので、合図を送ると地面が動き、小さな縦穴が出来た。
そこに俺と美春は飛び込んで降りていった。かなりの浮遊感がともなって、しばらく浮遊感が続いたあと暗闇の中、薄く光る地面が見えてきたので衝撃を流しながらスタッと着地した。
我ながらめっちゃうまく着地出来たと感じていると、後頭部に衝撃を受けて、地面にめり込みながら押し込まれていった。
多分現在俺は頭だけが地面にめり込んで、それ以外が外に出ている感じになっている。誰がやったかはすぐにわかった。
「あっ、やっべぇ〜、やっちゃったよ」
俺のすぐ真上からこの犯人の声が聞こえた。
「…………逃げよ」
「まてぇやゴラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
逃げようとする犯人こと美春を逃さないために頭を引き抜くと、大きめのたんこぶが出来ているがそんな事を気にせず、額に血管を浮かべながら怒りをあらわにして追いかける。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアゴメェエエエエエエエエエエエエエエエエンンンンンンンン!!」
「マァアアアアアアアアテェエエエエエエエエエエエ!」
身体強化最大で逃げる美春。こんなとこでそんな高速発動を見せてんじゃない。俺もそれをするんだがな!
「……お二人共いい加減にしてください!」
「そうだぞ。いちいちイチャイチャしてるんじゃないぞ」
俺達が鬼ごっこをしていると、サンちゃんと荒太が声を上げた。
その声に弾かれて、美春がサンちゃんの後ろに移動すると、俺から見えないように隠れた。
「イチャイチャなんてしてないぞ」
「そうだよ!とりあえず助けて!」
「ちょちょちょっ!?美春様!やめてください、私では止めることなんてで出来ないんですから!」
「それでもいいから私の前にいてくれるだけでいいから!」
「そ、そう言われましても」
「サンちゃん。そこをどいてくれたら……いい時間書類仕事してあげるよ」
「はいどうぞっ!!」
俺がそう言うとサンちゃんは光の速さでどけて美春を差し出した。
美春はサンちゃんの速すぎる動きに固まってしまっている。
「あ、あ、あ、あああ……あああっ!」
「覚悟はできたか?」
「…………」
「いいってことだな?」
「いぃぃぃぃぃぃぃぃぃやぁああああああああああああああああだぁああああああああああああああああ!!」
美春の叫び声が木霊した。
これからもよろしくお願いします




