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勘の良い傭兵は誰かに似ていて、そのせいで対処せにゃならん

遅くなりました

今年もよろしくお願いします

八雲視点


「うまくいってよかったな」

 俺は崩壊している要塞巨獣トータスを見ながら呟いた。

「でもまさか幻影で騙して、敵を一網打尽にするなんてね」

「確かにそれも計画の内だが、本来の目的は……きたきた」

 俺が話していると走る方向から()()()()()()()()()

 俺と美春は脚に魔力をこめると一気に跳躍した。

 高く高く飛び上がった俺達は落ちるのでなく()()()()

「うおっと、あるとわかっているけどいざ立ってみると違和感すごすぎてヤバい」

「仕方ないだろ?それに俺達が見えていちゃダメだからさっさと姿消すぞ」

「はーい……よっと」

 美春が何かを被るような仕草をするとたちまち俺達の姿が景色に同化してしまい見えなくなった。

 外から見えなくなった俺達は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「まさか幻影をこの巨体にかけて、動くたびに出る振動をあっちのほぼハリボテのトータスと合わせて、あっちが出しているように誤認させるなんて思いつかないよ」

「これでも距離、魔法の効力、丈夫さ、見る角度等々、全部ぶっつけ本番でやるなんて正気の沙汰じゃないぞ」

「それをやりきるのが八雲でしょ?」

 そういいながら肩を組んでくる美春。調子のいいやつだ。

「なんとかやりきれたっぽいが……流石に騙せないやつもいたみたいだな」

「うげっ……めんどくさい」

 俺達はまた何かをとるような仕草をすると地面が消えて空中に立つ状況になった。そこに俺達と同じく空中に立っている者達がいた。

「まさかこんなとこまで追ってくるなんて暇だな」

「ホントホント、ここまでやったんだから諦めてくれればいいじゃない」

 俺達がそう言うと向こう側も言った。

「これは戦争だ。そしてお前たちを逃せば俺達が罰則を受ける。それにこれから俺達にとってお前達が入るのといないのとでは、仕事で生じる支障度合いが段違いだからな」

「そうか……そう言われてもな?」

「うん。こっちとしてはただ降りかかる火の粉を払っていただけなんだけど」

「それにな。そんなしょっちゅうあんたらと会うとは思えないけどな」

 確かに今回はたまたま敵同士になっただけだが、次回以降また敵になったり、味方になったりする可能性だってある。それをここで潰すのはどうかと思うんだがと思っていたのだが、

「たしかにそうだ。あんたらが雇い主になるかもしれない。あんならならめんどくさいしがらみなんて気にしないだろう。でもなんでかな、勘としてまた敵になると思うからな。ここで潰しておきたい」

「くそー、こういう人の直感は馬鹿にできないからな」

「たしかに、お姉ちゃんはかなり直感で動くふしがたびたびあったわね」

 ここで意外なのがあの家族で直感に頼るのが1にお母さん、2に美雪さん、3番目に美春と意外なのだ。

 お姉さんである美雪さんは人との付き合いを直感でおこなっていた。昨日まで仲が良かった人と次の日あってなぜか嫌になったら距離を開けていた。そういう人に限って美雪さんの事情に気がついて良くない絡みをしようとしていた。でもその前に美雪さんが離れてしまったので周りに話していた。広まる前に俺がほうほうに釘をさしていたが。

 それはお母さんもそうで、隠すのを年々うまくなる大人同士を見て決めたり、聞こえてくる小話とその視線だけで決めたり、極めつけは起きてすぐに感じた不安感でその日をどうするか決めていたことだった。

 そんなことが度々起きるので釘刺し、火消し等々をして回ったものだ。それでもババァ共の口に戸を立てることができないものだ。出来ないところはほぼ物理的に黙らせていった。

 なのであの団地には俺達を悪く言う奴らは新規のみになっていた。

 学校はまぁ…………いろいろうまくやっていたと思う。俺も頑張り、意外に美春もとても頑張った。

 まぁそんなこんなで俺と美春は周りが勘で動く人しか2人もいるからなんとなくその独特な雰囲気がわかる。その雰囲気が目の前の相手から感じる。

「こうなると……これ以上の殺生はあまり殺りたくはないんだがな」

「そういいながらも武器構えてんじゃん。もう答えを決めているじゃん」

「こんなものは考えるだけ無駄だ。こういうときはもう心では決まっているものなんだよ」

「そうね……たしかにそうだ」

 俺達はとても気乗りしないが、本当に本当にやりたくないが、これからのために、

「「俺(私)達は今からあなた達を殺す」」

 そう明確に宣言した。

「…………そうか」

 しばし考えてからゆっくりと従順したリーダーの男は姿勢を低くして構えた。それにならって他の面々も各々の構えを取る。

「……いくぞ」

「「こいやぁあっ!」」

 両者同時に地を蹴り接近する。

 相手は人数もいて連携も取り慣れているので、邪魔にならないで最大効率の攻撃を浴びせてくる。それを俺達は捌き、反らして、跳ね除けさせていく。しかも背中合わせで。

 何度も場所を交代、相手を交換するなどして相手を翻弄させる。

「そっちに!いやこっち!」

「隣に!下もぐっ!」

「こっちだ!当たれ!」

「「そいそいそいそい!」」

 呼吸を合わせるために掛け声掛け合ってタイミングを崩さないようにする。

「タイミングを合わせろ!」

『おう!』

 リーダーの男の掛け声に他の面々が答える。その声とともにアイコンタクトだけで配置についた。俺達を囲うように。

「これは、」

「まずい!」

 すぐに囲まれたため俺と美春は背中合わせに構えた。

 そこで俺達全員の動きが止まる。あるのは足元から響く振動と歩くときに出るズシンズシンという音だけだった。

 振動で重心がブレる。倒れることはないが相手からの攻撃を待つ身としては不利な体勢になったときに攻撃されたら俺だけでなく後ろの美春にも届いてしまう。捌き方もままならないだろう。

「ふぅーー……」

 美春が息を吐く。その頬を汗が滴る。そして落ちる。

 ………………ポチャン。

『オラァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 その小さな音に全員が反応して迫ってきた。


次回もよろしく

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