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俺達に突破出来ない軍なんて無い

遅くなりました

八雲視点


 俺達は最短距離を突っ切って地上に出てきた。当然地表には敵軍がいるのだが、そんなものは気にすることなく弾き飛ばしながら現れた。

「美春!」

「はいよっ!」

 俺の声にこたえた美春が、巻き上がった土砂で支えがない急な角度のスロープを作った。そこに着地すると俺と美春、荒太は前もって作っていたスノボーで、アシュラだけソリで滑走していった。

 スロープは敵軍の中央付近までしか行っていない。スロープの終わりには槍を構えた敵軍が待ち構えている。

「どうするんだ?」

「どうするのよ?」

「決まってんだろ……ジャンプだよ!」

「「オッケー!」」

「わたしできませぇぇぇえええんん!」

「捕まれ!」

 アシュラはソリなのでジャンプ出来ないから、俺に引っ付いてもらって、穂先ギリギリでジャンプした。スノボーの底を穂先が掠る。落ちかけたところでスノボーを土台に更にジャンプする。

「スペース作るぞ!荒太!」

「合わせるぜっ!」

「「斬風!」」

  お互いの相棒構えて、思いっきり振り抜くと風の斬撃が着地地点の敵を切り刻みながら吹き飛ばしていく。

「「「突っ込めぇええええええええええ!」」」

 俺達は3方向に走り出したけど、事前に決めていた通り一定距離で、横一列で進んでいることだ。でも俺はアシュラをおんぶしているので僅かに遅れている。

「すみませんヤクモ様。やはりここからでも私、」

「だめだ、アシュラじゃスピードは俺達並でも、障害物を避けながらスピードを出すことは出来ないだろ?」

「すみません」

「だからこのままが一番生還率がある。だから振り落とされるなっ!」

「はいっ!」

 一段と力を込めて抱きしめてきたアシュラに答えるように俺もスピードを上げた。

 俺達はかなりのスピードで敵軍の合間を潜り抜けていっている。当然敵兵が持っている武器にぶつかりながら。体や防具のあちこちに切り傷を無数に付けながらそれでもスピードを落とさずに俺達は、軍と軍の間の中間地点に抜けた。

「「「よっしゃぁああああああああ!」」」

 でも中間地点と言ってもそれほど距離が離れているわけではない、当然前の軍は今抜けてきた軍の混乱に警戒して武器を構えて待ち構えている。

「散開!」

 でもそのための3方向、俺の合図とともに扇状に広がる。それにより敵軍は3方向意識を向けてしまう。

 それにより生じる敵軍の綻び、その隙間に俺達は一斉に切り替えして突っ込んだ。それに気がついた敵兵が武器を戻そうとするも、仲間が壁となり邪魔をする。

「「「“遅延”」」」

 そこにダメ押しで動きを鈍らせる魔法を3人で使い周りを更に周りからの壁に使用した。

「どけ!」

「そこにいるだろうがっ!」

「邪魔だ!何してんだ!」

 それに対して魔法をかけられて動きが遅くなっている敵兵が、

「動こうにも動けないんだよ!」

「やめろ!あぶねぇ!」

「誰だ俺を蹴ったやつ!」

「いでぇええ!刺さってる!」

 いろいろな怒号が飛び交う中を敵兵を傷つけずに突っ切る。当然近くの敵兵に遅延魔法をかけて壁にする。これのために前の軍では使わずに突っ切ったのだ。

(そろそろ2陣目を抜ける!)

 軍の切れ目を見据えた俺達は更にスピードを上げて一気に抜けた。

 最後尾の軍は魔法使いを中心に揃えられた軍だ。

 ()()()()()()()()()

 接近すればなんとかなると言うバカ共はこの世界には多数存在する。

 でもよく考えてほしい。俺達がここまで敵軍を抜けるために多様していたのは何か。

 それは魔法であり魔力。それを完璧に使いこなすために訓練しているのが魔法使いたちである。接近したからといって弱いわけがない。

「障壁展開!」

『おう!』

 敵軍の魔法使いたちが号令とともに俺達との間に障壁を展開した。でもそれを見越していた俺達はすぐに美春を中心に集まった。

「“龍王・爆進”」

 美春が突撃系の技で展開された障壁を一瞬で破壊。

 魔法使いたちも一瞬で破壊されるとは思っていなかったので即座に対応することが出来ずに、突っ込んできた俺達に吹き飛ばされていった。

 だがそれほど進む事ができずに次の障壁が展開される。しかも今回は先程のように全体を包むような障壁でなく、俺達より少し大きくらいの障壁だが、強度をその分に凝縮しているので、

「っ!?かっっったっっっっ!」

 先程一瞬で破壊していた障壁がヒビ1つつけることなく俺達は止められてしまった。

「荒太!」

「おうよ!“火炎旋風”!」

 でもこういうのは事前にわかっていたことだった。なので荒太に防御用の魔法展開してもらった。

 その間に俺も準備を進める。

「展開、収束、構築、生成、圧縮」

 土の魔法陣を展開、生み出した岩塊を収束、それを目当ての形に構築、荒削りなそれを生成で整え、密度を増すために圧縮。

 これを数百個同時に行い、それぞれがバラバラのことをしている。それを更に十数回行うと出来上がる。

「動け“駆動聖骸ベヒモス”!」

 顔はサイのようだが、眼の両脇から巨大な角が伸びており、鼻と合わせて3本角、体は四足歩行でずんぐり大きい。まぁ簡潔に言うとトサカが無いトリケラトプスである。なんかごちゃごちゃ説明しようとしたが無理だった。

 そんでもって俺達はそのベヒモスの中に入っていた。

「突撃」

「ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 俺の命令とともにベヒモスがが雄叫びを上げて走り出した。(雄叫びは八雲も趣味である)敵軍もそれに対して先程と同じ障壁を展開して迎え撃った。

 両者が激突する。

 その衝撃で大地がひび割れた。拮抗しているかと思われたが、ベヒモスに力を込めると、障壁にヒビが入った。それは徐々に広がり、やがて障壁が粉々に砕けてしまった。

『なぁああああああああ!わぁあああああああああああああああああ!』

 魔法使いたちを蹴散らしながら進んでいくベヒモス。

 ベヒモスとの視覚共有でもうそろそろ最後尾が見ていきそうになった。

「っ!ずぉおおおおおおおおおおおお!」

 ベヒモスの横腹に強烈な衝撃を受けて斜めに流れた。

「なんだ!?なにが……うぉおお!」

 止まっているところに更に追撃の衝撃が加わる。

「美春!荒太!どこから来てるかわかるかっ!」

「だめ!魔法使いの中だから魔力がゴタついていてわからない!」

「こっちも気配が多すぎて絞れない」

 この二人の探知から逃げられらなんて相当の手練だ。

「だが、ベヒモスの装甲を抜くことは敵わないみたいだな!」

 実際2回の攻撃で移動は止められているが、装甲に傷が付けられてはいない。

「ん?八雲!3時方向から魔力の圧縮確認!」

「貫通特化か?受けて立つ!」

「まて!7時、2時、10時方向に集まっている」

「全部から魔力の圧縮確認!」

「ちっ!離脱す…うおっ!」

 美春が先に警戒していた方向から攻撃をもらい前脚が浮いてしまった。これではすぐに走れない。

「……まず」

 そこに合わせて貫通特化の魔法が放たれ……着弾した。

次も頑張ります

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