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勇者達を全滅させても戦争は続く

遅くなりました

「このクソ野郎が!」

 ハルバード君と仲が良かったのか、槍を持った男勇者が捻りを加えながら突きを放ってきた。

 捻りが加わっているので少なからず速い。

 でもそれを上体を反らしてギリギリ避けながら、腰をひねってカウンターで腹に蹴りを放った。

「がぼぉあっ!」

 盛大に吹っ飛んでいく槍君、そんな槍君の影に隠れながら左右から剣を構えた男勇者2人が迫ってきた。

「「コンビネーションで決めてやるよ!」」

 どうやら仲良し2人組のようだ。

 1人は両手剣のバスターソード、1人は炎を模した剣、フランベルジュを振るってきた。

「単調なこうげ……ちゅ!」

 俺は攻撃が来る前に全力で後退した。

 単調に振るわれた剣を片手づつで防ごうとしたのだが、勇者の剣の刀身が揺らめいて、纏っていた魔力が変化した。

 バスターソードは高速回転する風を、フランベルジュは業々と燃え盛る炎を纏わせていた。

 もちろんそんな程度で俺の愛刀が壊れる訳がないが、勇者の振るい方がダメだった。お互いの刀身が向かい合うように振るったので、まだまだな魔力操作と雑さで刀身同士の間に風が逆巻き、そこに炎が合わさって小型の火炎旋風が作り出されてしまった。

 そんなこととは露知らず勇者は剣を振るって来たので、それに合わせて火炎旋風も放たれてしまう。

 それを察知した俺は巻き込まれる前に逃げた。

 だが逃げはしたが俺は刀身に魔力を精密に込めてクロスさせた。

「受け止める!」

 火炎旋風をこのままにしてしまったら最悪城門が突破されてしまう。だから俺は正面から相対することにした。

 迫る火炎旋風を俺は受け止めて違和感を覚えた。

(手応えがない?)

 確かに今回作り出された火炎旋風は確かに2つの魔力が合わさって出来た現象だ。偶然の産物だとしてもそれには魔力が宿っている。ならば俺の愛刀にはそれなりの衝撃を受けないおかしいのだ。

「っ!……しまった!やられた!」

 俺は自身が侵した失策に気がついた。だから受け止めた火炎旋風の一瞬で霧散させると反転して駆け出した。後ろにいる2人の勇者に向けて。

「ちっ!気づかれたか!」

「仕方ない、俺が足止めするから行け!」

「おう!」

 バスターソードの勇者が走るのをやめて俺に向き直ると、左右に竜巻を形成して構えた。

「小細工を」

「『風刃』」

 突っ込む俺に剣に纏わせた風で斬撃を放ってきた。それを弾くと、再度入り乱れるように斬撃が放たれてくる。そのせいで否がおうにも足が止められてしまう。その間にもう1人の勇者が城門にむけて走る。

「くそっ!邪魔だ!『幻衝波(げんしょうは)』!」

 刀身の半ばに丸めの魔力の膜を作り、足止めしている勇者に向けて、太鼓を打つ感じで振るった。魔力の膜が振るわれた時弾けた。すると内に閉じ込められていた魔力が波紋とドームを合わせた感じに広がり足止め勇者君を包んで、包まれた勇者に衝撃波を全方向から叩きつけた。

「がぁっ!」

「お前は後回しだ!」 

 俺は足止め勇者君が倒れるの待たずに反転して追い抜いていった勇者を追いかけた。

 俺と勇者の距離はかなり離されていた。動作としては数回のみだったのだが、流石は勇者。身体強化は他とは違う、このまま走っていても追いつくことなんて無理だ。かといって妨害したとしてもこっちが魔法発動で足が遅くなる。

 だから俺は脚に魔力を限界まで凝縮させて強化に振り切らせた。

 1歩で相手との距離が半分になった、2歩で後ろに付けて、3歩はいかないで腕を取ると、捻り上げながら一本背負いで沈めた。捻っていたので腕はあらぬ方向な曲がっている。

「あ、がっ……あぁぁ、がぁあああああああああああああああああああ!!いでぇえええええええええええええええええ!!う、うでぇがあああああ」

 喚き散らす勇者を一瞥しながら俺は残りの勇者を見やった。が、俺は剣を構えるでもなく沈み込んで膝立ちになってしまった。

「ぐぅううううううううううっ!いっっってぇえええええええええええええええええええ!!」

 膝立ち状態の俺だが、膝からしたは服で見えないが腫れ上がっていると思う。すなわち折れているのだ。両足。

「魔力込めすぎた。仕方ないけど、流石にこのままじゃダメだな」

 俺はすぐさま魔道具で癒魔法を使って回復させていく。徐々に徐々に痛みが引いていくが立つまでにはまだ時間がかかるようだ。

(あとどれくらいで回復する?……あいつらがここに来るまで数秒はかかる。それまでに回復しないと)

 俺は注意を勇者達に向けながらも、焦らず、速やかに回復を進めていく。触れていた脚のむくみが無くなってきて、痛みも無くなってきたとき、動かなかった勇者達が、動きだした。

 いや、動き出したというよりは魔法の構築を始めた。

「ちっ、接近戦じゃ不利だと理解したか、遠距離から仕留めに来るか。でもな、こっちだってそれの対策くらい講じてるんだよ!」

 俺は魔道具に魔力を込めて勇者達が構築している魔法と対になる魔法を構築していった。

「まとめて撃ち落としてやる」

 相手側の魔法が放たれるのに合わせて俺も放つ。

 空中で魔法同士がぶつかり爆煙があたりを包む。その間に一気に回復を進めて片脚を立ち上がるまで回復させた。

「よしっ!」

 そして俺は立ち上がるのでなく、前傾姿勢で弾丸のように飛び出した。爆煙を突っ切り飛び出す。

 暴風開放に巻き込まれた勇者達が吹き飛ばされるなか、運良く暴風圏にいなかった勇者が、他に免れた勇者と示し合わせて迫ってくる。

「こさせるかよ!」

 迫る勇者達に今度は強風を刀に纏わせると、勇者達がいい距離まで来ると、

「“開放”」

 発言とともに刀に纏わせた強風をしました。ちなみになぜ暴風でなく強風かと言うと、ただたんに小回りがきいて制御が意識せずに出来るのが強風だったからだ。

 開放された強風は迫る勇者達の脚を止める。止まった勇者達の俄然に土壁を造って視界を遮断した。

「くっ!」

 視界を遮られた勇者達は視界確保にすぐに横に逃れようとした。なのでその前にすぐに土壁を造り、間髪入れずに後ろにも土壁を造って行動を阻害した。

「倒れろ」

 四方を固めた土壁を勇者に向けて倒れさせた。

『うわぁあああああああああああああああああああああああ!』

 絶叫を上げながら押しつぶされていく勇者達。

「はぁ、なんとか押し止めることが出来たが、押し止めたのは勇者だけなんだよなぁ」

 俺はため息をつきながら顔を上げた。そこには装備を整えてきた敵軍が整列してやってきた。

「この短時間で装備を整えてくるなんて近くに置いていたか、補給部隊に持たせて後続から追いつかせていたか。だが何よりこの展開を予測していたのが恐ろしいな」

 俺はやれやれといった感じに立ち上がると、風魔法を使い倒れ伏せている勇者達を俺の後ろ、城門付近まで運んで、土魔法でドーム状に囲った。

「これで口封じに殺されたら後味悪いからな、守る者が増えたからめんどくさくなったが、まぁ頑張るか!」

 俺は笑顔を向けて敵軍を見据えた。

もうちょと早く書きたい

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