防衛戦していますけど全裸です
遅くなりました
「とは言ったものの、これからどうするか……」
「な~に~?何も考えないであんなこと言って、大見得きってやってきたの?バカでしょ」
肩に乗ったシェルナがそんなことを言ってきたのだが、俺は反論出来ずに肩を落とした。
「はぁー、しょうがねぇだろ?ああ言うしかあの場は抑えられないし、何よりサンちゃんがとんでもない提案してくる可能性すらあるし。何ならあの大将軍はそれに乗ってきそうだし」
「確かにね。でもそれとこれとは別よ、別に1人で来なくても部隊を引き連れて対応すればよかったのよ。それをカッコつけて」
「ほんとゴメンて。カワイイ女の子の前でカッコつけたかったんだから。男の夢なんだよ」
「何が夢よ。そういうことは美春家族で散々やってきていたでしょう」
シェルナがヤレヤレといった感じで首を振る。
「そうだけど……あれ?お前に美春とのことを喋ったっけ?」
「さぁ?そんなことよりあれどうするの?アチラさんはもう準備万端みたいよ」
そう言ったシェルナの指が指す方向には集結した敵部隊がいた。どうやら部隊を師団クラスまで増やして一気に城門をぶち抜く算段らしい。
「マジィな。あいつらの兵力なら城門をぶち抜くことなんて簡単だ。10分もてばいいほうだ。あいつらが雪崩込んだらここはすぐに瓦解する。蹂躙されて終わりだ」
「じゃあどうするの?」
「そんなの決まっているだろう」
俺は城門から飛び降りた。
城門に向かってくるあいつらのまえに降り立った。
「俺1人でこいつらを足止め……いや、殲滅する!」
俺は進軍する敵を前に堂々と宣言した。
敵側はというと、いきなり降ってきた俺が変なことを言っているので、前から思わず止まっていった。
そこにつけいり俺は接近して、居合抜きで数人を吹き飛ばした。
「こっから先には行かせねぇよ」
「あ゛ぁあ゛っ!」
先頭にいた火の帝国の勇者が苛立ち気味に手に持つ大斧を振り下ろしてきた。
それを半身で避けながらカウンターでアッパーカットで顎を打ち抜いた。
「かっ……」
崩れ落ちる大斧君を抱きとめず、襟首を掴んで1回転して投げ飛ばした。ちゃっかり名前代わりにした大斧を奪って。
「ぶっ飛ばしてやるよ。『斧撃・崩流』!」
大斧に魔力を乱暴に流し込んで、無駄に纏わせて思いっきり振りかぶった。大斧から波状に魔力をぶっ放した。魔力に当たった草木はパラパラと崩壊していた。だけどこれは人体には効果をおよぼさないようにしている。が、人体ではなく武具には影響をおよぼし、ボロボロと崩れていった。
「なっ、何だこれは!?」
「おい!これどうすりゃいいんだ!」
「かわりの武具持ってきてくれ!服も一緒に!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎながらも何人かしか混乱せず、他はデキパキと対処行動をとっていた。
騒ぐのが何人かなのは見習わなければいけないすごいことなのだが、混乱しているのが…………なんと勇者である。それがたちが悪すぎた。
「お前らこれなんとかしろ!」
近くでせわしなく動く兵士を呼び止めては、なんとかしろ!とわめいては地団駄を踏むを繰り返していた。
女勇者に関しては近くの旗やら布やらをすぐさま奪い去って巻きつけると、その場に座り込んで動かなくなってしまった。
まぁ俺はそんなの関係なく行動にうつる。
「…………強風」
『きゃあああああああああああああああああああああああああ!!』
俺はちょっと強めの風が吹く魔法を発動して、女勇者達が纏っている布が大きくはためいて、下の裸体があらわになる。それにより悲鳴が響き渡るが、相手側の男性陣からは顔を向けないながらも親指を立てている。これにかんしては全世界の男の共通の幸せのようだ。
「ヤ〜ク〜モ〜?」
まぁ肩に1人女の子がいるのを忘れていたのだが。
「いやなシェルナ。これは違うんだよ、なっ?男ってのは女子の布を捲りたいんだよ。そういう性なんだ。それにこれは大多数の幸せのために……」
「後でミハルにチクる。女の敵はシネ」
なんとか弁解しようとしたらいろいろ口から出てしまいます、シェルナに冷たい眼差しとドスの聞いた声でピシャリと遮られた。
「すんません」
俺は謝るしかできなかった。
それはそうと慌てふためく女子達がそこらんじゅうに魔法をぶっ放しているので俺が何もしなくても敵が減っていく。一応勇者なので、男勇者達が止めようとしているのだが、近づく前に確殺の攻撃をされるので近づけずにいた。
「いやーここまで思い通りにいくと何もしなくても暇だなー」
そう言いながら城門に背を預けて休む。そんな俺にシェルナがいまだにムスッとした表情をしながらも話してくる。
「あんだけ大口叩いていたのに、実際は他人任せってどうなの?今サンちゃんが見てたらガッカリするわよ?」
「別にいいよ。それにこれで決まるなんて思っていないし、それにこれである程度減らしておかないとヤバいんだよ」
俺は敵軍を見ながら淡々と答える。
「だからこそここで溜めるんだよ」
俺はそう言って魔力を両刀に流し込んでいく。
「流麗・纏」
これはただ膨大な魔力を刀に纏わせるだけの技だ。ちなみに俺が考えて命名した。それだけの技だが、無駄を極限まで無くして、僅かな雑すら消し去った結果、川のせせらぎのような静けさと穏やかさが現れている。その実、刀身には極大魔法数発分の魔力が蠢いているというのに。
ちなみに普通、名剣程度の刀身だとすぐに粉々になってしまう。魔剣でも振れて1回で粉々になってしまう。マリナのラプラスは別だが。なので準神器級のコイツラでないと俺に合わないということだ。
「ふぅー……行くぞ。『二風煉断』」
俺は技名とともに、神速の両刀抜刀術に振り抜く。
本来の抜刀術なら腰の回転で抜くので両刀同時というのは普通出来ないものなのだが、ここは魔法の世界。魔法でその不可能を可能にまで昇華させた。
敵陣を強めの風が凪いだ。いち早く気がついたのはやはり勇者連中と部隊長より上の連中のみだった。先程まで慌てていたのが、風が吹く前に各々の武器で風が吹く方向を防御した。それに触発されて何人かは同じく防御姿勢をとる、他は困惑してただ立っていると風が凪いだ。
すると風が当たった場所と当たらなかった場所の境目に線が出来てそこからズレた。
「あ、れ?」
「おっと……うぉっ!」
「はれぇ?」
両断前ら装備持って来い!その間に防ぐぞ!」おう!』
『わかりました!』
男勇者達が俺の前に立ちはだかって、生き残った兵士達が予備の装備を取りに行って、女勇者達は少し離れたところで隠れていた。
「おらぁぁああああああああああああああああああああああ!」
全裸でハルバードを構えた奴が最初に突っかかってきた。上段から振り下ろしたハルバードを刃を当てて滑らすように反らすと、滑らせながら斬りつけた。
「うぉおっ!……やっば!」
バックステップて避けようとしたが、裸足なので砂で滑って態勢を崩した。そこに俺の刃が迫る。
「くそっ!」
咄嗟にハルバードをつっかえ棒にして倒れないようにと、防御にしたのだが、持ち手を両断して首を両断した。
「さぁ次は誰だ?」
俺は構えながら敵を見据えて言った。
アプリでやらないといけないことで切羽詰まってます
次回もう少し遅くなると思います




