光の王国に急発進!
遅くなりました
光の王国視点
八雲達が戦場に到着して違和感に気がつく1時間前、王都はいつもの変わらない時間が過ぎていた。
王都城門にて。
「平和だな」
「平和ですね」
2人の衛兵が通行人を確認しながら会話をしていた。
「今頃いつもの小競り合いが起きているんだろ?飽きないよな」
「そうですね。でもそれがお家芸になっているので、無いと違和感……うーんでも戦争なんてない方がいいですよね」
「だな」
そんな会話をしていると、街道から土埃を巻き上げて疾走する馬車がやって来た。業者もかなり焦っていて、前方の人を引いてしまうのではないのかというくらいスピードを出している。
衛兵もこれは危険だと思いすぐさま進行方向に立ち、止まるように促す。
「そこの馬車!止まれ!」
「止まりなさい!」
威嚇のために魔法を周囲に浮かべると、それに気がついた業者が衛兵のところで立ち止まる。
「おたくスピード出し過ぎ。ぶつかったらどうなって」
「そんなことより大変なんだ!」
衛兵の声を遮り悲鳴上げるように声を荒げる業者。よく見ると顔を真っ青で体も若干震えている。
「……どうした」
ただならないことだと思い聞く。そんな叫び声を上げれば必然に周りの視線を集める。
「あそこに見える森があるだろ。そこの街道を大軍が列をなして進んできているんだ」
「どうゆうことだ?そんな報告は受けていないぞ?」
「だろうな。なんたってその大軍、火の帝国と水の公国の旗を掲げていたからな」
「ばかな!?その2カ国は今戦争中だぞ?それがなんで……クソっ、おい、今すぐ団長にこのことを報告して王城に報告してもらえ!」
「わかりました!」
衛兵の1人が走り去っていく。周りも予想外の事にざわめきが起こる。
「それ以外になにかわかることはないか?例えば有名な武人が居たとかでもいいから」
「そう言われても…………あっ、そういえば遠目で間違いかもだけど、子供がいたような。子供と言うよりわ学生?かな」
「まさか……」
その報告に顔面が徐々に青くなっていく。
「勇……者………が、いるのか?」
衛兵はすぐさま立ち上がった。
「みなさん!今すぐ王都の中に避難してください!ここは戦場になります!早く!」
それから他の駐屯所に連絡して避難誘導するように手配していく。手配が終わったら避難誘導に尽力していった。
美春視点
「ぎゃははははははははははははは!ここに最高戦力が揃っているんだから、王都を落とすなんて楽勝だぜ!なにせあっちには俺らとは違って本物の勇者がいるんだからな!はっはっははははははははははははは!!」
大剣使いの爆笑が戦闘が終了した戦場に響き渡っている。そんな大声で叫んでいるから遠くにいた味方達もこの会話が聞こえていたみたいです慌ただしく動き出していた。
でもそれを聞いても私と荒太は大人しくしていた。八雲はオロオロしているけど。
「それより聞きたいことあるんだけど」
私はそう言いながら大剣使いと目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。
「なっ、なんだよ」
衝撃の事実を聞いたはずなのに、慌てもせず、しかも淡々としていているのが気味が悪いと思っているのかな?
「ここにも作戦のためにかなりの戦力を割いているわけだけど、あなた達が言う本陣にはどれくらいの戦力がいるのかな?」
「そんなの言うわけが……」
「半分」
「っ!」
私が行った言葉にビクリッと反応する大剣使い。私はわかりやすいなぁと思いながらニヤニヤする。
「そっ、それっがっ!なんだって言うんだ!あっちの戦力はこっちに来ている戦力が相手でも楽勝に勝てる戦力なんだぞ!それに加えて、お前ら光組は最後戦力がここに集結、今すぐ戻ったとしても数時間かかる。それだけありゃ王都を落とせなくても、大ダメージを与えることができるんだよ!」
「そうだねぇー……ここに最高戦力が全員いればだけど?」
私は笑いを堪えながら八雲に近づく。
「ど、どういう意味だよ」
「こういうこと……もういいよアシュラちゃん」
「あっはい」
そう言って八雲が……いやアシュラちゃんが自身にかけていた幻影・変声スキルを解除して1週間ぶりに本来の姿に戻った。
『なぁっ!?』
その光景に火の帝国組と水の公国組の面々が驚きの声を上げる。
「さぁ、本物の八雲はいったいどこにいるでしょうか?」
私はそう言いながら光の王国がある方角を見る。
「まさか……」
大剣使いもそちらを見る。
アシュラ改八雲視点
「ん?……あぁアシュラ、解除したのか」
俺とサンちゃんが光の王国に大急ぎで戻っていると私改俺の身体が淡く光り、アシュラの身体が俺の身体に戻っていった。
「お戻りになりましたね八雲様」
「この1週間ありがとうサンちゃん」
「いえ、これもこのためですので」
どうしてこうなったかは強化会議のときまで戻る。サンちゃんが持ち込んだ話の中に気になることがあった俺は、まずアシュラと入れ替わり生活することにした。最初知っていたのは美春、荒太、マリナ、エキドナの4人だった。
最初の頃は王城内にいるとバレるのでアシュラがなれるまで迷宮巡りに明け暮れていた。それからよく会うサンちゃんにはすぐバレて、でもそれからはバレないように動いてなんとかここまで来た。
「でもこれまでバレなかったから今回の事に対応できる!奴らが密偵をこちらに放っていて、俺達が向かっていると知っていてもそいつは俺じゃなく、アシュラマンサンちゃんが向かっていると報告する。そこに俺が行けば勝てる確率が上がるし、籠城戦まで持っていける!」
「そうですね!でもそれも無事にたどり着けることが出来ればですけど」
「あぁ、妨害がなければ勝てる勝てない以前にまず籠城戦を出来るようにしないといけないからな。だからサンちゃん、飛ばすぞ!」
「え?え、え?えぇええええええええええええええ!!」
俺はそう言って魔道具に魔力を流してスピードを爆上げした。それによりサンちゃんは危機を察したのか俺に抱きついて眼を回しながら叫び声を上げた。俺はそんな叫び声を置き去りにする程のスピードを出して突っ走った。
そのかいあってか妨害もなくほんの少し早く王都が見える位置まで来た。
「どうやら戦闘は既に開始しているようだな」
「そうですね。ですが王都の手前で戦っているようです。発見が早かったのでしょうか」
「それならそれで好都合だ!俺達は敵の側面から攻撃をかい……しがみつけ!飛ぶぞ!」
「えっ?きゃあああああああああああああああああ!」
俺は森から飛んでくる火球を視認すると横にいるサンちゃんを抱き、飛び降りた。
枝でサンちゃんが傷つかないように庇いながら着地する。
「ど、どどどどうしたんですか!?」
「攻撃されたの」
「攻撃!どこからですか!?」
「さぁ?それは……」
森の奥から複数の足音が聞こえてくる。
「今から来るんじゃないか?」
そう言って視線を足音の方向に向ける。
すると現れたのは水の公国の紋章が入った甲冑を来た同級生達だった。
次回水の公国対八雲




