荒太の戦闘
遅くなりました申し訳ない
荒太視点
「とうとうめんどくさい奴等が出てきたな」
俺は警戒を緩めずに俄然の勇者共を見据える。
赤を基調とした鎧を着ている火の帝国組と、青を基調とした鎧を着ている水の公国組が一定距離を開けてこちらを見据えている。
火の帝国組は顔から察するにこの戦争の意味を分かっていて、水の公国組は口車に乗せられて戦争参加、俺達の前にいるいるらしい。
「美春」
「分かってる。マリナさん、エキドナちゃん」
「「了解」」
どうやら美春も相手側の状況を察したらしく、後ろに控えていたマリナさんとエキドナちゃんに指示を出した。指示はもともと八雲が考えていた対勇者作戦なのだ。
「美春、お前は」
「私水の方行くけど」
「はっ、わかってんじゃないか。なら俺は火の方を相手するよ」
俺がそう言うと火の帝国組から怒りが漂ってきた。
「こいつなんだ?イキってんのか?」
「俺ら相手に舐めプかよ」
「前々からムカつくってお前ら思ってたんだよ!」
火の帝国組が口々に文句を言ってくる。見た感じ、教室にいたヤンキーモドキとギャルモドキメンバーが火の帝国に流れたらしい。確かあと数人いた気がしたけど、ここにはいないらしい。
「さっきから何黙ってんだてめぇ!俺らを無視してんじゃねぇ!」
そんなふうに考えていると、リーダーらしきやつが構えた大剣をお手本のような上段斬りをしてきた。見え見えで遅かったから半身でギリギリのラインで避けた。
地面に刺さった大剣を足で踏みつけると、ガンを飛ばすために顔を上げた時に顎に膝蹴りを決めた。
ゴキャッ!と嫌な音を響かせながら飛んでいった。
「よっと。返すぞ」
踏みつけていた大剣を蹴り上げて手に持つと、軽く投げた。
でも俺らの軽くはこいつらの思いっきり投げるに相当するらしいんだが、そんなことを考えながら投げると火の帝国組が慌てて避けた。
「一斉に行くぞ!叩き潰せ!」
『おぉ!!』
火の帝国組が四方から迫ってきた。槍で突いてきたので上体を反らすと、そこに剣を振って来たので手甲で受け止める。更に追撃で拳が迫るけど、片手で受け止めて捻って態勢を崩すと、掴んだまま投げた。
「がはっ!」
「やろおっ!」
仲間が投げられた瞬間俺の後ろからノしたと思っていた大剣使いが振り下ろしてきた。咄嗟に避けようと思ったが、大剣の斜線に俺が投げたやつが倒れたままなので、このままではこいつの頭が潰れてしまうから避けられないと思った。
「ちっ」
仕方なく大剣の腹を蹴飛ばして大剣をすっぽ抜かせた。それに驚いて大剣使いが大剣に目を向けたとき、掴んだままの奴を振り回して大剣使いにぶつけて投げ飛ばした。
「「がはっ!」」
俺は追撃せずその場に留まった。
「一旦距離をとれ!」
だってあいつらが勝手に距離を取ってくれるからだ。
「なんだってんだあの強さは!あの脳天気な国でぬくぬく稽古していただけの能無しじゃねぇのかよ!」
ぶっ飛ばされた大剣使いが近くにいた槍使いの胸ぐらをつかんで怒声をあげる。それにしてもタフだなあいつ。
「俺達がどれだけ迷宮に入り浸ってレベルも上げてきた!死にそうになったことを何度だってある!それなのになんで負けてんだ!」
「わ、わかんないよ!そんなの」
ただ負けているだけでこんなに混乱するなんてな。負け慣れてないってのもダメだなって手本だな。
「もういい!」
そう言うと大剣使いが槍使いを投げてこちらに向かい合った。
「もう許さねぇ。出来れば生け捕りにしろとか言われているがよ!もうどうでもいい、原型留めないくらいに擦り潰す!」
そんなふうに言いながら荒々しく魔力を放出する。先程迷宮に入り浸っていたと言っていたのでそれなりに出来るようだ。それでもそれなりだ。よくて近衛騎士団副団長レベル行くかいかないかぐらいだと思う。
「これくらいなら……これくらいか」
俺は相手の力量を目算で測ると、封印魔法を少しだけ外した。
「なんだ?俺と同じ魔力量だぁ?ふざけやがって……だがな、俺には仲間がいて、お前にはいない。これが一番の勝因だ!」
そう言って大剣使いガン魔力を纏わせて振り下ろしてきた。それに魔力を纏わせた腕をクロスさせて受け止める。もちろんかろうじてをよそおって。
「ぐぅおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「はっははははは!潰れろやっ!」
俺が徐々に押されている感じをよそおって、押し込まれていると、
「おらぁああああああああああああ!」
「死にさらせぇえええええええええ!」
両側から槍使いと剣使いが迫ってきた。俺はギリギリまで引き付けてから、縮地で後方に飛び避けた。当然大剣を少しだけ弾いて浮かせてから、更に浮かせる感じも微調整して3位が同時に激突するように。
ガガァン!!
振り下ろされた大剣の両側に槍と剣が激突した。
ピシリと武器同士がぶつかったところにヒビが入った。
「ぬぅおぉおっ!?」
大剣使いが突然のことに思いっきり大剣を振り上げると、大剣の遠心力に負けて後ろに倒れ込んでしまった。それのせいで元々ヒビが入っていたところが広がり、2つに折れてしまった!
「俺の愛剣がぁああああああああ!?」
大剣使いが愛剣を、抱えながら後方にさがっていく。
そのままガクッと膝から崩れ落ちて、涙を滲ませながら折れた大剣を見つめていた。どうやら大分思入れがあったようだ。
「おい、それくらいでクヨクヨするなっ!他にも大剣持ってきていただろっ!」
「だっでよ゛お゛!ごれ゛みんな゛で頑張って迷宮で手に入れだやづだったんだぞ!それをこんなふうに壊されるなんて」
そんなこと言われるとこっちがなんとなく申し訳なく思ってしまう。
「なんか…………すまんな」
「…………ずぴっ」
もう戦うのが馬鹿らしくなってきた。俺にしても、見た感じ相手側も。大剣使いの泣き虫具合に少なからずドン引きして、武器を持つのもバカらしいのでしまい、相手側も大剣使いを慰めるために背中を擦っていた。
「さて、こんな感じに終わったが、美春の方はどうなって……」
ドゴォオオオオオオオオオオオオンンンンンンンンン!!
ドデカイ爆発音が響いてそっちを向くと、美春が戦っているのが見えた。
「たく、やりすぎるなよ?」
俺はいつものことに微笑を浮かべた。
次は美春の戦闘です




