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vsカラミティウルフ 後編

いろいろあって遅くなりました

 八雲視点


 俺は低く屈むと前方に意識を集中させながら後ろにも向けていた。そしてあいつが飛び出すのを待っていた。

 そして

「おぉらぁあああああああああああああああああ!叩きのめしてやらぁああああああああああああああああああああああああああ!!」

 後ろで魔力が爆発的に膨れ上がると、額に血管を浮かび上がらせて、尚且顔を真っ赤にした荒太が弾丸のように一直線に突っ込んでいった。

「待ってました!」

 俺はそれに合わせて少し斜め後ろに位置づけて飛び出した。

 当然カラミティウルフも美春も突っ込んでくる荒太に気がついているが、膨大な魔力を撒き散らしながら迫る荒太の魔力に隠れながら来る俺には気がついていないようだ。そうなるように俺はタイミングを合わせたんだからな。

「グゥルアアアアアアアアアアアッ!」

 荒太に迎撃しようと後ろ足で攻撃する。それを片手で防ぎ、逆に足場にして加速して殴りかかった。

「うらぁあああああああああ!」

「ギャオンッ!」

 流石に俺と美春に攻撃し続けて疲れていたのか荒太の拳をモロに食らってしまい吹っ飛ぶ。

 カラミティウルフが体を丸めて回転しながら着地する。それを予想していた俺は着地する場所に先回りしていて、着地するタイミングで脚を斬りつけた。

「はっ!」

「ギギャッ!」

 予期せぬ痛みに重心が崩れるカラミティウルフ。それにより丁度いい高さにカラミティウルフの頭が降りてくる、俺はその首元に愛刀を振り上げた。

 それを超反応で無理矢理かわすカラミティウルフ。でも薄皮一枚浅く斬った。

「グルルルルルルルルルルルルル!」

 俺達3人を正面に捉えて唸り声を上げるカラミティウルフ。俺達はお互いに一定距離を保って構える。

「はぁ~、こんなにやっているのに有効打を当たられないなんてちょっとショックだな」

「仕方ないよ。あの厄介なスキルのせいでこっちは一方的にやられるんだし」

「だな、更に戦い方がうめぇ。どう戦えば勝てるのか本能的にわかっている感じだな」

 俺達は各々の感想を口々に言った。そして心には大きな敬意を持って視線を目の前の敵に受けた。今も全力を向けてくれる迷宮の主に。

「だが、勝つのは俺達だ」

「そうね!このあともやることなすこと目白押しなんだから!」

「全力でぶつかって速攻で終わらせてやる!」

 そう意気込むと獰猛に笑った。

 まず飛び出したのはやっぱり荒太だった。

「一番は誰にもゆずらねぇええええええええええええええええええええええええ!!」

 荒太が不敵な笑みを浮かべながら猪突猛進で突っ込む。それをカラミティウルフはギリギリまで惹きつけてから避けて、前脚を振り下ろした。それを荒太は魔力で作った簡易的な足場を使って直角に曲がり懐に潜り込んだ。

「『暴風衝』!」

 風を高速回転させた球体を作ると、カラミティウルフの懐で開放、荒れ狂った暴風が解き放たれてカラミティウルフを上に、荒太を俺達の方に吹き飛ばした。

「グギャオオオオオオオオオオオオオオ!」

「うぉおおおおおおおおおおおおおおお!」

 1人と1体が吹き飛ばされる中、俺と美春は左右に分かれて走り出していた。

「行くぞ美春!」

「まっかせなさい八雲!」

 俺と美春は同時に地魔法で石柱を作り、それを駆け上がり上空にいるカラミティウルフに踊りかかった。

 でもカラミティウルフも脚をばたつかせて近づけさせないようにした。でもそんなのは妨害になんてならない、逆に利用して加速すると脇腹を同時に斬り裂いた。

「ギャオンッ!」

 悲鳴を上げ身を縮こませるカラミティウルフ。でもやられっ放しではなく、俺達にひっかきをしてくるが、スレスレで避けて距離をとる。

「ガァ…ガァ…ガァ…ガァ…」

 みるみる出血していき息が荒くなってくるカラミティウルフ。回復なんてさせない、畳み掛ける。円を描きながらだんだんと円を縮めていく、射程距離に来ると同時に飛びかかった。

「「「おらぁっ!」」」

「ガァアアアアアアアアアアア!」

 飛びかかる俺達に噛みつきをしてくるカラミティウルフ。

 ガチン!と火花を散らせながら噛みつくが避ける。でも諦めず荒太に狙いを定めて噛みつく。

 ガッギィイイイイイイイイイイイイイインンンン!!

「!!??!?!!」

「ぬがぁあああああああああああああああああああ!!」

 なんと噛まれた荒太がガードした態勢でつっかえ棒のようになっていた。それには驚きで目を見開き固まってしまった。

 逆に俺達はそうなるとわかっていたので溜めをして全部の脚を斬り飛ばした。

「ウギャオンッ!」

 脚を斬り飛ばされたカラミティウルフは倒れて荒太を離した。

「最高の位置だぜ!」

 離された荒太がカラミティウルフの首元で腕を弓なりに引き絞る。手の形は抜き手。

「『必貫の槍(ゲイ・ボルグ)(ウル)』」

 いままで攻撃を防御してきた皮膚をたやすく貫く。ズブズブと進み背骨を掴む荒太。

「カキョ……グギャコォオオ……」

 条件反射的にのけ反るカラミティウルフ。どうやら自身でも予想外の痛みらしく眼を白黒させている。

「ゼロ距離どころか体内からくらいな。あらゆるものを(はし)り抜ける雷撃よ、焼き迸れ!『轟雷(ごうらい)』!」

「ギャゴォオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 雷撃が止まり体から白煙を立ち上らせるカラミティウルフと荒太。

「……荒太?…………荒太!おい、なんでお前まで雷撃食らってんだよ!自分の技だろうが!おい、大丈夫か!」

 俺達はカラミティウルフが倒されたことを知るとすぐさま荒太に駆け寄った。

「実は……まだれん……しゅうちゅうで……どうしてもじ……ぶんに流れちゃうんだよ」

「これから沢山練習付き合ってやるからよ」

「あんがと」

 そういうふうに話していると、カラミティウルフがもともといた場所に宝箱が出現していた。

「ほら行くぞ」

 俺達はカラミティウルフの素材を回収してから宝箱に向かった。

「開けるか」

『せーの、それ!』

 宝箱を開けるとそこには一振りの槍と魔導書、簡易な装飾だけどそれ抜きでも存在感を醸し出す真紅の宝石が着いたネックレスが入っていた。

「槍か……エキドナ使えるか」

「よろしいのですか?」

「あぁ、この中で使えるのはエキドナくらいだろ。なら使えるやつが使ったほうがいい。それでいいか?」

「私は構わないよ」

「以下同文」 

『同じくです』

 それぞれが答えるが、エキドナは尚も困惑していた。

「私以外にも荒太様が使えます。なので私より強い荒太様がお使いになるのがよろしいのでは?」

「確かにそうなんだが……俺が槍使うのは格上相手に負けないために使うだけなんだ。だから普段は拳だし、最終目標は無敵の格闘家だ。だから君が使ってもらったほうがいい」

「……はい。この槍に見合う使い手になります」

 それから雑談を少々して地上に戻る魔法陣で地上に戻った。するとそこに大急ぎでやってくる馬車が見えた。

「何かあったのかしら?」

 トラブルは俺達の予定狂わせたいようだ。

次回もよろしくお願いします

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