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寒い中でも笑いは起きる

遅くなり申し訳ない

 美春視点


『…………』

 今私達は絶賛かまくらで餅を焼いていた。外は猛吹雪で出歩くことが難しい。

「八雲達いつ頃帰ってくるかな?」

 かまくらの中には女性陣しかいない。八雲と荒太は防寒をガッツリしてから探索に出てもらっている。

「まだ帰ってこないと思いますよ?探索なんですから遠くに行ったりしていると思いますし」

「それにーもしかしたら……遭難しているかもしれないし」

『あぁ~~』

 みんながその可能性を思っていた。でもそれにかんしては祈るしか方法がない。

 それから数時間か数十分か、時間がわからないため待っていると、吹雪の音に混じって踏みしめる音が聞こえてきた。

「あっ帰ってきたみたい」

 私が出入口に視線を向けるとちょうど八雲と荒太が入ってくるところだった。

「うぅ~〜〜!寒い!寒い寒い寒い寒い寒い寒い!これ以上無理!もう無理!」

「あぁ!早く温まらないと死んじまう!もう手足の感覚が無くなってきてんだよ!色も青紫になってきてるしよ!」

 もうヤバそうなので直様火の回りに2人を座らせると毛布で包んで、口に餅を突っ込んで、頭から熱湯をぶっかけた。

「「うおっ!……ぐむっ!……あぢゃぁあああああああああああああああああああああああああ!!」」

 ゴロゴロ転がりまくる2人。でもそんなことを私は知らない!追い打ちでおでんを食べさせる。

「「ひんぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!」」

「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!」

 熱くて転がる2人の横で私は笑いまくって転がっていた。

 出入口周りがカオスになり出したので他のみんなが奥に離れだした。

 それから暫くして転がる私達は汗まみれで息を切らしながら座っていた。汗まみれと息を切らしている理由全然違うけど。

「はぁ~~笑った笑った!久々に面白いことを起こせて良かった!」

「「とりあえずそれをやられた俺達にまず謝れ」」

「ごめんごめん」

 私は片目をつむりながら謝った。

「はぁもういい。とりあえず俺達が持ち帰った情報の共有をしよう」

 八雲がそう言うとみんなが火を囲むように座った。

「まずこのかまくらから10キロ圏内は何もなかった。でも東側に大きな森があってそこには熊型の魔物が生息していた。だいたい群れで行動していて、森の中央にある洞穴に、全部の群れを統括するボスが居た」

「それ以外となると小型のリスとか、体毛が白い鳥がいたくらいだな」

「よくそんな鳥見つけられたね」

「俺じゃなくて八雲がな」

「探知系で探っていたら何か飛んでいるのがわかった。でも目視で確認なんて無理だから形だけでもわからないか探った。そしたら鳥の形がわかったから、視覚系を強化して見ようとしたら見えなかった。だから保護色になる色だと思ったんだ」

 相変わらず八雲はいろあろ考えているなと思った。

「それで?肝心の階段は見つかったの?」

 私は一番大切なことを聞いた。

「「あぁ〜それなんだが……な?」」

 何やら2人して顔を見合わせて苦笑いをしている。

「……どうしての?」

「あ~、まぁな。見つけのは見つけたんだがな」

「あぁ、見つけたのは見つけた。だけどそれを()()()()()()()()()()()()()()()

『持ち歩いて守護!?』

 私達の驚きが重なる。それもそうだろう、階段なんてものは下に移動するためのもの、なのに持ち歩くなんてことしたら、

「下に降りれないじゃん!それ!エレベーターなの!もしくは転移するの!」

「それだ。多分だが、階段はあるだろうが、階段が転移の道になっていているんだろう」

「うう~ん、それで、その階段を守護している奴っていうのは?」

「Sランクの魔物、雪山の主と言われるビックフットだ。しかも普通の奴より強力な個体だ」

「でもそれくらいなら私達なら倒すことだけなら出来なくはないでしょ?」

 確かに、外は猛吹雪で視界不良、しかもビックフットは保護色で見えづらいとなっているが、八雲が作戦を考えて、私達が的確にこなせば倒すことだけなら楽勝とは行かないまでも倒すことだけなら出来る。

 そんな言葉に八雲と荒太が何色を示した。

「あぁ、確かに倒すことだけなら出来なくはない……だが、」

「だが?なに?」

「……ビックフットを倒すことだけなら出来る。だが守護して持ち歩いている階段……多分扉なんだがな、多分脆い」

「はぁ?脆い?」

 いきなり言われたことに思わず聞き返していた。

「あぁ、視認できるギリギリの距離で観察していたんだがな、ビックフットは扉をとても丁寧に扱っていたのがわかった。だからどれくらいの強度なのか試した。石を投げて見たら凹んだ」

「凹んだ?それってかなりのスピードで投げたから?」

「いや確かに速く、だいたいプロ並みぐらいのスピードで、でも猛吹雪で色々減衰してそれよりも少し遅くなっていたんだが、それで扉は凹んだ。しかも枠組みみたいな場所だから他より硬かったはずなんだ」

 でもそれで凹んだのなら他はそれ以上ということだ。もしビックフットが扉を持ったまま戦ったなら扉が粉々になってしまう。

「だからなんとかしてビックフットから扉を引き剥がさないといけない」

「でもそれが出来ないからどうしたものかと考えているんだが」

 うぅ~んと悩む2人。でも2人が考えていることは最もだ。ビックフットは元々力が強い魔物。もしビックフットが扉を置いているのならそれを奪えば済む話だ。でも扉を持ったままなら?そうなるとビックフットの腕が塞がれるので倒しやすい。でも扉を破壊してしまう。

「どうしたものかね?」

 私達が悩んでいると後ろから声をかけられた。

「あの?」

「うん?どうしたマリナ」

 マリナさんが声をかけてきたので振り向く。

「扉、私の剣で保護してみる?確率はやってみないと判らないけど」

 確かにマリナさんの魔剣の能力、『確率操作』によって扉を手放したとして破壊されてしまう確率を限りなく低くしてもらい、その間に私達がビックフットを倒してしまう。それなら出来なくはない……けれど、

「けれどそれでも確率を低くしているだけで絶対じゃない。そしてこの天候じや不測の事態が起こる可能性のほうが高い。でもマリナさんの案が今一番成功率が高いのも事実、どうする八雲」

 私は司令塔の八雲に判断を仰ぐ。

「仕方ない、マリナを信じてこの作戦で行く。ただしマリナはギリギリまで戦闘に参加しないで扉に集中。護衛にアシュラとエキドナをつける」

「了解」

「「了解です」」

 寒いのに飽きてきたことだしいっちょやったりますか!

次は雪山での戦闘

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