八雲とシェルナとマリナ、俺達の絆が深まる
遅くなりすぎてすみません
「とまぁこんな感じで俺と美春達が出会って、しかも手配していたアパートの部屋が隣同士と珍ハプニングが起きたりとしてな、それで絆を深めまくったってわけだ」
「そうだったのかよ」
感慨深そうに荒太が腕を組みながら頷いた。
「そんなことがあったのですね」
口元を押さえながらサンちゃん王女呟いた。
「あぁ、その時のトラウマで未だに美春は家族に暴言や暴力を振るわれるとやり返さないといけないとどうしても思ってしまうんだよ」
「そうだったのですか。ならば王城全体に2度とそんなことは言わないようにキツく厳重通達します。マーラ」
「はい姫様」
サンちゃんがそう言うと後ろに控えていたメイドが一礼すると部屋を出ていった。
「これで無くすことは無理でも確実に減らすことは出来ると思います」
「気休め程度だがなんとかなると思う。美春もちょっとだけならスルー出来るまでリハビリ出来ているからな……ここまで来るのにどれだけ大変だったか」
俺は最後を小さいながらも染み染み、染み染みと言った。
「ははは……」
最後が聞こえたのか、美春が頬を掻きながら苦笑した。
「…………」
シェルナは俺の肩に乗りながら黙りこくっていた。マリナも真剣にこちらを見ていた。
「とりあえずお願いで、だから今はこれ以上の質問は無しで」
「了解だ」
「わかりました」
質問もせずに頷いてくれる2人に感謝が起きる。
「私は少し消化不良だけど」
「ヤクモ君がダメって言うなら仕方ないかな」
シェルナとマリナさんは不服そうだがこればかりは譲れない。夜にちゃんと不服なところ聞くか。
「そろそろいい時間だし今日は解散でいいか?俺も身体がまだ痛い」
「そうですわね。今日はもうお開きにいたしましょう。ヤクモ様、ミハル様、この度は私のわがままにお付き合いいただきありがとうございます」
そう言ってサンちゃんがお辞儀した。それを合図にそれぞれが部屋に戻っていくなか、俺はシェルナとマリナを先に戻して美春と向き合っていた。
「多分というか確実にお前とお姉さん……美雪さんと……美空さんとの関係を聞かれる。どうしたらいい?」
流石にこの重大なことはどうしたらいいか俺もテンパっていた。冷や汗が止まらない。
「私は仕方ないかなって思う」
「そ、そうか……」
「実際地球にいた頃でもお姉ちゃんとお母さんと話し合っていたんだよ?」
「な、何をかな?」
「もしも八雲がこれ以上増やしたら♪」
「っ!!!」
突然の告白に冷や汗急増、心拍爆速した。もう顔は青を通り越して真っ白だ!
「だから本当はシェルナちゃんとマリナさんを見たときキレそうだった」
「そそそ……ソゥだったのかぁ」
美春は可愛らしく頬を膨らませているが俺はそんなことを気にしていられなかった。だって顔は笑っているが眼はぜんっっっぜん笑っていないから!
「でも今回は理由を聞いて納得したから私は問題ないよ」
「そう……か……それはよかった…………ちなみになんだが美春。今回のヤラカシにあの……その〜なんだ、その怒りを乗せていたなんてことは」
「無いよ」
「そそそそうだよな!よかったぁ」
「そうだよ、それならあの程度で終わらせないよ。だからまたいつか殺ろうね☆」
美春の発言に俺はもう何も言えなくなった。だって美春の顔をまともに見れない、俯いたままで心境はこれからの絶望でハンパないことになっていたからだ。
「だから頑張ってね?このあともこれからも」
「?……これからも」
何やら含みのある美春の物言いを不思議に思ったがそれよりもこのあとのことが重く肩にのしかかっていたので考えるのをやめた。
「頑張るよ美春。明日もよろしく」
「うんよろしくね〜。おやすみ〜」
美春と別れた俺は重い足取りで部屋に戻っていった。戻るとシェルナとマリナがベッドに座って待っていた。
「さぁヤクモ君?オネェサンタチニチャントハナシテネ?」
「…………」
2人がベッドで笑いながら見ている。眼が笑っていないのに。
「あの……はい………ちゃんと話すので……はい……すみませんしたぁあああああああああああああああああああ!!」
渾身の土下座をスライディングで決め込んだ。顔をあげるのも怖い、そのための土下座なのだが。
「「さっさと顔を上げろこの女たらし」」
「ぐふっ……スンマセン」
でもこの2人の命令には抗えなかった。
(この2人以外にあと3人いるけどなぁ)
「まずなんですけど……」
「「美春ちゃんとはホントはどういう関係なの!」」
「あ、はい……前に言ったと思うけど美春とは付き合っていないって言ったけど、あれには2文字足りない……ホントは美春だけとは付き合っていない」
「「はい?」」
「ひぐっ……えっとですね、美春だけでなく、お姉さんの美冬さんとお母さんの美空さんともお付き合いしています」
「「あぁあ?何いってんだてめぇ」」
「ヒイィィィ!ゴメンナサイィィィイイイイイイイイイイイイイイイ!!」
もう頭を下げ続けたい。でもそんなことをしてしまうともうダメだとわかっているから出来ない。
「…………まぁ仕方ないかなって思っている私がいるんだけど」
「あっわかるぅ〜。なんとなくそうなるかなって思ってた。ヤクモなら私達以外に何人か引っ掛けててこれからも引っ掛けそうだよなって思った」
…………ひどい言われようだな。まぁ概ね合っているんだけど。
「はいそうですね」
マリナとシェルナの正論にただただ肩身を狭くしまくっていた。
「それでヤクモ君。その3人とはどうなっていたの?」
マリナが圧強めで聞いてきた。
「はい。えっとですね、部屋が隣同士だったので最初は帰って来たらどっちかの部屋で遊んだり、ご飯も一緒にしたり、寝るのも一緒にしたことがあった」
「「…………」」
「それからだんだん歳が上がっていって、だんだんと意識しだしていた時、ちょうど中学3年になったときに俺が美空さんに襲われた」
「「マジで!!」」
俺の衝撃発言に身を乗り出す2人。
「その日は美春も美冬さんも隣町に出かける用事があって、俺と美空さんだけが部屋にいた」
「ちょっと待ってヤクモ。なんでそのお母さんと一緒の部屋にいるの?」
「?……そんなのいつものように俺が部屋に上げて部屋で一緒に寛いでいただけだけど?」
「だからそれがなんでって聞いてんのよ!」
シェルナはなんで声を荒らげているのかわからなかった。
「??」
「はぁーー……もういいわ。このことは後できっちり言ってあげるから続き話して」
「どう襲われたかを?」
「そこは!……まぁ聞いてみたいけど、ちょっとだけでもいいから話してもいいけど!……それ以降のことを!」
「うん……その後美空さんに2時間ほど襲われ続かれたわけなのだが……」
「「2時間!?」」
「ちょっ……いきなり大声で止めるなよ、まぁその後後始末やらお風呂やらを一緒に入って2人を待ってあたわけなのだが、それから数日して2人にバレた。あのときはなんでバレたのかわからなかったし、いまだにわからない。美空さんはわかっていたみたいだけど教えてくれないし」
「「あぁ~なんでかわかる」」
どうやら女性陣はすぐさま勘づくことのようだ。
「なんでか教えてほしいのだがあえて聞かない。それでその日の夜に緊急会議を俺の部屋ですることになったんだ。かなり白熱して深夜までかかって、最終的に3人と付き合うことになって、そのまま朝まで襲われた」
「「…………」」
もうツッコまない言わんばかりに項垂れる2人。でも教えてほしいって言ったのはそっちなので重要だと思うことは言わないといけない。……と俺は思う。
「それから毎日かわるがわる、時に全員や2人とてヤッていたんだけど……」
「ヤクモ……もういいわ」
「お、おうわかった」
シェルナが不機嫌に言ってきたので慄きながら話題を変えることにした。
「それから美春とは教室で、美冬さんは学校や帰り道で、美空さんとは部屋や買い物で仲良くなりまくっていったんだけど、まぁ美春か一番一緒にいるからかなり親しくなっているんだけど」
「ヤクモ……他の2人は心配じゃないの?」
シェルナが一番聞きたくないことだけど聞きたくことを聞いてきた。
「心配だよ、心配じゃないわけがない。だからこそ戻る方法も探すし、逆にこっちに連れてくる方法も探すんだよ」
「「っ!!」」
俺の不安だがそれでも信念が、決意が乗った声に2人がビクリっとした。
「だからさ……これからも俺に協力してくれないか?なるべく2人の願いは叶えていきたいけど、俺の願いのためにも……さ。頼む」
俺は深々と頭を下げた。今の俺にできるのはこれくらいしかないから。
「頭上げてよヤクモ」
シェルナが優しい口調で言ってくる。
「元々私がヤクモをこっちに呼んじゃったからこんなことになっちゃんだから頭を下げるなら私方だよ」
「いや、シェルナが呼ばなかったら美春達と同じだったと思う。だからシェルナに呼ばれたことは幸運だと思う」
「っ……あり……がとう……」
いきなりのお礼と優しい微笑みに不意打ちすぎて赤面しながら、しどろもどろになって答えるシェルナ。
「それに俺があの場所にいなかったらマリナだって助けられなかったかもしれないからな」
「ヤクモ君」
俺がスタンピードのことを言っていることがわかったのかのかマリナが呟いた。
「まぁ俺達が来たせいでマリナが殺されたんだけどな」
俺はマリナが死なせてしまったことに落ち込む。
「いいよもうそれは」
気楽に言うマリナ。でもこれからも引きずると思う。
「ならこれからも俺とシェルナとマリナの夢を叶えるためにお願い」
そう言って深々と頭を下げた。
「うんそうだね、私の願いのために」
「私はこれから見つけるもののために!」
「「よろしくお願いします」」
こうして俺達は信頼を、信用を、絆を高めた。
次は迷宮に向かうかな?




