美春とななり染め終了みたいな
遅くなりすぎたゃた
目を覚ましたらそこは知らない天井だった。
「どこだここ?」
俺はキョロキョロ周りを見渡すとそこが病室だとわかった。当時は病室なんてわからなかったけど、でも安全だということはわかった。
「さて母さんと父さんになんて言われるやら」
次に思ったのは両親から落ちる雷と言うなの説教の心配だった。いままで言っていなかったが俺の両親は厳格と言うほど融通が効かないわけではない。効かなかったら美春達を助けるためにあんなことをし続けない。
まぁ両親からのこれからを考えて頭を抱えていたが、これは諦めるしかないなと割り切った。
「……美春達はあのあとどうなったんだろうな」
俺は助けたと思ったあの家族、美春達のことを考えだした。あのとき俺はアイツを殺した、と思う。もしかしたら生きているかもしれなかったけど、あのあとアイツが何かを出来たとは到底思えないので当分は大丈夫のはずだ。
そう思っているとガチャと音がして、そちらを振り向くとそこにはいままで考えていた親子が立っていた。
「あっ、ひさしぷり?なのか。無事でよかっだがぁあああああああああああだぁあああああああああああああああ!!」
声をかけたら美春と美冬さんがダイビングしてきた。それで傷が開きかけた悲鳴を上げる俺。
「よがっだぁあああああああああああよぉおおおおおおおおおおおおやぐも!」
「あああああああああああああああ!いぎでぇだぁあああああああああ!」
痛みで固まる俺を気にせずに大号泣する2人。そんな2人を鈍い動きながらもなんとか抱きしめる俺。
「ま……あ…なん……とか……生きているよ」
額には痛みで脂汗が浮かびまくっているが我慢を貫くことにした。
なおも大号泣する2人の背を擦っていると、2人が来た方向に気配を感じて振り向くとそこには2人のお母さんがバスケットを持って立っていた。
「……お久しぶり?です。元気そうで何よりです」
「…………」
俺が笑いながら語りかけるとお母さんは俯いて黙ってしまった。
(もしかして怒っているのか?あんな事をしていたとしてもアイツはこの人が愛したヤツだ。それを殺した?かもしれないやつが目の前にいる。もしかしたら……)
俺かそう思っているとお母さんが顔を上げた。体を強張らせていたが、次の瞬間には別の意味で固まってしまった。
「ひぐっ……えぐっ……あぁあああああ…………あぁああはぁあああああああああああああああああああ!!」
お母さんが2人と同じかそれ以上に大号泣しながらその場にへたり込んでしまった。病室に親子の泣き声がいつまでも響き続けた。
しばらくして3人が泣き止み、でも2人はしがみついたままだけど、やっと話せるようになった。
「それでまず先に聞きたいことなんだが、アイツはどうなったんだ?」
俺は今とても聞きにくいことだけど、今聞かなければいけないことを聞いた。
3人はとても言いづらそうに俯いた。
「……あ、あのね!八雲」
「まって美春」
「……お母さん」
美春が何かを言おうとしたとき後ろからお母さんに肩を掴まれて止まられた。
「八雲君。落ち着いて聞いてね」
「はい」
「……あの人は…………死んだわ」
「…………そうですか……すみません」
「謝らないで!……謝らないで……あなたは私達の為にしたんだから、謝るならこっちの方」
「……はいすみません」
「……ふぅ……あのあとなんだけど近所の人が警察を呼んでくれて私達を保護してくれたの。そのまま病院に来てあなたと美春と美冬が手術することになって、それから一週間たったの」
「一週間もですか!?」
あまりにも長く眠っていたことに驚いてしまった。
「それから3日で2人は目が覚めたんだけどあなたが今日まで寝ていたから……このまま…起きないんじゃなのかって……心配で……うぅ」
そう言ってまた泣き出してしまうお母さん。
「「うぅ……うんうん……」」
それにつられてまた泣き出してしまう2人。
「落ち着いてください……あの俺はどうなるんですか?」
俺は一番聞きたいことを聞いた。
「あの……ね……そのことなんだけど」
お母さんがシドロモドロになりだした。そんなに言いにくいことなのかな。
「八雲君は何もならない」
「俺は?」
「今警察に私が一番疑われているの」
「なっ!……なんでですかっ!…いっつぅ」
突然の告白に驚き大声を出してしまった。それで傷口が痛みくの字に曲がってしまう。
「なん……で……貴女が疑われないと……いけないんですか!殺したのは俺でしょ!」
俺の悲痛な叫びが木霊する。
「あなたのためなの」
「え?」
予想外の言葉に俺は固まる。
「子供を守るのは大人の役目、子供が大の大人を殺したなんて知られたら大変なことになる。そうならないために私がやったって事にして」
「そんなことはどうでもいいです!あれは俺があなた方の……いや、俺のために俺が殺したんです。このことはたとえ貴方……お母さんでも誤魔化すことなんて許さないです!」
俺は身勝手にも言った。そうしないと行けないと思ったからだ。
「でももう警察の人は……」
「そんなことは後でなんとかします。なので俺の身代わりなんてやめてください」
俺の切実な願いに最初は首を振り続けていたお母さんでしたが、気迫と湯有無を言わせないようにしていたら、最後には折れてくれた。
「もう私ではあなたを説得できないわね」
「誰にも俺は説得出来ませんよ。ここからは俺がやります」
それから俺はいち早く傷を治すことに着手して、傷が治ったら両親になりふり構わず頼み込んだ。最初両親は激怒して反対した。そりゃそうだ、自分達の息子が自ら進んで殺人者になろうとしているんだ、止める。誰だってそうだ、俺だってそうするだろう。でも今回だけは例え両親から反対され、これから軽蔑されるかもしれないけど、それでもここは譲れなかった。
それから数日、俺と両親は何度も話し合い何度も衝突した。それでもどちらも意見を変えることは絶対にしなかった。
「何度言ったって俺は意見を変えない。アイツらを必ずた助ける、父さんと母さんには多大な迷惑を掛ける、だから俺を切り捨てていいからどうにかしてくれ!」
「もういい加減にしろ!」
父さんが俺を殴り飛ばした。
フラフラになりながらも両親を見ると父さんは眼に涙を溜めながら震えていた。母さんは手で顔を覆い崩れ落ちていた。
「子供を見捨てる親がどこにいる!」
「でも……もうすぐ妹が……」
絞り出すように言った言葉と共に母さんのお腹を見る。膨らんだお腹、そこに自分の妹がいることをこの事件を起こす前に聞いた。だから俺は、
「俺はその子のために出ていきたいんだよ」
「「…………」」
そのことは2人もわかっている、でもちゃんと言われてどうにも言えなくなった。
「頼む……父さん、母さん」
母さんはもう立ち上がれなくなっていて、父さんは血が滴り落ちるほど手を握りしめていた。
「頼む……親不孝者だが、お願いだ。縁を切っても」
「それは言うんじゃねぇ」
縁を切ってほしいと言おうとしたとき、父さんがドスの利いた声で遮った。
「お前は俺達の息子だ。その事実はこれから一生変わらない。変えさせない、何があってもだ!だから縁を切るなんて言わないでくれ」
最後の方は涙声になりながらも訴えてきた父さん。
「ごめん」
「だが、これだけ言ってもお前は変えないんだろう」
「うん」
「ならそのまま突き進め」
予想外の言葉に驚く俺。
「家も出ていくんだろうが、こちらからも最大限援助もする、そこは譲らない。だからこれからも俺達の息子でいてくれ」
「うん……うん……ありがとう。ありがとう、父さん、母さん」
俺は父さんに縋り付きながら号泣した。
それから両親は色々と手を貸してくれた。
まず最初父さんの名義で都内にアパートを借りた。そこに俺の荷物を運び込んでくれた。
次に最も難解な事案、殺人事件のことだ。
父さんは知人の警察官に事の顛末を話して、これからどうしたいかを打ち合わせさた。その時に思いっきりぶん殴られたみたいだが。それでなんとか、いやかなり説得に時間がかかったみたいだが、それでも最後には根負けしたみたいだ。
これで一番の難解は終わった。そして最後の問題、あの親子のことについてだ。
これも父さんが都内にアパートを借りてくれてそこに住むことになった。
そんなこんなをしているうちに俺の退院が決まった。病院の玄関に立ち、振り向く。そこには院長やナース達が立っているのだが、一様にビクビクしている。
それもそのはず、最近になって俺が人を殺したことが広まったのだ。ニュースではちゃんとボカしていたが、病院内では入院時期とかでバレてしまった。美春達も疑われたが、俺が優しく説得したおかげで誰も何も言わなくなった。
そうして今に至るわけだ。
「お世話になりました」
俺が頭を下げると院長達も地面に叩きつける勢いで頭を下げた。
「さてと行きますか」
病院の前に止まる車に向けて歩いていく。そこには父さんが腕を組んで待っている。俺が行くと父さんが手を頭において、
「頑張れよ」
と微笑みながら応援してくれた。
「うん、負けないよ」
俺は空を見ながら力強く言った。
これでやっと過去話終わりですかね。
このあとちょくちょく出てくるかもですけど、やっとシェルナ達のとこに戻ります
よろしくおねがいします




