俺の初めての殺し相手マジ憎し
遅くなりましたすんません
美春視点
私はタイミングを今か今かと待っていた。体は八雲がやってくるまでお父さんにされていたことでボロボロだった。なんとか歩けることはできるようになれたけどお父さんから逃げることは出来ない。
そんなとき八雲から提案された。私はそれに乗ることにした。それしかここを切り抜ける方法がなかったからだ。
「なら美春、俺が合図したら走ってくれ。そしてさっきいったことを頼む、難しいかもしれないが頑張れよ」
「……わかった」
私は八雲の合図を待った。
「ふぅ……はぁ……いくぞ。五、四、三、二、一、GO!」
私は脇目も振らずお父さんの横を走り抜けてお母さんとお姉ちゃんに走り寄った。正確にはもたれてかかっている玄関のドアに。
「えい!」
私はヘロヘロの力を振り絞って開けた。
外には私達の騒ぎ声を不審に思った住人達が集まっていてヒソヒソと話していた。が、私が出てきたことで顔が驚愕に染まった。
私はそんな光景を眺めたあと振り返り八雲が何をしてあるのか見た。そこには八雲が小さな黒い紐でお父さんの首を締めている光景があった。
八雲視点
時間は少し戻る。八雲が美春に髪を貰おうとしてあた時まで。
「うんわかった。でも何に使うの?」
美春はすぐに了承してくれた。
「実はな…………こういうことをする。お前にとって辛いかもしれないがな」
俺は申し訳なさそうに言った。こらからすることで美春達に迷惑がかかる、そのことに頭を下げた。
「……いいよ。私じゃどうにも言えない。お母さんとお姉ちゃんにも聞かないといけない。でもそれをしないとお母さんとお姉ちゃんを今助ける事ができないこともわかる。だから……いいよ、八雲が思う一番のことを思いっきりやって」
美春が慈しむような微笑みを俺に向けてきた。
「ありがとう……最後にお願いなんだが、こっちを向かないでほしいかな。それだけだ」
俺は今どんな顔をしているんだろう。悲しんでいるのか、緊張しているのか、苦しんでいるのかわからない。でも美春に見てほしくないと思えた。
「……うんわかった」
美春はそう言うと美春は前を向いた。まるで俺を見ないかのように、でもそれも仕方ないと思えたから俺は何も言わなかった。
「よしこれで……ふぅ……はぁ……いくぞ。五、四、三、二、一、GO!」
合図を言うと美春が思いっきり走り出した。俺もそれに合わせて走り出す、腹の痛みに耐えながら思いっきり壁を蹴ってジャンプした。
アイツは横を走り抜ける美春に目を奪われている。今しかない、今以外チャンスはないと思い、手に持った髪を束ねた紐で首を締め上げた。
「貴様なにを……ぐっ……がぁ……あああ」
首を締め上げられたコイツは首を掻き出した。なんとか紐を切ろうとしているが無理である。普通の紐なら切れるかもしれない。締めているのは子供である俺だ、大人がやるよりはかなり時間がかかるはずだ。紐は切れる、普通の紐はだが、髪は束ねたら切れにくくなる。爪を立てようにも細い髪を束ねているのでサクサク間に埋まってしまう。
「ぐぅううううううううぅぅ!!」
「がっ……あぁああああ……あああ」
コイツはなおも首を掻きむしっている。そのせいでハラリハラリと髪が切れだしているがまだ大丈夫だ。
(死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!早く死ね!このクソ野郎が!)
俺は激痛に耐えながらも腕に力を込めて締め上げる。コイツは掻きむしっているだけでなく体を大きく揺らしながら俺を振り払おうとしてくる。でもなんとか耐える。耐える耐える耐える耐える。
でもその時大きく揺れていた俺の脚がガシリと掴まれて止まった。
「な……に?ぎっ!がぁあああああああ!」
驚く俺を知り目に掴まれた場所が万力のように締め上げられた。そのせいで腕の力が弱まり紐が緩む。
「離せこのクズが!」
怨嗟の声を響かせながら俺の脚を締め上げる。
ギリ…ギリ…ギリ……ボキン。
「がぁああああああああああぁぁぁああああああ!!」
俺の脚が負荷に耐えきれず折れてしまった。
でもコイツは折れても脚を離すどころか、引っ張ったり関節を反対に曲げようとしたりとどうにか俺を追いやろうとしてきた。
俺もそれがなんとなくわかったので、脚の抵抗に力を使うのをやめて腕に力を再度込めた。
「ぐぅうううううううぅぅうううう!」
「かぁっ……あぁああああ……ごぉ」
痛みに耐え、どんなにのたうち回りたいと思えながらもそんな雑念をスミに追いやり今しなければいけない事に全力を注ぐ。
まさに一進一退だったがそんな近郊すぐに崩れた。当然コイツの方に力関係が傾く。
痛みのせいで力を弱める気がないにも関わらず緩んでいく紐、もうだめだと思ったとき思いもよらないことが起こった。
「あぁああああああああああああああああっ!!」
叫び声を上げながら誰かがコイツに体当りしてきた。
ドンという音とともにコイツがたたらを踏む。
「何やっとんじゃゴラァっ!……あぁあ?…………………………けほっ」
何故か不思議そうな顔をしたコイツは何が起きたのか分からない顔を暫くしたあと吐血した。
「や……く…もに……て…ださないで!」
「この…クソガキがぁあああああああああああああああ!」
「ゲボっ!」
怒りが頂点を超えたコイツが美春さんをサッカーキックで数メートル蹴り飛ばされた。何度かバウンドしてお母さんの手前まで転がっていく美春さん。
「あぁ……美春!」
悲痛な声を上げて美春さんに這い寄るお母さん。震える手で美春さんを抱きしめる。
「がぁあああああああああああああああああああ」
そんな二人に怒号を撒き散らし、俺を背負ったまま駆け寄るコイツ。
俺は再度力を込めて紐を締めるが止まる気配がない。このままでは美春さんが殺されてしまう。そう思った俺は引っ張るだけだった腕に捻りを加えた。
「ぐっ……」
さっきまでとは違う感覚に脚が止まりかけるが、すぐに無視して踏み出そうとしていたのでその間に力を振り絞ってコイツの頭に勢いよくしがみついた。
「なにが?……あぁあ?………がこっ」
目を覆うように腕を回した俺は体中を思いっきり倒れ込ませた。当然いきなりそんなことを困惑中にやられたら誰だってどうすることはできない。子供とはいえ全体重を首にかけられ捻られたら折れる。
俺の最後の攻撃で首があらぬ方向に折れ曲がったこいつは、首から折れた骨を数本飛び出し、口から血の泡を吹き出しながら崩れ落ちた。
「ぬぅおおおっ!……いっでぇ!」
受け身もまともに取れる状況じゃなかったので倒れた拍子に投げ出された。
「あっ、ヤベ」
腕は目に被せていたのだが、脚は首にあぐらをかくように組んでいたので床にぶつかった肩と首に挟まれてこちらも折れてしまった。
そこにさらにいままで我慢していた痛みがぶり返してきて、痛みと痛みが重なってしまった。
「あっ……あぁああ……もう無理」
そして俺は気絶してしまった。
なんとか復旧できました、良かったです。
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