八雲の美晴家に潜入
かなり遅くなってごめんです
それからも男の子、朧八雲は家に忍び込んだり、外に出たとき偶然をよそおって来て公園に寄らせたり等と、ほぼ毎日来てくれた。
そのお陰なのかアザや擦り傷はゆっくりだけどいつもより早く治った。でもそれは古いものに関してだけど。
その間もお父さんからのしつけは続いた。勘なのか私達が八雲のお陰でいつもより元気なのが気にくわないのか、執拗になってきていた。
「なんでっ、なんでっ、なんでなんでなんでなんで貴様らは!そんなにダメなんだ!なんで私をこんなにっ!私を!家を!陥れるんだ!」
こっちはずっと家の中にいて外に出るのも二時間以内、それも人に(八雲以外)には会わない、見かけさせないように細心の注意を払っているのに、迷惑もなにもないと思っていた。逆に外に出れても心が全然休まらないせいでもあるも思うんだけど。
今もお母さんが竹刀で打たれている。最近は拳を使わないで竹刀、どこで買ってきたのか鞭、威力弱めのスタンガン、他打撲系の武器でやられるようになった。
切り傷が少なくなったけど、体のいたるとこに内出血の痕があって、何個か小さめのコブというか膨らみが出来ている。そのせいなのかどんどんマトモに歩けなくなっていた。
「うぅ……うぅぅん……」
「ええいだまれっ!」
拳がお腹にめり込んだ。ただ呻いただけなのに。
なんでこんなにイライラしているのか私達はわからなかった。もしかしたら八雲の事がバレたのかと思った。八雲に当たることが出来ないから私達に向いているのと思ったけど、それなら八雲の事を言ってもいいようなものだ。八雲の事を口にしないってことは八雲を知らないってことだと私達は思った。
「はぁはぁはぁ……はぁ……はぁはぁ……おい、酒もってこい」
「あの、家にもうお酒は無いんです」
「なに?そんな口答えする暇があるならさっさと買ってこい!」
「うっ……わ、わかったわ」
お母さんの言葉に怒気を募らせながらお父さんが壁に立て掛けていたホウキを床に投げつけた。
それにお母さんは怯えながらも、私達を手招きして連れていこうとしたけど今回は出来なかった。
「おい」
「「「……っ!」」」
「なんでいつもこいつらを連れていくんだ?何か外でやっているのか?」
「い、いえそんなことは……」
「ならどっちか置いていけ。俺が教育してやる」
「そ、そんな!」
いきなりの物言いにお母さんが狼狽える。
「なにもないんだろ?なら別に1人で行ってもいいし、2人でもいいが3人は多いだろ?」
お父さんは淡々と答えているが眼は空洞のように暗く、でも口元だけは三日月に割れていた。
「で、でも2人も買い物を覚えないといけないから、べ…勉強を兼ねて」
「そんなものは俺が教える!なんなら今お前の目の前で懇切丁寧に教えてやる!お前、やっぱり何か隠しているな!なんだ!言え!言えないならこいつらのどっちか置いて出ていけ!」
またも癇癪を起こしたお父さん。お母さんはもう顔が真っ青になりながら俯いていた。もうどうしたらいいかわからないようだ。
「お、お酒を買ってきます。美雪行きますよ」
お母さんは距離が近いお姉ちゃんを連れていった。私は手を伸ばしてお姉ちゃんの手を掴もうと、お姉ちゃんも私の手を掴もうと伸ばしたけど空振ってしまった。
「美晴!」
「お姉ちゃん!お姉ちゃぁあん!」
私は恐ろしくて後ろを振り向くことができませんでした。顔はしだいに青を通り越して白くなっていたかもしれません。それくらい恐怖がつのっていっから。
お母さんとお姉ちゃんがいないだけでこんなに心細いなんて思いもしなかったから。
「美晴」
ビクッ!と声をかけられたとき飛び上がるほど肩が跳ねたと思いました。恐る恐る振り向くと今まで見たことないくらい笑顔で立っているお父さんがいました。
「あ……あ……ぁあ……」
「さぁ来なさい。私があいつらのようにならないように教育してあげよう」
「い、いやぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
叫ぶ私を脇に挟みながら運ぶお父さん。私は必死に抵抗したが、体が弱々しかったので軽く絞められただけで黙らされた。
「さぁあいつらが帰ってくるまでみっちりとな?」
「あ……ぐぅ……ぁあ……イヤだぁぁ……だれ…か……たすけてぇ…………や…くも……」
消えそうな意識の中私はここ最近知り合った男の子の名前を弱々しく呼んだ。くしくもそれはお父さんに聞こえなかったようだ。伸ばした手を誰かが掴むまでもなく扉が閉められた。
◇
その頃俺は美晴達用の医療道具を買いだめしていた。もちろん場所はハッ◯ードラッグである。
「これとこれとこれ……あとこれもかな」
医療道具の後は食べ物コーナーに向かった。
「確か前これを持っていったら美味しそうに食べてたな。あとこれもこれも……」
そう言いながら品物を篭にいれていると入り口から見覚えのある親子が入ってきた。ちなみにいまは絶妙に人がいない時間帯だ。
「あの人達がなんで……それにいつも3人なのに2人ってのが気になる」
俺は親子に見つからないように棚に隠れていた。
「はっ……はっ……お酒はどこかしら」
「…………」
親子は言っているお酒コーナーのほうでなく反対側に向かいだした。
「たく…………2人ともお酒コーナーはそっちじゃないですよ」
「「ひっ!……あ、八雲(君)」」
俺が後ろから声をかけると2人は恐怖に顔を歪ませながら振り向くとそこに俺がいるわけだ。
「どうも……どうしたんですかこんな時間に。もう少しすると混んでくるんで早く買ってくださいね」
「うんわかったわ。ありがとうね」
「…………それより美晴はどうしたんですか?見当たんないんですが」
俺はキョロキョロと回りを見渡して幼馴染を探した。でも見つからなかった、いつも一緒のはずなのに。
「…………」
「…………実はね八雲……」
おばさんは俯いたまま黙っていたが、美雪さんがおばさんを心配しながら見つめたあと俺に事の経緯を話してくれた。
俺はそれを聞いたあと手に持っていた買い物籠とその分のお金を渡すと急いで駆け出した。
「まじかよくそっ!なんでいきなりこんなことにっ……急がないとまずいじゃないか!」
俺は美晴の家に急いだ。
家に到着すると事前に見つけておいた誰にも見られない場所にある抜け道から侵入した。俺はそこで違和感に気がついた。
「……静かすぎる。あの2人がいないとしてもあの男がこんなに静かなわけがない」
俺は家に入るためリビングの様子を伺った。
「誰もいない……車はあるからあいつはいるな。窓は開いている、入るか」
俺は家に侵入した。
「誰だ」
「っ!」
侵入した時丁度あいつが廊下を通りかかり、窓から入った風が当たったようだ。
「…………気のせいか?」
「…………」
どうやら行ったようだ。玄関が開く音が聞こえたあと車が走る音も聞こえたので俺は駆け足で家の奥に走った。
なぜ奥なのかはあいつが奥からやって来たからだ。奥にはトイレの扉と物置の扉、そしてあいつの部屋の扉がある。
「美晴、いるのか美晴!」
俺はドンドン扉を叩きながら確認したが中から音も何も聞こえなかった。ドアノブに手をかけると鍵はかかっていなかった。
「美晴いるか?……みは……る?」
扉の中には確かに美晴はいた。いたのだが美晴はピクリとも動かなかった。
まず部屋のなかだが、両脇が本棚になっており、奥にテレビと机が置いてあった。テレビは小型なので机の上に置いてある。床は畳になっており、窓がないので上のLEDが唯一の明かりだった。
その畳の上に美晴は仰向けに倒れていた。顔半分に髪がかかっていた表情は見えづらいが放心した感じに思えた。
でも一番異様だったのは美晴が服を着ていなかったことだ。畳には服と思われる布が散乱していた。体は元々傷が多かったが、徐々に治ってきていて古傷が多数残っているのと、最近の内出血の痕があったがそこに白い液体がかかっていた。しかも股の間からも溢れていた。それを見て美晴があいつにナニをされていたのか幼くもだいたいの性知識を持っていた俺は用意に想像出来た。
「あ…い……つぅ……」
俺は唇が噛みきるほど食い縛り、手も爪が食い込み血が出るほど握りしめた。
「あぁ……や……くも……?」
誰か来たことに気が付いた美晴がこちらに顔を向けて、俺と確認すると声をかけてきた。
「美晴っ……待ってろ今助けて」
「何をしている、貴様」
車で出掛けているはずのアイツが後ろに立っていた。俺はすぐに考えた。思考し、どんなに不可能に行き着いても思考を止めないようにした。
「何をしているか聞いていんだろうがっ!」
「ぐぶぉおっ!」
考えるために固まっていたら怒号とともに腹に蹴りを受けて美晴を飛び越えて壁に激突した。
幼少時代の話あと少しで終わりかもです。
現実どうなっているかもう一度見直してもいいかもしれません。
俺も見直すので
これからもよろしくお願いします




