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イノゼクト中編

遅くなりました。

とても遅くなりました。

のっぴきならない事情がありまして大変でした

「解除まで、5……4……3……2……1…GO!」

合図とともに俺達は走り出して近くまで来ると、魔方陣を消してイノゼクトの拘束を無くした。

普通なら消えたとしても硬直で動けないはずなのだが、イノゼクトのノータイムで飛び起きて、距離を取ろうとしてきた。だがそれを許す俺達ではない。普通の一流なら逃げられる速さだったが、

「逃がさないぜ?『桜花千突(おうかせんとつ)』!」

そこは3人のなかで速度と遠距離に対応できる荒太がイノゼクトの足の関節を突いた。傷を付けることは出来ないが衝撃で動きを少しの間封じた。

「「ナイス!」」

その少しを俺と美晴は見逃さず仕留めにいった。

「『九頭竜(くずりゅう)カブト割り』!」

「『死鎚(しつい)波動撃(はどうげき)』!」

美晴は頭を、俺は胴体にそれぞれの武器をぶつけた。

美晴の長剣はまず角に当たったが幹竹割(からたけわり)りのように切断していったが、角を全部切断しきる前に頭の甲殻に当たり止まった。

「うそ!角より甲殻の方が硬いのっ!?」

美晴が驚いている間俺もおれで戸惑っていた。

俺は戦鎚での攻撃、それは破壊するか衝撃を伝えるものだ。

戦鎚では甲殻を破壊するまでには至らなかったがヒビをつけることが出来た。だがこの技の真骨頂は波動撃にある。打撃時の波動によって体内を殺し尽くすのだ、これならどれだけ甲殻が頑丈だとしても意味をなさい。

実際直撃をくらったイノゼクトは体をくの字に折り曲げ、口から緑色の泡を吹いていた。そしてしなだれるように戦鎚に覆い被さり少し痙攣した。

だけどそれだけだった。以前に何回か使っていた俺だからわかる。()()()()()()()()()()()()()と。

内部が破壊され液体になるまでいくと、衝撃波で外部に出ようと膨張する。そして体を弾け飛ばすのだ。だけど今回はそれがなくイノゼクトのまだ()()を感じる。

「美晴斬れ!こいつまだ死んで……」

言葉にで来たのはそこまでだった。なぜなら……

「ギュルルアア……ギャルガアアア……ギュオガァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

そのあとを目覚めたイノゼクトを怒号に消されたからだ。

「ぐあっ!」

「きゃあっ!」

俺と美晴は間近で衝撃を諸にくらったので吹き飛ばされ空中で意識を飛ばしてしまった。

それを見逃さずにイノゼクトは俺に向けて跳躍した。

意識を取り戻すと目と鼻の真ん前にイノゼクトの顔があった。驚きと恐怖による一瞬の硬直、その間に振り上げられるイノゼクトの豪腕、ガードのために戦鎚を前にもってこようとするがもう片方で押さえられている。

「しまっ……」

突き刺さる豪腕。剛速で地面にめり込み盛大に吐血する俺。

「がぼっ!……げほっげほっ…………く…そ…………ゆ……だん……し……」

「ギュルギャォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

めり込んで出来た穴の淵に手をかけて立ち上がろうとしたとき、イノゼクトが急降下してきてトドメの一発のように正拳突きを胸に落としてきました。それを戦鎚の柄と遠心力で半身になりながら避けた。

「ぐっ……がっ…………はっ…はっ…はっ…はっ…」

俺は息も絶え絶えにしながら避けたが次は無理だと思っていた。

「仕方ねぇ……もう避けれねぇ」

悔しげに呟くがなすすべなくもう1つの正拳突きがあばらに刺さった。

バキッボリバキパキパキパキッ、と不快な音が響いてきた。

苦痛に顔を歪ませる俺。だけど刺さった腕に腕を絡ませて一瞬だけ固定した。

「がぼっ……捕まえたぞ。やれ美晴!」

「了解!『九頭両断(きゅうとうりょうだん)』!」

この少しの間に飛ばされたところからそばにやって来ていた美晴が、九色の魔力を纏わせて長剣を振り上げた。これは俺が埋まっているから出来たことだった。

「ギィギャアッ!」

ガードが出来ず腹に直撃を受けたイノゼクトは宙に舞った。

「大丈夫!やく……」

「めぇはなすなぁああああああああああああああああああああああああああ!!」

美晴を横に押し退けるとそこに()()()()()()()()()()()が拳を振り下ろしてきた。それを無防備な顔面に貰った。

垂直に地面に激突した俺はそのまま動かなくなった。当然と言えば当然だが、気絶したわけだ。

私は垂直に地面にぶつかって動かなくなった八雲を見ていた。後悔でほんのちょっとだけ止まってしまった。それが仇だった。イノゼクトは空中に静止したまま回し蹴りを放ってきた。私は脇にもろに貰った。

「がはっ!」

何度か地面をバウンドして止まった。

「げほっげほっ!……ぐぅ……」

「ギュルルルル……」

うずくまって血反吐を吐いていると隣にイノゼクトがいつの間にか移動してきていた。ハッと顔を上げたとき、サッカーボールを蹴るように腹に蹴りをくらった。

「がっ…………ぐぼっ!」

今度はバウンドする前に私の飛ぶ先に移動していたイノゼクトが胸を踏みつけてきた。

ベキベキベキッ!と不吉な音が響きわたる。

「ぐぶぅぅっ!……がぽっ、がぼがぼがぼっ!」

噴水のように血を吐くが、口内にはどんどん血が溜まっていく。反撃しようにも長剣はさっき蹴られたとき遠くに飛んでいってしまっていた。

(まずい、このままじゃ死ぬ!)

私はとてもシビアにそんなことを思っていた。でも死はすぐそこにまで来ていた。口から溢れた血が口元を伝う。イノゼクトが脚に更に力を込めようとした時、イノゼクトの横に影が指した。

「やらせねぇぜ!おらぁああああああああああああああああああああああ!!」

どこかにいっていていた荒太が腰だめして、更に回転力を加えた槍を放ってきていた。

「ギギィ?」

でもイノゼクトは何でもないかのように首を傾けて荒太を見ると、片手を出して正面から受け止めた。回転力で突風をまとわっていたが、それすら力ずくで押さえつけていた。

そして槍の穂先を持ったまま荒太を持ち上げた。

「うぉおっお!」

驚きながらも槍を放そうとしない荒太。頭上にまで、持ってきたイノゼクトは、しがみつく荒太を、

ブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブン!

と荒太を引き剥がそうと振り回し出した。

「うぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

まるで小さい旗をおもいっきり早く振る感じで荒太は振りまわされていた。

「く……そ…がっ……ぬぅおおおっ!」

血が溜まってきたのか荒太の顔が真っ赤になってきていた。

「うぅううううう~……気持ち悪ぅ」

さすがに荒太も限界が近いようだ。私も何とかしたいけど回復が追いつかない。イノゼクトは脚をどけないし、回復しても脚の位置が変わらないからちゃんと回復しない。

(どうすることもできない!どうすれば……)

ガラッ……。

少し離れた瓦礫が崩れる音が聞こえた。2人と1匹は反射的にそちらを見た(荒太はイノゼクトが手を止めたため見れた)。

「あっ」

「ギィ」

「おっ」

そこには私と荒太が待っていたやつが立っていた。

「ぐっ……くっそ……気絶なんて久々だぜ」

八雲はフラフラだがしっかり立っていた。

「ギィギャッ」

イノゼクトは私から脚をどけ、荒太は槍ごと放り投げられた。やはり八雲を先に潰しておきたいようだ。イノゼクトはすぐにそちらに突っ込んでいった。

「単純だなおいっ!」

八雲もいきなりの展開に慌てながらも対処に移っていた。

「さっすが八雲。いつもいつもさっこうのタイミングでの登場、物語性を外さないわね」

私はいつも通りに満面の笑みで笑った。

そしてイノゼクトの戦いは局面を迎える。

イノゼクト後編こうご期待

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