八雲はどこでも美晴の書類を書きますよ
頑張った、遅くなったけど
俺達は地面に大粒の汗をかきながら大の字で寝そべっていた。なぜかって?3人して遊び暴れて疲れただけだ。
「いやー遊んだ遊んだ!なんか戻ったって感じ!」
「そのせいで街が傷だらけになってちゃわけないがな!」
「いいっていいっていつものことだし!でも今回いつもよりやり過ぎたかも……ってやって来たわ」
「あちゃーこれじゃ逃げれないじゃん」
「なんだ?誰か来たのか?」
俺は2人の視線の先、ガラガラと慌てた感じの急いでくる馬車にを見た。
馬車は俺達の真横でストップすると、中からかなりの美少女が出てきた。髪は陽光を受けて美しく輝くブロンドで腰までの長さがある、瞳は透き通るようた緋色、高校生くらいの身長でスレンダーな体型、服は純白なので一瞬ウエディングドレスかと思ったが、よく見るとフリル少な目の動きやすさが際立つドレスだった。装飾品はないがそのおかけで少女の美しさが際立っているのだが、それと同じくいろいろ際立ってしまっている。
まず顔なのだが、薄く化粧をしているみたいなのだが、それでは不可能なほど隈が、まるで眼だけでた大きめのサングラスなのかってほどの隈が目に映り、その眼は限界まで開かれている。次にとても怒ったいるのだろう、前髪で見えづらいが青く浮かんだ血管が見えている。あとちょっとで切れてしまうのでないかと心配するほどだ。
「あの~ね?サンちゃん、まず聞いて?」
「一体何を聞けばいいのですかミハル様?私は何度もおっしゃったはずです、城下を壊さないでくださいと?えぇえぇ私は毎日言っているはずですが!」
サンちゃんと呼ばれた少女はかなり激怒しているようで、言葉の端々にそれが伺える。
「サンちゃん待ってくれよ?今日ぐらいは勘弁してくれ、久々に親友に会えて騒いだだけだからさ」
珍しく荒太が下手に出ている。
「アラタ様、あなたでは無理なのはわかっています、でもなぜ今回は被害を減らすためでなく増やす方に組みしているのですか?」
「あーそのそれはー……」
「それに何よりもヤクモ様?あなたです」
「…………俺?」
いきなり指名された。
「そうですあなたです!なんでヤクモ様もいっしょになって暴れているのですか!?あなただけはまともだと信じていたのに!あぁこれでまた徹夜が増える……ミハル様とアラタ様は書こうともしないからどんどんどんどん増えていって私はどうすれば……」
それを聞いて俺はバッ!と2人に視線を向けると2人してそっぽを向いた。
「おい貴様らなにしてんだ?」
「……私反省文嫌い」
「……左に同じく、それにこっちの文字書き方わからない」
なにやら言い訳する2人をほっといて俺はサンちゃんに近づいた。
「うぅもうやだもうやだもうやだ……文官達に何て言ったら……また陰口の叩かれる……嫌だよーいやいやいやいや!」
「だ、大丈夫か?」
俺は恐る恐る近づいてサンちゃんほ肩に手を置いた。そしてさっきまで誰にも知らない振りをし声をかけた。
するとキッ!とした感じに睨まれて、
「大丈夫なわけあるかぁああああああああっ!今まで話を聞いてきてあなただけは常識人だと思っていたのに!加わったことで被害が更に……もう書類に埋もれたくないんだぁああああ。あぁあああああああああああああああんんんんんんんっ!!」
俺に起こっていたと思うとすぐに泣き出し、最後に人目もはばからず大泣き、とても悪いことをしたと思った。なので、
「あの~よかったらこいつらの反省文、俺書きますよ?何でしたら今回の書類回してもらってもいいですし?」
そう提案すると、サンちゃんが勢いよく顔をあげた。
「ホントですか!ホントに書いてもらえますか!」
「ほ、ホントホント」
「あぁ……ありがとうございます!これで少しは楽になります!……では時間もなくなります、早速王城に向かいましょう!」
サンちゃんは俺の手を取ると勢いよく馬車に乗り込んでいった。まぁ俺もそれで乗ったことになるけど。
乗ると馬車は勢いよく来た道を戻りだした。なので気になっていたことを、というか鑑定である程度わかっているが一応聞くことにした。
「今さらだけど、サンちゃんは何者だい?」
「あら!ごめんなさい、私名乗りもしないではしゃいでしまって。……改めまして、私はこの国、光の王国キラリスの第一王女サンライズ・フォン・キラリスですわ」
鑑定でわかっていたが、俺は驚きを隠せなかった。なにせ王女だったのだから……ではなく!
「まさか王女様があんな往来で号泣するなんて夢にも思わなかったぜ!」
「はぅっ!」
俺の発言に思い出したのか顔を手で覆い俯く王女様。隠れていない肌や耳が赤く染まっているのが見える。
「しかたなかったんですぅうう!久々にあのようなことを言われて……知らぬまに涙が……」
「うちの2人がすんませんでしたぁあああああああっ!」
俺は馬車の中で土下座した。
「ヤヤヤクモ様!?顔をあげてください!私はもう気にしませんから!」
サンライズ王女訳してサンちゃんは慌てながら顔をあげるように促してきた。
「ほんとーーに!すみませんでした!俺がもうちょっと早く来ていればよかったんだが……寄らないといけないところがありましてな」
「大丈夫、ヤクモ様にはヤクモ様の事情があります……でも私的には早く来てほしかったです」
サンちゃんの普通は聞こえないほどの最後の呟きが聞き取れてしまった俺は申し訳なさが一杯になった。
「ホントにすんません。城に行ったら出来る限りのことを全力でやらせていただく」
「はいありがとございます。でももう顔をあげてください!そうされていると、入ってきた人に私が悪いように……」
「サンちゃん!八雲!置いてかな……いで……よ……お?」
タイミング悪く美晴が馬車に追い付いてきて扉を開けた。そして飛び込んでくる異様な光景……いや妥当な光景かな?それが目に入ってくるので珍しく固まる美晴。
「なにしてんだ八雲?」
「…………ふっ、世界の意志さ」
俺は誤魔化すことを放棄、ある小説の主人公のセリフをパクって、鬼気立ち込める美晴に言った。
「ならこちらも世界の意志よ?」
美晴は振りかぶりながら渾身の右ストレートを顔面に叩き込んだ。俺は馬車を飛び出て向かいの家の壁突き抜けていった。
◇
カキカキカキサキカキカキカキカキカキ……。
トントントントントントントントントン……。
バタバダバダバタバタバタバタバタバタ……。
王城の執務室、そこでは昨日までも聞こえていたがでも何かされているわけでも何かが違うと思う音が響いてきていた。
当然その音の正体は八雲が書類作業を両手で別々に行っている結果聞こえてきているわけなのだが、今やっている書類は八雲がやると言った反省文……ではない、今まで溜まっていっていった書類である。ちなみに美晴達との再会の喧嘩は一昨日の出来事だ。それから一睡もせずやっているので隈が出来ている。
最初八雲は驚異的な速さで反省文を書き終えた。それを提出して終わりだったのだが突然、
「時間あるから手伝うよ、そっちの書類回してくれるか?」
そういってやりだしたのだが、歯止めが効かずにどんどんどんどん書類を手伝っていった。
そして最初の音に戻る。
まずカキカキ……は右手で文字を書く音で、トントン……はサインを左手で押す音だ。どちらも俺が出している。
最後の音は終わった書類を各部署に持っていく走り回る人が出している音だ。
「次……次……次……やっぱり美晴達はバカだなっ、1日で終わらない書類仕事を毎日増やしていったら、終わるわけがないじゃん。子々孫々まで続く最悪の永久機関が完成するわ!」
そんな軽口叩きながらも手は休めない考える頭も休めない、こんな状態を徹夜で行っている。サンちゃん達もそれをずっっっとやっていたが、慣れた手つきでやる八雲は、かなりのハイペースで行って、現在100分の1終わったところだった。
それで俺は立ち上がりちょっと席をはずし、屋上に出ると、
「どんだけやっとんのじゃぁああああああああああああああああああああああ!!!終わるわけねぇえええだろうぅがぁああああああああああああああああああああああああ!!!」
渾身の雄叫びを放った。
その後八雲は戻って、今もなお増大していく書類を処理していった。
慣れのお陰か、美晴と荒太が自注したのか、1ヶ月間の徹夜で終わらせることが出来た。
終わった瞬間、その場の全員が涙を流しながら深い眠りについたのは言うまでもない。
八雲は次も苦労するのかこうごきたい




