光の王国到着したのバレてるようだ
遅くなった
俺達は『モンキーパーク』を抜けて久しぶりの休憩で眠った後にすぐさま出発した。
まさか十数時間も寝てしまうなんて思わなかったからだ。このままでは期限に間に合わない。
「マリナ、光の王国まであとどれくらいだ?」
「そうね、このペースだとあと2日ってところかな?」
2日、それならばギリギリ間に合う。俺は心の底から安堵した。
「ヤクモ様、なぜそんなに急がれるのですか?」
「そうそう、急がなくてもゆっくりいきましょうよ主様」
後ろからアシュラとエキドナが疑問を口にする。そういえば2人は知らなかったっけ?
俺は幼なじみを美晴のこと、美晴が勝手に発令した『ハッピーエンドタイム』のことを話した。すると、
「なんですかそれ?ヤクモ様正気ですか?」
「主様、病院に行ったほうがいいよ?念入りに回復魔法を重複に重複を重ねて掛けてもらった方が」
「俺は正常じゃ!」
2人の物言いにおもいっきりツッコンだ。でもそう思われても仕方ないことだと諦めている。
「一応マジだから。だからそういうことあるから俺の幼なじみなんだよ」
「それはそうなのですが、それを普通と思ってしまっているヤクモ様を私は心配しているのです」
「そうそう」
「しょうがないじゃんかよー!だってもう15年の付き合いだぞ!これくらい普通に思っとかないとそうそうに寝込んどるわ!」
何を言われたって俺にはこれしか選択肢がなかったんたから仕方ないじゃんかよー!だったらどうすればいいかあのときの俺に教えてくれよー!
とまぁこんな感じに過去で弄られながら進んでいった俺達。魔物の襲撃も峡谷みたくアホほどあるわけでなく、途中盗賊や山賊とかち合いそれを撃退していき、ちゃんと休息も取れて順調に進んでいた。
そしてとうとう到着することができたのだ。
光の王国キラリス
美晴と荒太が厄介になっていて、シェルナの姉女神の1人を奉る国の1つに。
「ぅう~~つっいたぁあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
「なががっだぁああああああああああああああああああ!!」
「ガンバッだぁよぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「えぇっ!えぇっ!」
「けわしかってぃいいいいいい!」
俺、シェルナ、マリナ、アシュラ、エキドナ、5人それぞれ感想は違えど顔は涙でぐちゃぐちゃになっている。それだけ壮絶な旅路だったんだ、これくらいしてもバチは当たらないだろ。
「お前ら、泣くのは後にして今日の宿探しにいくぞ」
俺は目元をグシグシと乱暴に擦るとまだ泣きまくっている4人を促しながら歩きだした。
「そうね、このままじゃ何もできないわね。シェルナっちはいつも通りヤクモ君のところに、アシュラちゃんとエキドナちゃんは涙拭っていきましょう」
マリナが目元を拭い、いまだ泣き止まない2人を促した。
2人はそれに頷き、目元を拭うと急いで寄ってきた。ちなみにシェルナはマリナが正常に戻っているときに俺の肩に飛んできて、ぐて~と布団のように天日干しされていた。
そんなこんなで俺達は街に入るために城門に向かった。どうやらここは地の王国のように検問をしておらず、城門は開放されて出入り自由、でも大きな馬車などは止められて、検査されているようだ。
俺達はディノソルを俺の時空間に収納して徒歩で向かったので、ちょっと値踏みされたが素通りされた。
城門を潜るとそこには美しい街並みが映り込んできた。
「こりゃすげぇな!地の王国とも、商業都市とも全然違うな!」
「うぅ~まぶしい~」
「…………」
「やッべぇ~何これ、これって全部人間が作ったわけ?」
マリナ以外の4人が太陽の光を反射して白く輝く街並みを見上げ、眺めていた。それだけの圧倒かんがそこにはあった。
だって今まで見てきた街並みは、だいたい2階建ての母屋が建ち並ぶ感じ、いわゆる日本の市町村見たいな感じにギルド支部や王城などが大きい建物と言えるものが建ち並ぶ感じで、今建ち並ぶのは、一言でいうならマンション。それがテレビ等で見たことあるイギリスやフランスの街並みのごとく並んでいる感じだ。
「なんか他と競べるのがアホらしくなる光景だな」
「そうでしょ?光の王国キラリスは、他と違い平和と安穏が約束されている国としていて、実際犯罪率はどこよりも低い」
「でもなんかあちこち壊れてるけど、どうして?」
そうなのだ、犯罪率が低いなら建物に傷が出来てもすぐ直せるはず、でも建物には大なり小なり傷や亀裂がたくさんある。まるで何か強大な力が暴れたような感じに。
「うん?なんか引っ掛かるような?」
何かこの光景に見覚えがあるような感じを持ちつつ、俺達は冒険者ギルドに向かうことにした。
「な、なぁ?なんか知んないけど震えが止まらないんだが、どうしたらいい?」
ギルドに向かう道中、最初はブルッといった感じだったのだが、歩く、いやギルドに近づくにつれ俺の震えが大きくなりだし、歩くことにすら支障を来すまでになっていた。
「どうしたんだろう?ヤクモ君大丈夫?鑑定しても状態異常にかかっているわけではないし」
「周囲から何かされているわけでもないようです」
「特殊な魔物による攻撃でもないよ?それらしい気配ないし」
マリナ、アシュラ、エキドナがそれぞれの探知や能力で原因を究明しようとしているがわからずじまい。
でも俺はこれについて思い出しかけていた。だってこの症状は前も起きたことがあったからだ……幼なじみのあいつとのことで。そしてあと少しで思い出しそうになっていると、ギルドに到着した。……してしまったのだ。
「や・く・も~~~!待ってたよ?」
「ひっ!」
ギルド内は普段喧騒に包まれているのだが、今は通夜と行った感じに無音で、カウンターの前に腕を組んで仁王立ちする美晴の声だけが響いてきた。
俺は久しぶりに悲鳴をあげた。
だって美晴の顔が笑っているのに、眼だけ笑わずこちらを凝視していたんだから。
「み、美晴……」
「そうだね~美晴だよ~?女の子に囲まれて元気そうだね?」
「いや、それは……」
俺はどうすればいいか思考加速と並列思考スキルを同時使用して乗りきるための言葉を模索した。
でもすぐにスキルを解いた。だって考えても結果は変わらないとわかったし、思い出したし、知っていたから。だからいつもの常套手段を使うことにした。
「すなわち逃・亡・だ!」
俺は最速ターンで反転すると最大出力の身体強化をして走り出した。
「まぁでぇやあああぁぁぁぁ…………」
後ろから聞こえる美晴の声とマリナ達を置き去りに俺は走った。
「クソッ!なんで美晴がギルドにいるんだよ!しかも偶然いたんじゃなくて待ち伏せてたし、どゆこった!」
そうなんだよ、美晴はギルドで待ち伏せていたんだ。俺が今日来ることわかっていたかのように
「でもここまでくればなんとか……」
「なるわけねぇだろうが!八雲ぉおおおおおおおおおおおおお!!」
つかの間の安堵をしていたら頭上から幼なじみの怒号が聞こえた。空耳かな?幻聴かな?まだ年取って爺さんじゃないのに。
そんなこと思っていたら後頭部を殴られ道路に顔が突っ込み埋まった。
上から見ると八雲を中心にタイルにヒビか広がっていた。
そして俺はこの時意識を飛ばしかけながら声を絞り出した。
「た……だい………ま……美晴」
「おかえりなさい八雲」
それを聞くと俺は意識を手放した。
コロナとかに気をつけて
乗りきろう、この局面
次回もよろしく




