VS帝霊亀 後編
だいっっぶ遅くなり申し訳ない!
「行くわよ、ちょっとだけ相手してあげる」
神々しいオーラが体を覆い尽くしていき一気に解き放ち少女の姿から美女の姿に変わった。
俺が戦ってある間にシェルナは、女神としての力を制御するために少女の姿になっていたようだ。なる瞬間見たかったぁ~。
シェルナは出会った当初の黒のゴシックスカートに灰色のクマミミフード、漆黒の大鎌、追加で脚に黒のピンヒール、黒のタイツ、手にも黒の手袋という姿だった。
「グルルル……」
その姿に帝霊亀は警戒していた。顔は見えなかったが、体は少し震えており、かなりびびっていた。
「死神鎌壱の型『断頭殺』!」
いつの間にか帝霊亀に接近していたシェルナが、大鎌を帝霊亀の頸に優しく刃を当てると抵抗なく振るうと、頸がスルーと落下して滑らかな断面が現れた。
「グキャオ?……」
落下した顔が訳がわからないといった感じの表情を浮かべて固まった。体も倒れるかと思いきや、切り落としはずの脚が再生しており、頸の断面も泡立ち出すと切り落とし頭が再生した。
「グガァアアアアアッ!」
「死神鎌弐の型『乱斬鎌』」
今度は一撃ではなく、縦横無尽に大鎌を振り回し脚、腹、甲羅、頸と様々な場所を切り裂いた。俺の愛刀で斬っていたときは切り裂けても硬さで火花が散っていたのに、シェルナの大鎌元々なにも無いのではないか言うくらいに、スパッスパッ切り裂いていた。
「グギァオオオオオオオオオオオオオ!!」
痛みのあまり帝霊亀が叫ぶ。だが切り裂かれるもすぐに再生してしまうため決定打にはならなかった。
(どうしようかしら?頸を落としても死なないなんて、それに魔法も効かないしほんとどうしようかしら?)
そうなのだ。シェルナの大鎌には常時死魔法が発動しているため本来なら傷が着くだけで死ぬのに、帝霊亀はどうやら体全体、体内に至るまで魔法が効かないようなのだ。
「なら再生する前に細切れにする!はぁあああああああああああああああああっ!」
ズババババババババババババババババババババッ!!
シェルナは大鎌を振るうスピードを上げて再生スピードを越えようとしていた。だが、
「ぐっ!ゲホッ……」
シェルナの動きがいきなり止まった。なにやら痙攣もしている。
「どうしたシェルナ!」
俺はすぐさまシェルナに駆け寄った。その間に帝霊亀は傷の再生をするため動いていなかった。
「しっかりしろ!」
「ぐっ……ううぅ」
シェルナが苦しそうに呻く。俺は魔道具で回復を試みた。だが結果はなにも変わらなかった。
「なんで……」
「大丈夫だよヤクモ。これは久しぶりにこの体になったからまだなれていないだけ」
「そうなのか?ならよかった」
俺は安堵の息を吐いた。そのとき後ろから怒号が響いた。振り向くと大きい傷は防いだ帝霊亀が口を開けている光景が眼に入った。次の瞬間口から特大の火球が放たれた。俺はシェルナを抱えて進行方向を見ずに横に跳んだ。跳んだ直後、もといた場所に火球が直撃して地面を溶解させた。
「シェルナ行けるか!」
「任せなさいよ。仕込みはまだ終わっていないんだから」
シェルナは少し顔が青いものの、ニカッと力強く笑いかけ帝霊亀に接近した。
「はぁあああああああああああああああああああああっ!」
雄叫びをあげながら大鎌を振りかぶり勢いよく振り抜くと、帝霊亀が縦に真っ二つになった。
俺はそれを見て「殺った!」と思ったのだが、振り向あたシェルナの顔はまだ強ばり緊張していた。なぜなのかと思っていたら、その答えはすぐにわかった。
帝霊亀が真っ二つになったにも関わらず倒れず、しかも切断面を合わせて再生してしまったからだ。
いや―――再生仕掛けているといった方がいいようだ。なぜならくっついたと思ったらズルッとずれてなかなか再生しない、のでなく再生しにくくなっていた。
「なぜ再生しないんだ?さっきまで普通に再生してい……たの……に……まさか、体力が無くなりかけているのか?」
俺は帝霊亀を観察した。すると、さっきよりも顔色が悪いように見え、震えもしていた。
「やっぱり、死魔法だけ対策してたのね。弱体化が効果覿面よ!」
そういうシェルナの大鎌には先程と違い青黒い光が纏っていた。弱体化の魔法“停滞”を纏わせてあるのだが、効果のほどは停滞より遅延にまで下がっているようだ。なのでシェルナの「効果覿面よ!」は間違いでもあり間違ってもいない、微妙なラインなのでツッコむことも出来ない、やりにくい言葉だった。
「これは後で言っておこ、なんて反応するか楽しみやわ」
そんなふうに呟いているなか、戦況はシェルナに傾いていった。
「それそれそれそれそれそれそれそれそれそれっ!!」
「グガァ……グギュルアッ……グペッ……ガポッ…………ガァアアァァァ……」
とうとう再生が追い付かず倒れ、帝霊亀の周りに斬られた手足、甲羅が散乱して血がドブドブ流れていた。
どう見ても出血量がとんでもなくなっており、地面がどんどん赤く染まり、流出した血は25メートルプールなら埋まりそうなほどになっていた。なので足元はすでにびちゃびちゃだ、地面への吸収が追い付いていない。
「ここまでやっても死なな……ぐっ!」
またもシェルナがよろめき倒れた。今度はさっきとは違う倒れかただった。
「シェルナ!どうした、大丈夫か!」
「ぐぅ……そろそろ限界かも……うっ」
苦しそうに呻き胸をつかみながら呟いた。
そうしているまに、帝霊亀がゆっくりとだが再生をしている。斬られた手足も再生のためにひとりでに動きだし集まりだしていた。
(立つまでの再生ならそれほど時間はかからないだろう。それに比べシェルナは戦闘を続けるにも支障を来すくらい苦しそうだ。いったいどうすれば)
俺は考えた。考えて考えて考えて考えた。けれど答えは見つからない、たどり着けなかった。
力なく脱力した時、頬に優しく触れる感触が伝わった。
「啖呵切ったわりにはこんなことなっちゃって悪いけど、最後はヤクモに託すことになりそう。ごめん」
「シェルナ……んむっ!」
シェルナは俺に向かってニカッと笑いかけると顔を近づけ唇を合わせてきた。舌も入れられ口内を蹂躙された。
「…………はっ」
シェルナが離れると唇を舐めた。頬が紅潮している、多分俺もそうなっているのだろう。
「今ある私の神力全部ヤクモにあげた。これでちょっとの間は神様だからさ、あいつの相手お願い。……頑張れヤクモ」
話している間にシェルナの体が淡く光だした。そして満面の笑みを浮かべたとき光に包まれて元のミニサイズにポンとなった。そのまま深い眠りに入ったようで寝息をたてだした。
「バカが、力渡したなら最後まで見やがれ。これからカッコいい所が始まるんだろうが」
苦笑いを浮かべつつ、シェルナを胸ポケットに入れると、帝霊亀に向き直った。
帝霊亀は既に大方の再生を終えており、立ち上がっていた。
「グルルルアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」
「けっ、あのまま死んでいた方がよかったかもしれねぇぜ。今の俺は負ける気がしねぇ!」
俺は帝霊亀に向かって駆け出すと愛刀2本を両目に投げつけた。2本とも両目に刺さり帝霊亀が悶絶した。
「我が手に愛しき女神の力を、断罪の力をこの手に宿せ“顕現神装・死神の大鎌”」
手を前にかざして神力を集中、シェルナが使っていた大鎌を思い浮かべながら詠唱をすると、神力が収束して大鎌が現れた。柄が細くて湾曲しており、刀身も太さが腕ほどしか無いほど細くなっていた。色は刃以外黒く、赤く線の装飾がされていた。
「歪だか頼むぞ!『乱光斬撃』!」
光魔法で身体強化をサポートして帝霊亀に乱斬りする。切断までいかないでも大小の傷を量産していく。
「グルルルアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」
叫ぶ声をあげつつ口に魔力を集中させながら砲撃してきた。それも大鎌で真っ二つにして突き進み、切断させないように斬っていく。それもギリギリ身動きが出来そうな感じで。
「グルガァア……ガァアアァァァ……ガァァァ……グァァ」
帝霊亀がどんどん弱っていった。顔が青くなり疲れが増してきたようだ。
「再生が追い付いていない?」
壁に寄り掛かっていたマリナが呟いた。
マリナの言うとおり所々再生が追い付かず傷が残っている。だがそこも徐々に再生しているのだが、先よりかは遅い。
「あの部分は炎と水の弱体化や炎を付与したところ、これが有効なのか」
俺は乱斬りしながらも一太刀一太刀に魔法を付与、どんな効果が出るか見ていたのだが、どうやら炎魔法を付与したところが著しく弱らせられるようだ。
「なら一気に焼き斬る!『乱光斬撃・灼撃』」
マンガのように炎そのものを纏うのでなく、刀身を赤く、紅く染めていき、最後に灼熱化のような感じになるまで炎の収束した。当然持つ俺の手と近くの空気はサウナを通り越して熱した鉄板ほど熱くなっていた。
「っち~なぁ!ソッコーで終わらせる、おらぁあああああああああああっ!」
俺は肩に担ぐように構えると一足で接近して振り抜いた。今度は中途半端でなく頭から尻尾まで真っ二つにした。灼熱化のため切断面を焼け焦げている。
しばらくしても再生が始まらない。くっつこうにも切断面が焼かれたため血もでず生の肉も現になっていないためくっつけないよなのだが、それでも帝霊亀はまだ生きていた。
「ッシャア!このまま一気に畳み掛けるぜ!」
「~~!~~~!」
別れた顔がこちらに眼だけ向けた帝霊亀がなにやら叫ぼうと口をパクパクさせているが、喉を焼かれているため何も声がでていない。
俺はそんなものお構いなしに今度は脚を根本から切断していき、胴体を地面に落とした。ほんとは真っ二つにしたため片方ずつで立っているためなにもしなくても倒れていたのだが。
俺はその胴体、主に甲羅だかその片方を横に真っ二つ、合わさると再生するかもしれないので上の部分を壁際に蹴っ飛ばした。残った下の部分に大鎌を突き立て黒ずみになるまで燃やした。
今度はまだ無事?な方の半身に向かった。それも再生が始まらず虫の息になっていた。ちなみに壁際に蹴っ飛ばした上の部分は既に死んでいる。
「こうなったら以外と簡単に思えたが、ずっと戦っていたからわかるがお前は、強かった。今までで一番だったよ。ありがと、そして……さようなら」
俺は残りの神力を全部大鎌に注ぎ込むと大鎌が更に大きくなり、大型ダンプ並みになった。
「死神鎌壱のかた『断頭殺』!」
頭上から振り下ろすと勢いあまり地面に深々と突き刺さった。一拍置いて帝霊亀から炎が吹き出し体を焼いていく。
燃えている帝霊亀を余所にレベルが上がったことがわかった。そして、
ゴゴゴゴゴゴッ……
と音と共に扉が出現、俺達が大迷宮の1つ、地の「マザーグランド」を攻略したことがこの時わかった。
だがそれよりも頭の中では、
「つ……疲れたぁーーー」
ただこの一転だけしか考えていなかった。そのためへなへなとその場に崩れ落ちた。
現在彼岸のため仕事が込み合い時間がないです。
また遅くなるかもしれませんが
気長に待っていてください。
なるべく頑張りますので




