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VS帝霊亀 中編

かなり遅くなりました

すみません

ギャリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリッッッッッ!!!

「ふぅーー……うらぁああああああああああああああああああ!」

高速回転する帝霊亀(ていれいき)と、固有能力を解放した『血銘』と『霊祓』を手にした俺が激突した。

俺は体全体に使徒権限(しとけんげん)と身体強化を重複させて掛け連撃を放っていた。

先程までそれで押し返すことも出来なかったのだが、『血銘』で斬りつけるも刃は弾かれるが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()。その間に『霊祓』を振るいもう一度弾く、それを繰り返した。これも固有能力のおかげだ。

『血銘』の固有能力、“血脈解放(けつみゃくかいほう)”は血官を刀身に連結、刀身を通った血に死魔法と魔力を混ぜ込み、一時的な大幅強化を施す力であり、それと平行して血になぞられた能力をランダムで発動する能力なのだ。今回血になぞられた能力は“毒”、それによる激痛が伴う強化であった。

続いて『霊祓』の固有能力、“霊魂臨界(れいこんりんかい)”は自身の魂拍を削り強化に回し、それ以外にも周囲に漂う残留魂(ざんりゅうこん)を吸収して相手の魂に傷をつける能力がある。今回はこの残留魂は漂っていないため使えないが、魂拍を削り強化を更に倍増させていた。

それだけ強化しても弾くまでしかいかないのだから、帝霊亀の硬さがかなり際立つ。

「ふざけんなよこの亀やろうがぁあああああああああああっ!」

ガキッッッン!ガキッッッン!ガキッッッン!ガキッッッン!

何度も何度も何度も打ち合い、火花を散らすも状況が一変することはなかった。このままではだが。

「ヤクモ君()()()()()()()()()!強制天秤操作『硬度強度反転』!」

「っ!ナイスッッッ!!」

マリナの魔剣ラプラスの能力で一時的に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

なので愛刀は抵抗もなく甲羅を切り裂き傷を付けた。ついでに切り裂いたため帝霊亀は、切り裂いた拍子に前のめりになった俺の頭上を通りすぎ壁に激突した。

「マリナ後どれくらいだ………マリナ?」

「ゲホッ……まだ大丈夫……がんばって」

振り向くと血反吐を吐くマリナが膝をついていた。

「マリナ!」

普通に考えればわかるはずだった。いつもマリナが魔剣の能力を使っていたのは格下、同格、2倍までの格上、無機物などだけだった。

今回の反転、どれだけ頑張ってもマリナでは埋められない差があった。しかも硬度強度を逆に軟化弱化させたのでなく、それをそのまま刀を硬度強度にしたのだ。体に負担が乗し掛からない訳がない。それを()()()()おこなったのだ負担が倍増する。

「もういいマリナ、斬り傷があればそこから攻めていけ」

「ラプラス、あと10分持たせなさい」

「なっ!?」

マリナの呼び掛けに答えるようにラプラスの刃にヒビが入った。

「くっ……アシュラ、エキドナ、マリナを任せた。……無理、無茶したなら気絶させろ!」

駆け寄ってきたアシュラとエキドナに俺はマリナを任せると帝霊亀に突っ込んだ。

帝霊亀はというと、生まれてこの方戦うこともなければ、今まで甲羅を傷つけられたことなんてなかったので、斬られたところを見ていた。

「はぁああああああああああっ!」

俺は超強化よる加速で接近すると脚に斬りつけた。だけど帝霊亀はこちらを見ずに脚を持ち上げて避けると、勢いよく踏み抜いてきた。それをギリギリで避け空中でもう一度斬りかかる、今度は浅く斬ることができ血が舞う。

「グゥル……グガァアッ!」

帝霊亀は不機嫌に唸ったのち、吠え斬られた場所の周りに魔力を集めて、傷口周辺を内側から魔力爆発で抉った。そのため血肉を盛大に被った。

「くそっ!死魔法をこんなふうに防がれるなんて!」

さっきの斬撃には当然死魔法が付与されており、そこから侵食して殺すはずだった。それを侵食される前に侵食部分とその周りを抉るのだ、最早さほど意味がある付与では無くなった。

「次の手をゆっくり考える時間なんてないんで、行かせてもらうぜ!」

俺は側面に回り込み脚を斬りつけた。けどただ斬るのでなく4つの脚を反時計回りに斬りつけたのだ。

斬っては移動、斬っては移動を続け次の脚にいく間に甲羅に傷をつけていく。

もちろん帝霊亀もただ斬られているのでなく反撃もしてきた。斬られたところは爆発させ、脚に近づいたら蹴りを放ち、口からは炎を吐き出し、それでも駄目だと脚を引っ込め押し潰してきた。

俺はそれを避けて斬りつけ、魔法で障壁を多重に張ってしのぎ、押し潰しは全速力で避けると甲羅を斬る。反撃には反撃で返していった。

「グルルルルルルル……」

それに対して帝霊亀が低く唸り大きく後ろに跳んだ。巨体も巨体なため着地時かなり揺れた。

「何をするきだ?」

俺が警戒していると帝霊亀が脚を曲げ沈みこみ脚に力を入れだした。そして爆発した。

「ばっ!うそだろ!?……ぐぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

帝霊亀が突っ込んできた。とんでもないスピードで。

避けることも出来ず受け止めるしかなかった。大質量、しかも停止状態と加速状態との激突なため俺は後退させられていった。まぁそうなるとだ、後退は続く、止まらない、となると後ろには迫ってくるわけなのだ、壁が。

「ふざけんな!また壁の中に行けるか、それになんで斬れねぇ!」

愛刀と帝霊亀の頭とはずっと()()していたのだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「もしかして、もしかしなくても強化魔法か!」

よくよく見ると愛刀が接している部分のみに魔力が張られているのが見える。どうやら一点集中型の強化魔法のようだ。

「なら俺も強化を…ぐふっ!?……がぼぉあああっ!!」

俺が愛刀を強化しようとしたとき、背中が壁に当たってしまった。その瞬間愛刀がずれて帝霊亀の(まぶた)を斬り飛ばした……斬り飛ばしてしまったのだ、両方で。

するとどうなるか……帝霊亀が腹に突っ込んできたのだ。俺は何も強化もしていない腹に大質量の直撃を受けてしまい、下半身とお別れした。その結果口から大量に吐血した。

「みす……たぜ…ぐふっ……まさかこん……なとこ…で、とは」

俺は空中を舞いながら自虐し、頭のなかには走馬灯が流れ出した。ふと顔をあげると仲間達の姿がぼんやりと見えた。誰もが信じられないといった感じの顔をしているように見え………ると思えた。

そんな曖昧な視界のなか仲間達を見ていると、俺の視線はあいつに注がれた。

そいつは誰よりも小さく、そして誰よりも寂しがりなあいつは、仲間達と同じ顔をしていなかった。ただずっと魔力を溜めて俺が機会を作ることを信じていた。周りの仲間達の叫びに気がつきながらも、涙を溜めながらも自分のことをしていた。

「なん……で」

なんでそこまで信じられる、それがわからなかったけど、俺はやらないといけないんだと思えてきた。

すると光が消えかけていた眼に光が戻ってきた。

(あいつが……シェルナが諦めてないのに、啖呵(たんか)を切った俺がいち早く諦めてどうする!俺にはまだ出来ることがあるだろ!)

俺は残り少ない時間で出来ることを考えた。そしてたった1つだけの可能性にたどり着き、僅かばかり吸えた空気を使い、最後の賭けに出た。

怨霊化(おんれいか)……傀儡化(くぐつか)

俺は以前手に入れていた2つのスキルに賭けた。

怨霊化は読んで字の如く、邪悪な存在な霊となり他者の呪う霊となるスキルで、傀儡化は主に他者を魔力の糸で操るスキルだ。

まず怨霊化により上半身のみでの生存をなんとか確立し、霊体は勝手に他者を呪おうとするが、傀儡化で怨霊化しないようにプロテクトした心で霊体を操作する、それが俺の賭けだった。そしてそれは上手くいった。

「グルルルルルルルッ」

(よし上手くいった、会話はできないがみんなに攻撃もしないだろ。当分生きられるようになってよかったと思えばいいか)

ぶっつけ本番の低確率な賭けに勝って安堵していると、帝霊亀がこちらを睨み付けてきた。

「グラルルルルルルルルル」

「グルルルルルルル」

どちらも唸り声なのでどっちがどっちかわからない。ちなみに今回は最初が帝霊亀、次が俺だ。

すると帝霊亀が口を開けた。次の瞬間カメレオン張りの長い舌を高速で伸ばしてきて俺を捕まえようとしてきた。

それを交わすように操り、通過した舌に斬りつけた。だが切断することは出来なかった、操るのが何分初めてなので目測を誤った。

「ガァアアアアアアアアアアアアアア!!」

帝霊亀は痛みで声をあげたが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

(なんだ?避けられたことがそんなに以外なのか?普通だと思うが)

そうこうしていると、俺の下半身に変化が起こりだした。現在霊体の俺に徐々に徐々に下半身が生えだし、問題の実体の下半身が徐々に徐々に霊体に分解されていた。

(嬉しい誤算だ。これなら霊体化を解くことができ……うぉお!)

霊体化しつつある下半身に意識を割いた一瞬の隙を帝霊亀は見逃さず、舌を伸ばしてきた。それをギリギリで感知して避けた……つもりだったのだが僅かに脇腹を掠り、()()()()()()()()()()()()()

(なに!?霊体を抉っただと、いや正確には引っ付いた部分が強制的に動く体と引っ付いた舌とせめぎあい、耐えきれず破けたといった感じなのか?それでも厄介な、しかしなぜ舌にそんなことができ)

なぜ出来るかは考えるより先に目の当たりにした。戻った舌に付いた脇腹を帝霊亀は食べた。

(マジかよ、あいつにとって霊体は食料かよ。今現在不利どころか最悪の状況なのか?まだ下半身はれい……ぐぉおおおおおおおおおおおおおおっ!!)

「グォオオオオオオオオオオオオオオオオ!」

(いってぇえええええええええええええええええっ!!)

考え事をしていると(えぐ)られた脇腹からとんでもない激痛が走った。霊体の声は唸り声だが、心の中では痛さに絶叫していた。

(霊体では痛みは感じないはずなのに!これもこいつのせいなのかっ!くそ、集中が切れる)

俺の葛藤を嘲笑うかのように帝霊亀は再度舌を伸ばしてきた。朦朧(もうろう)とする意識の中なんとか避けると、俺は天井付近まで上昇した。

「グガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「グルッ……グルルル」

帝霊亀の叫びに萎縮(いしゅく)する邪悪な存在の俺だが、心の中では打開策を考え続けていた。

(シェルナが完了するまでそんなに時間は無いはず。下半身の完全霊体化を待っていたら間に合わない。ここは1つ無茶しないとな)

考えをまとめていると下からドゴッ!と何かが陥没する音が聞こえてきた。見ると帝霊亀の足元にクレーターが出来ており、しかもひび割れが収まらず広がっていた。どうやらまだ力を溜めているようだ。

こんなピンチの瞬間は、今の俺には救いの1手だった。

(なんてベストタイミング!俺の無茶にはどうしてもあいつからの突貫攻撃が必要だったんだ!)

俺はすぐに詠唱を始めた。

「グルルル……ぐぁああ……我に強化を“身体強化”、我は限界を超えるものなり“限界突破”、我が神に願う、汝の使徒に恩寵(おんちょう)を“使徒権限”、我に斬鉄(ざんてつ)金剛(こんごう)、高速再生を纏う刃を与えたまえ“不壊刀身(ふかいとうしん)”!」

不壊刀身まで発動した直後帝霊亀が大きく口を開けて突っ込んできた。俺は口元スレスレを回転しながら避けて、迫る甲羅に回転を乗せて刃を立てた。

ギャリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリッッッッッ!!!

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

カウンターをしたため部屋の地面と天井とのちょうど真ん中に来ると上から瓦礫が振ってきた。当然霊体なので透過する。

透過するということは岩の中にいるということなのだ。その瞬間だけ俺の視界は遮断されてしまう。だから気が付けなかった、帝霊亀が天井衝突まえに回転して天井を蹴って迫ってきているのに。

「グァアアアアアアアアアアアアアア!!」

バクンッ!

岩の中にいるときに帝霊亀がその岩ごと食った。

(うん?なんで岩抜けても真っ暗なんだ……ぐぅっ!?吸い込まれる!!)

岩から抜け出すと周りが真っ暗になっており、いきなり強力な吸引力で呑み込まれそうになるもののなんとか踏ん張るが、どんどん暗闇に呑まれそうになってきていた。

(このまま吸い込まれたら多分ヤバイ!なんとかここから脱出しないと)

周りを見渡しても暗闇でなにも見えない。見えるとしたら後ろに佇む岩のみだった。

(何か、何かないの……なんで岩はここにあるんだ?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?)

岩は吸い込まれるどころか微動打にせずそこにあった。まるで何かに引っ掛かっているように。

そこで俺は閃いた。低確率で予想の段階をでない小さな可能性に。俺は吸引力に逆らいつつ反転して泳ぐように進んだ。

(頼むぞ!)

ゴキュ……ゴキュ……ゴキュ……ガボッ。

帝霊亀は何度か何かを呑み込むような所作をすると、口にある異物の岩を吐き出した。

帝霊亀は満足そうに岩を見ると今度はマリナ達を睨み付けて近づいて……いこうとしたのだが、それを聞こえるはずがない声に止まった。

「ちょっと待ってくれるかい?さすがにこれは賭けだったが、賭けに勝ってよかったよ」

岩の中から呑み込んだはずの俺が出て来たのに帝霊亀がむすっとした。

「グルルルルルルル……グガァ?」

俺を正面に半回転するため脚を上げて下ろしたとき帝霊亀は倒れた。

ズズンッ!

帝霊亀が不思議に思い視線を脚に向けると根本から断ち切られていた。その断面の横に空中から斬られた脚が落ちてきた。

「グガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

帝霊亀が激痛に叫び声をあげているなか俺は膝をついていた。

「くそっ、抵抗するのに魔力を使いすぎた。もう動けねぇ絶好の機会なのに」

口では愚痴を呟いているが俺の顔は晴れ晴れしかった。なぜなら、

「約束と違うが守りきったぜ!脚しか斬れなかったがな!」

俺の視線は帝霊亀でなくその奥にいる最愛の女神であり、死神のシェルナが神々しいオーラを溢れだしながらこちらを見据えていた。

「殺れ、シェルナ!」

「まっかせなさいヤクモ!……“神格解放(しんかくかいほう)”!」

シェルナが神々しいオーラを解き放ちながら不適な笑みを浮かべていた。

第三ラウンドの開始だ。





シェルナが本気を出します

よろしくです

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