大迷宮攻略中なのです
遅くなり、申し訳ありません。
俺達はミノタウロスがいた部屋を後にすると、魔物が来ない休憩部屋で休むことにした。
「今日のメインはミノタウロスのステーキです!」
「「「よっしゃーーー!!アシュラ(ちゃん)!大好きーー!」」」
皿に乗った分厚いステーキを持ってきたアシュラに俺とシェルナとマリナは感謝のあまり絶叫した。というか、ここ最近メシ時はだいたいこんな感じになってきていた。そう俺達は、アシュラに胃袋を掌握されていたのだ。
だがそんなことは知らない、俺達はただこの肉の塊に突撃するだけだ!
「ははっ、そんなに急いでもダメですよ。まだお肉はたくさんありますから。文字通り」
アシュラは苦笑いを浮かべながら後ろを振り向いた。そこには、解体中のミノタウロスが転がっていた。
現在俺達は先程倒したミノタウロスを食べていた。あの衛兵と勇者達のせいで食料うんねんの準備がこれでもかって言うほどできなかったので、大迷宮の魔物を食べれるやつを収納しながら、こうして肉生活をしていた。
40階層の手前にはトレント、木型の魔物も出てきておりそれも食べた。結果はまずいで終わった。
なにが言いたいかと言うとバランスよく取りたいのだ。それだけなのだ。
「「「「ごちそうさまでした」」」」
ミノタウロスを食べて腹が膨れた俺達は、次の日のために早めに仮眠を取ることにした。当然地面の上に雑魚寝だ。痛い、めちゃくちゃ痛い。
「くっそ、寝づらい」
「ははっ、だいたい野宿みたいなのはこんなものよ?」
「そうですね、確かにぐっすり熟睡は無理なので、仮眠が妥当ですね。……シェルナ様を除いて」
「「…………」」
「くー……すぴー……くー……すぴー……」
シェルナは俺の胸の上で寝ているので、俺はもともと熟睡できないのだ。
「毎回思うがこいつはなんでこんなにも神経が図太いんだ?すこしは見習わせてほしいよ」
「いやいやヤクモ君、見習ったらダメだよ、緊急時に行動できないよ?」
「そうだった。こいつは俺を信頼なのか、信用しているって訳なのかな」
口にしただけでかなり恥ずかしかった。どうしよ、顔赤くなってないかな、見られてないかな。
「気にしていたら眠るの遅くなりそうね、私は寝るね、おやすみ~」
「私もお先に失礼します。おやすみなさい」
「おう、おやすみ」
俺達も明日のためすぐに就寝した。
次の日、朝からミノタウロスのステーキというがっつりでかなりベビーな食事を腹に詰め込んだ俺達はいざ今日の攻略を開始した。
それからしばらく……を通り越してかなり歩いていたのだが、俺達の顔色はどんどん険しくなっていった。それもそのはずだ、なぜなら……
「初日同様、魔物が現れないな。おかしくないか」
「えぇ、初日のあれは初心者殺しと名を上げれるが、こんな階層で引っかかるとすると、中級殺し?みたいな感じのトラップなのかな?」
違和感を覚えつつ、でも足を止めることなく俺達は進んでいった。しばらく進むとなぜかボス部屋のような巨大な扉が現れた。
「…………マリナ、一応聞くが『マザーグラント』の最下層って何階だっけ」
「100」
「だよな、ならこの階層からは全部にボスがいるってことになるが」
「そんなの聞いたことがないわよ」
俺達は扉を呆然と見つめ続けるしかなかった。だけどいつまでもそうしていられなかった。……いや、いられられなくなったって言った方がいいのか、何せ寝ぼけたシェルナがフラフラ~と飛び出し、扉を開けてしまったのだから。
「「「あっ……」」」
あぁあああああああああああああーーー!!!
俺達の絶叫が通路に鳴り響いた。というかそんなことしていられなかった。
「まずいまずいまずい!扉が閉まっちまう!」
「急いで急いで!シェルナっちじゃなんもできないよ!」
「言ってはなんですが、あの御方はバカなんですか!?」
俺達は全力疾走することになった。シェルナはそんなに強く押しておらず、だけど扉は全開になった……なっていたのだか、徐々に閉まっていっていた。このままではシェルナだけがなかで戦うことになってしまうので俺達は頑張って走った。
「うぉおおおおおおおおおおおおおーー!!」
「どぉりやあああああああああああーー!!」
「はぁあああああああああああああーー!!」
俺達は横並びでギリギリ潜り抜けた。
「「「はぁ……はぁ……はぁ……」」」
「?……どしたの3人とも息切らして」
「「「…………」」」
俺達の心はこいつをぶちのめしたいと重なった。あの温厚そうなアシュラでも、額に血管を浮かび上がらせるほど怒り浸透のようだ。……俺とマリナもだが。
「それよりもすんごい早かったわね50階層、どんなトリック使ったの?」
「「「…………」」」
シェルナは寝ぼけていた。もうなにも言えない。血管はもう破裂寸前なのだ。
「シェルナ、ここはまだ41階層だぞ?」
俺がイラつきながら答えると、シェルナがなにおかしなこと言っているのという感じで首を傾げた。
「なにを言っているの?ここは50階層よ?」
シェルナはさも当然のごとく言ってのけた。
「「「え?うそっ」」」
俺達は信じることが出来なかった。だって階段40階層から1つしか下がってないんだよ!
「いやいやなにいってんだよシェルナ、ここが50階層?冗談いっている場合かよ」
「あの~」
「そうよシェルナっち、寝ぼけているのかもしれないけどそんなのあり得ないから」
「あの~すみませーん」
「そうです、私達は階段を1つしか下がっていません。それで一気に10階層も下がるなんて、いくら女神様でも冗談はもっと分かりにくいのをお願いします」
「すみません~、無視はちょっと」
「なによみんなして!私が嘘をいっているって言うの?大迷宮の階層は女神はわかるのよ?すこしは信じてよ!」
「うぅ~またむ……」
「はぁー!階層がわかるってなんだその変な能力!でも階層がわかるって言ってもこれまでの行動から階段の場所はわかんないんだな、つっかえねぇな!」
「とうとうかさ……」
「はぁー!使えないってどう言うことよ!私ほどこのパーティーに必要なのいないじゃない!謝れゴラァアアアアアア!」
「ひっく、もうしゃべ……」
「やめなさい2人とも、アシュラも手伝って」
「はい、お止めくださいお2人とも」
「…………」
それから俺達は流れ弾でというか流れ拳が直撃したマリナとアシュラと、4人対抗の取っ組み合い数十分やっていた、ここをボス部屋だと忘れて。
「ひっく……ひっく……ボスなのに……ボスなのに……無視されて、忘れられて、喋らしてくれなくて……うぁああああああー」
「「「「…………」」」」
ボス部屋のボスを泣かせてしまった。ボスは少女の人型で下半身が蛇、多分ファンタジーの定番のナーガかメドゥーサなのだろうが、今はとぐろを巻きながら体育座りと器用なことをして部屋の隅にいた。
「……おいどうしたらいいんだマリナ、こういうときこそ元ギルド嬢としてがんばれ」
「そうよマリナ、頑張って私達は常識持っていないから」
「お願いしますマリナ様、私も対処法を知りませんので」
「おい待てこら、私だってこんな特殊すぎる現場初めてよ!て言うかこんなこと絶対あり得ないから対処法なんてないし、あるとしたら……みんなで土下座じゃない?」
「「「…………」」」
「うぇえええええええええん!うぇえええええええええええええ!うぇええええええええええええええええええええん!!」
確かにそうなのだが、俺達の心は1つ、絶対にやりたくないだ!俺に関しては少女に頭を下げたくないも追加、シェルナは魔物なんかにで、アシュラは自分よりしたの種族なんか、が追加のようだ。
………………うん何かいっちょまえのような理由だが、考えればわかると思う、ただの我がままだ。
その間もボス少女は泣き続けた。というか重要なことを聞くのを忘れていた。
「マリナ、この子の種族はなんなんだ?やっぱ、メドゥーサか?ナーガ?」
「うーん、ちょっと待ってね。……下半身が蛇……上半身が人……」
マリナが少女の特徴を口々に言いながら思考し始めた。そんなに悩むのだろうか?同じ姿が多いのか?
「でも何か違う気が……ねぇ、人型になれる?」
「ひっく……ひっく……びどがだ?なれるよ」
「謎は全て解けた!……君の種族は…………エキドナだ」
「「「…………はい?」」」
「……え?」
マリナの回答に俺達(少女も含めて)首を傾げた。
「ちょちょちょっと待ってよマリナ!そんなことあるわけないわ!」
「そうです、こんなところにそんな超高ランク魔物がいるわけが」
「そうよ、私そんな伝説級の魔物な分けないでしょ!」
「「なんであなたが否定しているのよ!どうゆうことよマリナ、説明しなさい(してください)!」」
少女、エキドナ(仮)にツッコミつつ、シェルナとアシュラがマリナを問いただしていた。
「えっと、確かエキドナって神話とか英雄譚に出てくる奴だっけ?こっちでもそうなのか?」
俺の問いかけにシェルナが近いてきて、肩に乗って説明してくれた。
「そうそう、確かヤクモのほうのエキドナって、えっと……ギリシャ神話の母神ガイアの子でたくさんの有名な怪物達を産み、最後に巨人アルゴスに殺される者だったわよね?」
「いやそこまで正確に知らんし、その情報全部初耳だし、よくそんなこと覚えてんな。習ったのか?学校みたいなとこで」
「これくらい神界じゃ当然のように知らないといけないことよ?私もかなり勉強したもの。一応こういう知識は頼ってよ?」
「あんがと、そんで本題、この世界のエキドナはどんなやつ」
「えっと……大まかに言えば魔物、それからも分けると蛇神族っていう亜人種で、もっと掘り下げて誰も知らない豆知識まで行くと、迷宮の最終ボスでなければ使役可能なレア魔物」
「…………今なんつった?」
シェルナがとんだ爆弾発言をぶっぱなしてきた。
どうなるかエキドナちゃん!
ヤクモの決断に後ご期待!




