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私の音源は、心臓・・・・  作者: 三秒前の金時豆
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イントロ1 始まりの音

朝日が大いなる海から浮上し、命の陽が三重の大陸に浴びだした。

三重県で有名な観光スポットはたくさんあり、なかでも有名なスポット「伊勢神宮」。

年々他府県から多くの観光客が伊勢に足跡を残しに来る。最近は海外からの外国人旅行者が急増し、気づけば三重は世界に誇る国になっていた。

 私の実家は伊勢神宮の近くに家があり、木造建ての古き家で築百年経つ伝統の赤福作り屋店。初代ご先祖様から今に受け継がれ大正時代から平成時代に続いている。

私の名は・・・・

「遙佳ーー。時間だよーーー」

 早朝五時から母の声が二階まで響き渡る。・・・・眠・・・・

 笹木川遙佳。それが私の本名。笹木川家の一人娘の長女として生まれた。幼い頃から体は弱く、運動やスポーツには苦手な私。人との付き合いも大が付くほど大っ嫌いで人見知りをしながら生きてきた。

「・・・・おはよ。」

 朝食と洗顔を終え、部屋に戻り机に置いてあるスマホを手にし、いつもと変わらない朝が始まった。メッセージアプリで一件の返事があった。すぐに分かった。その相手は私の大親友の・・・チカだよ!

 チカはね、私の世界で立った一人だけの大親友!保育園の頃から仲が良くてね!唯一、チカだけ家族以外心を開ける特別な子なんだ! チカはね、朝は弱いタイプなんだけど。いつも朝の五時半になると必ず

「ハルー!!オハヨー(^^)/」

と朝から送ってきて、とても元気があっていい子なんだ!

 実を言うとね・・・この間修理した「黒いエレクトリックベース」は私とチカで買った二人だけの特別な楽器なんだ! 元々ね。私とチカは音楽とかロックは興味は無かったんだけど。中二の時にね。テレビで音楽番組をチカの家で一緒に観てた時、ある女性だけのロックバンドが目に入ったんだ。その人達は見た目は美しいのに、すごい力強い歌唱力、派手な表現をしたり、何より熱い他のバンドには無い「オーラ」があったの覚えている。

 衝撃だったよ。

 私とチカはその人達に憧れて私もチカも、この人達みたいに格好良くなりたいと思った瞬間だったな。それから私達は音楽にハマって、二人でロックしよう!と誓ったんだよ。でも私達は歌が苦手で、特に音痴な私とチカはとてもボーカルには向かないタイプだった・・・その時、私とチカは同じ瞬間に思い。言った。

「だったらさぁ!演奏楽器買おうよ!」

 私達はお互いの顔を見て笑ってた。歌が駄目なら楽器で私達だけの「音源」を作ろう。

「そうだよね。まず歌より大事な物は、音楽の源「音源」を極めることからだよね」

 チカは急いでスマホを手にし、楽器専門ショッピングで調べて楽器を探した。ギター。ドラム。ピアノキーボード。色々の楽器が出てきた。その時出てくる一覧を見て私達二人は、本当に感動だったな。私達二人は一日中どれが自分に合うのか探してた。あの時のスマホの画面はまるで、ダイヤか宝石を見てるような光景だったんだ。結局、探しに探して調べるが如し調べた結果辿り着いた楽器が、

ギターのエレクトリックベースだった。

 「・・・高いね。」

 「でも、こんなもんだよ。」

 チカが、よし!コレにしよー!と言い。私は、え?ほんとに?と驚いていた。

確かに、このエレクトリックベースはすごい綺麗で格好良くて、まさにロックって感じだけど・・・・

私はその時はあまり気に入ってはいなかった・・・・特に私が驚いていたのは何と言ってもその金額。

安くて五万円。高いので十五万円くらい。十万円代がほとんどだった。

 「こんなもんだよ。普通ー。」

とチカは驚かず平気な顔をして言っていた。中学生でお財布に十万なんて持っている女子中学生はこの田舎の県で居るわけが無い。もし居たとしたら金持ちか権力の持った子供だよ。チカはそれを聞き大爆笑していた。

 「はははっ!買わないよー。十五万の方は」

 チカが指を指してニヤニヤしながら安い方の五万円の方を紹介した。確かにこっちの方が安くてなんとか二人で買えそうな金額だし。そして広告には「初心者用」って書いてあって、私達素人にはとてもお得な楽器だった。でも・・・本当にいいのだろうか。例えこの「エレクトリックベース」買えたとしても。本当にちゃんと練習したら、あの女性ロックバンド見たいに上手く弾けるのか心配になっていた。そう考えているうちにチカは・・・

 「ごめん!ハル。やっぱ高い方にしよ!」

え?初心者の五万のベースじゃなくて、こっちのプロ用の高いベースにするの?と私は驚いた。

 「うん。安いのはいいけど・・・やっぱり質だね。こういう五万とか三万の楽器は質が悪いと初心者用って格下げられるんだ。」

 「へー・・・・そうなんだ。・・・詳しんだね」

 「うん。家の親戚が昔ね。趣味でエレキのギター持っていたんだけど。やっぱり質が悪いのは上手くなれないんだって。だから本当に上手くなりたかったら最低十五万とかの高い方がいいんだって」

 チカの親戚の人は、私の通う高校前で小さな「タコ焼き店」をしている。二十八歳の男性。堅太君。

 「それでねー。ケンタは最初知らずに安い方買ったから・・・・・」

 どうやら、堅太君は質の悪いエレキを買い大変な事になったみたいなんだ。だから私達は安いのをやめて。二人で話し合った結果。

 プロ用で新品アメリカン・スタンダード・エレクトリックベースの黒とアンプ音響機器二つを購入しベースで十七万。音響機器の三万で。二十万越えの高額になった。

 流石にベースもう一本は買えなかったけど。この「ベース」は私達二人だけの特別な楽器になった。うん。お金はね。・・・二人で実家の赤福屋でバイトして、学校終わってから二時間働いたりして、長い休み期間の「夏休み」「冬休み」を使ってじみちに貯めたんだ。せっかくの休みだったのに?・・・・そうだよね。 だって私達二人とも「ギター」が欲しかったんだもん。そして遂に念願のエレクトリックベースが私達の所に来た!!

 「うわーーーーーい!!遂に来たね!ハル!」

 「うん!頑張ったよね!チカ!私達。」

 「何言ってんの?これからだよ。本番は!」

 「そうだね!これからだよね!」

 そう、私達のロックが始まった瞬間だったんだ。


 あれから、半年以上が経って。私達二人は中学を卒業し、同じ伊勢の進学高校に合格し、またチカと同じ教室で学ぶことになった。

毎朝、私は学校行く前にまず必ず行くとこがあるんだ。そこは、三重の偉大な神様が眠っている場所。「伊勢神宮」に毎日欠かさず、保育園の頃から行ってお参りしてるの。

 パンッ!パン!

(今日も平和に終わりますように。)

よくお婆ちゃんが言ってたんだ。今日も誰も死なずに傷一つ無い笑顔と平和に終わりますようにと言う意味なんだ。それから伊勢神宮を出て、私はいつも国道沿いのコンビニでコーヒーを買って・・・・

「おはよーーーー!!ハルーーー!!」

そこでチカと合流して高校に行くんだよ!

「おはよーーーー!!チカーーー!!」

私の元気な「おはよう」に「今日も元気だなぁ~」と言うチカ。違うよ・・・チカの方がすごい元気で幸福な笑顔見せるからだよ・・・いつもチカには本当に元気を貰っている。ありがと。

「っあ!どうだった?ベース!何とも無い?音とか変わっていなかった?」

「うん。大丈夫だったよ。この間より、いい音になってた!」

 ベースの修理に心配していたチカは、あの時チカは家の用事で一緒にベースを取りに行けなかった。当然・・・私がエレベーターで心肺停止になったことも知らないんだ。・・・・言えないよ。・・・絶対。

だって、もしこの事を全部話したら、チカ・・・・きっとビックリして「今日は休みなよ!」「大丈夫!?無理しちゃ駄目だよ!」とチカの心配性がもっと心配性になることになる。あの時もそうだった。私が卒業式の時の階段事故から、チカは責任を感じて自分を責めていた・・・

「なんで・・・いなかったんだろ・・・いつも側にいるのに・・・もしあの場にいたら・・・あたしが代わりに・・・」とつい最近まで、ずっと・・・ずっと泣いていた・・・

 でも・・・それでもチカは毎日毎日、朝早くからメッセージしたり電話でも元気な声と今日の笑顔満点の笑み。本当に感謝一杯一杯だよ。私はチカを見て笑い、チカも笑み返し。二人のお揃いの黄緑色リュックを揺らしながら歩き、私達の通う高校に登校した。


 「ねぇ!ハル!ちょっといいかな?」

突然、チカの質問にビックリし思わず、昼休みで食べている弁当の中の卵のだし巻きを食べるのを辞め、

「え?・・・・どうしたの?チカ・・・」

チカは私の左右の黒い瞳を見つめ。今日一番の笑みをしながら言い出した。

「ハルってさ!・・・もしかして。す・・・・フフ。」

「?」

「好きな人いるの?」

「!?」

 え?え!?ええええええええええええええええええ。何々どうしたのチカ!!いきなり何いいいいいい言い出すの・・・・・・。まさかの想定外な質問に全顔が真っ赤の如く真っ赤になり食べていた卵のだし巻きが喉に詰まりかけた。

「んっ!!ゴホッ!ゴホ!・・・」トントントン

「はは~ん。その反応は図星だなぁ~ん?ふふ。」

私は慌ててお茶を飲み、とりあえず、いないことを急いで伝えたが。チカは全く信用すらしなかった。今までそんな、ましてや「恋バナ」だなんてしたことの無い私達はいきなりのそんな話題が出てきて、ただ。どう答えたらいいか・・・さっきまで、ドラムの話をしていたのに、急にまさかの「好きな人いるの?」の言葉に、音楽の世界から放り出された感じだった・・・・。

 うん。・・・・好きって言うか。・・・でも・・・・。

「え?顔は全く見たことも、声すらも聞いたことの無いの!?」

 そう。「その人は」全然知らない・・・・そして、声ですらも気配すらもし無かった・・・・。あの日、あの狭い鉄の空気の薄い自動部屋にいた私の背後にいたであろう「その人」は、私は本当に知らない。ただ・・・覚えているのは、あの不思議な「甘く」「優しく」「爽やか」と落ち着いた温かい匂いが、覚えていた。そして・・・・・心臓が止まった私を懸命に救助し支えて助けようとしていた。だけど「その人」の名前も分からない。でも。これだけは言いたい。・・・助けてくれて、本当にありがとうございます。

 

 をチカに言おうとしたけど。絶対に言わないよ~~だ!!「心肺停止」の事とかも言ってしまうこともなるし、とりあえず滋賀の平和堂で「とある人」の横顔を見て少し一目惚れしたって事に合わした。

「ほ~らっねぇ~。好きな人。いんじゃ~ん~」

「う・・うん。少しね・・・はは・・・」

「で?本当の事は?」

「へ!?」

「何年一緒におると思っているの?ふふ!全て話なさい!」

さて。困ったーーーーーーー。どうしよう・・・・・。


 丁度。その時だった。「ある一人の男子生徒」が、かかとを踏みながら両手をズボンのポケットに入れ「第一放送室」に入り、


もう一つの「源」が始まろうとしていた。


十二時四十三分。


「ズズゥ・・・・・・。トントン!」


「あーーーー。あーーーーーー。テス、テーーース。テス、いけるな・・・」


私達、そして他の全校生と全職員先生達が耳にした・・・・


「?・・・・え・・・・何・・・」


十二時四十四分。


「ス・・・・・・」


「ロックゥゥゥゥゥゥン・・・・ロォオオオオオオオオオオオルッ!!」


キーーーーーーーーーーーーン・・・・・


ジリリリリリリリリリリリリリリ!!


その奇怪な意味不明な雄叫びが学校中に響き渡り。学校内の設置していた避難警報が全て鳴り。全校生徒の悲鳴、何枚か割れた窓ガラスの音。全ての「音」が校内に放ち。その音は学校外の外まで響き渡った。


「ふぅーーーーー。スッキリした。・・・ピッ!ガチャッ!」


放送室のマイクの音が切れるのを聞き、私はその瞬間。


心臓の鼓動がバクバクと激しく動いているのが分かった。


ドックン・・・ドックン。





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