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私の音源は、心臓・・・・  作者: 三秒前の金時豆
1/9

プロローグ

ガタンッ!?・・・・ゴゴゴ・・・


狭い鉄の部屋が止まり。間もなく天井の光が失い、漆黒の暗闇が鉄の部屋を黒く染めた。


ビーーーーーーーーー

ビーーーーーーーーー


「只今、火災トラブルの為エレベーターを緊急停止しています。」

「お客様皆様、大変ご迷惑おかけします、今しばらくお待ち下さい。」


ビーーーーーーーーー

ビーーーーーーーーー

 

 どうやら、私が今いる平和堂は火事が起き、そして十何人乗る上や下へと動く部屋は、この暑苦しい定員オーバーのまま、最悪な事に緊急停止なったようだ。

ただでさえ、私は手足が怪我をしているのに両手には今日修理したばかりのベースのギターがある。

 次第に酸素が苦しくなり、左右にいるおそらく四十代くらいの男の人が隣で肩を当ててくる。

「ちっ!まだかよ・・・!!」

イライラしているタバコの臭い左側にいる男の人が言っていた。

「早くしないと競馬始まっちゃうなぁ」

右側にいる加齢臭のすごい男の人も呟いていた。

 今日は、週末の日曜日でここ滋賀の平和堂は多くの観光客やお仕事の休みの人や家族連れで賑わっていた。 先週私は、三年間通っていた中学を卒業し今年の春から三重県の地元伊勢にある進学高校に入学が内定した。

入学式まであと二週間あったからその間に、去年中三の夏に購入した「黒いベース」が壊れかけていたから滋賀にある平和堂二階にある楽器屋に修理を出し、一ッ週間後に取りに来た時だった。

 この手足の無数の傷は、地元の中学を卒業し。運悪くいざ最後の教室出て階段降りる最初の一歩で滑り落ちた傷。気が抜けていたせいか、気づいた時は保健室のベッドの上だった。骨は何とも無く、右手、左手、左足に少し深い傷ができ、全治二週間くらった・・・どんくさ・・・

 でも、なんであの時気を失ったんだろ?・・・やっぱり疲れてたのかな・・・。

そんな状態で修理が終わった「黒いベース」を取りに行き、今の現状。

 もう十五分は鉄の自動部屋は停止している。

暑いな・・・次第に汗が出てくる。息も苦しい・・・・それは、他の人たちも同じ気持ち。

でも私は・・・すごく・・・苦しい・・・。

 鉄の自動部屋は真っ暗のまま。視界も慣れずにただ、発進するのを待ち続けるだけ。

そんな暗く暑苦しい空間の中、何故か後ろから、甘く。優しく。爽やかな、まるでシャンプーして風呂上がりの香りをしたようなぁ。なんだろう・・・?この匂い・・・。落ち着いた温かい感じだった。

 次に目が覚めたときは、救急車の天井が見えた。あれ?・・・私・・・どうしたんだろ・・・。

さっきまで暑い定員オーバーした鉄の自動部屋にいたはずなのに、光が出てきたと思ったら。救急車の中。

 救急隊員の話だと私は、あの空気の薄い暑い部屋で気を失い、心肺停止していたようだ。

心臓が止まったの・・・・嘘・・・。あの鉄の自動部屋はあの後動き出し、次の階でドアが開き十何人は急いで外に出た。どうやら私は気を失って左右の男達は私を気づかず出て行き、そのまま私はドアの前で倒れていたんだ・・・・え?・・・助けた・・・?

 隊員の話はまだ終わっていなく、どうやらあの暑苦しい部屋の中で、誰かが気を失った私を看病していたみたいだった。左右の男達かと思ったけど、助けてくれた人は私ぐらいの若者らしく、背も少し低めで顔はパーカーで帽子が被っていて分からなかったみたい。鉄の自動部屋のドアが開いたときもすぐ、外の定員さんにAED持ってきてくれと指示し私の心臓を何度も何度も動かしたようだ。それから救急隊がかけ着いてきて、私は意識を取り戻し今に繋がった。

 誰かが私を助けてくれていた。誰なんだろう・・・あの後その人は救急隊員が来たとき交代し何も言わず消えたそうだ・・・同席お願いしますと頼んだみたいだが、その人は何も言わず。人混みの中に消えていったみたいだ。

その後私は、滋賀県の病院で一日入院し。翌日の朝、母が向かいに来て退院した。母はすごい心配そうに車のルームミラーで私を時々見る。卒業式の階段転倒事故から気を失う様になった私に気を遣い、たまに涙目になっている様子も見えた。そう。もしかしたらあの時、あの助けてくれた人が居なかったら、私はこの世からいなかったかもしれない・・・・・そんな暗い混乱な思想で地元である隣の県。三重県伊勢市に帰った。


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