お前の名前なんて適当だ!
前回のあらすじ。
不信人物二人に騙され試練の契約書を交わし、コラムと言いつつエッセイを書かされている。
最初の試練はブックマークを貰え。
不信そうな目でニトが僕を見ている
「知らないうちにタイトルなぜ変えた?」(旧)こんな私のエッセイでも、おコラム(怒ら)ないでね。でした。
「いえ、なんか違和感が有ったもので、所でどうです新しいタイトル?」
「私はお前にポイント稼ぎを強要しているみたいじゃないか!」
ニトは怒っている。
「ブックマーク貰えって言ったじゃないですか、ポイント貰えと同じですよ」
「人を悪者扱いする気か!」
「悪者扱いも悪者じゃないですか! 僕に変な契約させて詐欺師!」
「なっ、何を~!」
僕とニトの喧嘩を止めに入る。
「まあまあ、喧嘩しても良い事有りませんよ、それよりもですね、お前の名前考えてきました」
喧嘩を止める様子の無い僕とニトにリスの顔が歪む。
「う、うぇーん、喧嘩終わらないよ~ どうしてあたしの話聞いてくれないの~ 折角考えてきたのに~」
リスの泣き声に僕の罪悪感が喧嘩を中断する、ニトも同じ様だ。
「解ったから泣き止め、お前とは喧嘩わ中止だ、良いな?」
「止めたから泣かないで」
二人でリスの機嫌を取った。
すぐにリスの笑顔が戻る。
「じゃあ、お前の名前を決めましょう」
お前と呼ばれることが嫌なのは確かだが僕の名前を伝えなかったのは、僕の不注意だ、今伝えようと僕は思い立った。
「名前を決める前に、僕の名前を教えたくて」
その時リスの視線が僕を突き刺す。
「い、いえ、何でも無いです」
小心者の僕は何も言えずに引き下がるしかない……
「えっと、あたしが考えたのは、下僕」
一瞬、時が止まったのだろうか、僕は混乱している。
「あ、あの、何ですか? ではなくて、なぜ?」
「お前は、自分の事『僕』って言ってるでしょだから良さそうなの辞書で探して来ちゃった!」
「さすがリスだ、良い名前を貰ったな、お前にぴったりだ」
ニトがニヤつきながら賛同している。
まずい、このままじゃ下僕だ、ただでさえ立場が下僕なのに、どうにか回避しなくては。
この際、リスが泣こうが喚こうが関係ない。
「僕には、『いちじく』って名前があるんです」
「え…… 折角考えて来たんだよ、十分も掛かったんだよ、なのに、なの、ぶぅぇーん」
予想道理、リスは泣き喚いている。
ニトは冷たい視線で僕を見ている。
「お前って、外道だな」
ニトは暴言を吐いた後、何やら考え始めた、嫌な予感しかしない。
「そうだ、外道にしよう、有名な作家も外道と名乗っていたじゃないか」
嫌な予感は的中だ、下僕も外道も完全拒否だ、人の名前で遊ぶのもいい加減に。
「そうだ」
泣いていたリスが急に我に帰ったのか、僕にとっては都合のいい所で話に入って来てくれた。
「今急にひらめいちゃった、浣腸、浣腸が良いと思うよー!」
また僕は遊ばれているのか? 本気なのか?
ニトはニヤリとしながらリスに聞く。
「今の浣腸って、『いちじく』だからだろう?」
リスもニヤリとしながらニトに答えた。
「そうだよ、いちじくの浣腸、良い響きでしょ?」
間髪居れず僕は口を挟んだ。
「それ、言っちゃダメ!」
肝が冷える、そんな名前付けたら抹消されそうだ。
そんな心中だが、ニトがリスをしたたしめる。
「まて、もう、からかうのはよそう、お前の理性が限界に行く前に、まともなの考えたぞ」
その、まともが怖い、聞きたくも無いが。
リスがふてくされた様に話に割り込んできた。
「えぇ~ せっかく考えたのに」
「まあ、お前の考えも生かしたものだからしょげる事は無いぞ」
僕は完全に嫌な予感、いや僕の拒否感が半端ない、そんな心情を知っている様子なのがまた怖い。
そんな僕は二人に言うのだった。
「僕は、拒否権を発動します」
毅然に言ったのに、ニトの反応は素っ気無かった。
「解った」
「え?」
予想外の反応に呆気に取られる、そんな僕にニトは見透かしたように言う。
「お前に権限は無いとでも言うと思っただろう? 拒否権を使うのは自由だからな。しかし名前を決めるのは私達の自由だ、自分から、私達で勝手に呼ばせてもらうからな」
ニトは僕の承諾など必要なかったらしい、単なる名前を決めた事を宣言をしたいのだ。
「今度は、普通だから安心しろ」
「今までの流れで、安心なんて出来ません!」
僕は即答した。
「お前が安心できないなら、私が安心してやるから安心しろ」
「そうですよ、あたしはニト様を信頼してるんですから安心してください」
僕は、そのわけが解らない二人の自信がおさら不安なのだった。
「よし安心しただろうから発表するぞ」
心の準備など出来ていないぞ。
「名前は…… いちじくカンチョウだ」
「は?」
取り下げられたばかりの名前がまた出てきたのら反応なんてこんなもんだ。
「ニト様、やっぱりそれですよね~!」
僕は、嬉しそうなリスに何か恨みの視線を向けずには居られなかった。
「何が、さっきと違うんですか!?」
僕はニトの頭が膿んでるのでは? と思いながら問いただす。
「良く聞け、お前は『いちじくカンチョウ』だ、さっきは『浣腸』だ、発音が違うだろう?」
発音だけ違うのか? 作者視線ではカタカナになってるがそんなので私は騙されないぞ。
「酷い、僕はやっぱり玩具にされてる」
僕は涙声になっていた。
「リス、半紙と筆ペン持って来い」
「はいです」
リスが何やらゴソゴソとポシェットから取り出し始めた。
「ニト様どうぞ」
半紙と筆ペンを手渡す。
「よし、ん? この筆ペン薄墨だぞ」
「はっ! こないだ香典を出した時の筆ペンでした!」
「まあ良いだろう、それでは書くぞ、えい」
良く無いと思いながら、以外にも手馴れたニトの筆遣いを見ていた。
「よし出来た、これだ!」
僕の目の前に半紙を誇らしげに突き出した。
そこに書いて在ったのは
いちじく艦長
見れば、安易過ぎる、しかし混乱した僕の頭脳では微妙ながら安心してしまうのだった。
「良いだろう、流行物を取れいれてやったぞ」
流行物? 何だ? 僕の声と同時にリスも疑問の声を出した。
((「流行って何ですか?」
「お前達、解らないか? なら教えてやろう」
言い方も鼻に付くがしかたがない。
「天むす、が軍艦巻きに戦いを挑む流行のゲームが有るだろう?」
僕はリスの方を見た、リスも僕の方を見ている。
僕とリスは初めて心が読み会えた「それは違う」と。
しかし言えなかった、僕は反論すればまた振り出しに戻ると思い、リスは恐らくもう飽きていると思う、それに読者も「高がお前の名前を決めるのに長々と、貴重な時間を返せ」と思っているだろう。
「それで良いと思いますよ」
「あたしも良いと思うですよ」
今までの中でマシなのは確かだ、ここで納得しなければ、また酷い名前の堂々巡りだ。
「そうだろう、うむ、これで決まったな『艦長』」
ニトは満足気だ。
やっと茶番も終わって本題のエッセイなのだが何にしよう? そう思い僕はニトに相談する。
「ニトさま、エッセイの題材は何にしましょう?」
ニトは素っ気無く答えた。
「そんなのお前の問題だ、今日は疲れた、帰るぞリス」
「はい~ 艦長またね~」
二人は帰ってしまった。
僕も疲れてるんだよ! もう帰りたいんだよ! と心の中で思いつつ今回の題材を考えた。
「そうだ! これにしよう」
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キャラの名前はこんないい加減でも付けられる。
今回はキャラの名前の名付け方についてですが、今日は疲れました。
茶番で
なので俳句で行き成り閉めたいと思います。
名前付け 深い意味より 思いつき
いちじく艦長
深く考えるより、思いつきで付けた方が印象に残るかも。
まあ覚えて貰える名前が一番ですからね。
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僕は思う「こんな適当なエッセイで良いのか?」
手には名前が書かれた半紙を握り締めていた。
開いて見ると後悔が残る、下手でも無いが上手くも無い微妙な字だ。
何やら半紙の裏に書いてあるのに気付いた、見てみると「別のエッセイで得た評価は無効だ、こっちで評価されろ」
僕はそう言われると思っていたから言わなかったのだ、そう思い帰ることにした。
次回果たしてまともにエッセイが書けるのか?