普通にエッセイ書き終えたら不信な二人の勧誘に襲われた。
今回の内容は三人称です。
小説を書く人で意外と迷っているのはこの『三人称』のようです。
では三人称の前に一人称を考えてみましょう。
一人称では基本主人公視点が多いようです。
場合によっては主人公以外のキャラ、なども有ります。
時間軸はリアルタイムで語り部の役割をしますが、特殊な場合未来からの視点で語る場合も有ります。
一人称の書きやすい点ですが、語り部がキャラという点ですそのため、視点と場面が見やすくなる、語り部となるキャラ心情が書きやすい、と言った所が書きやすい理由のようです。
では三人称になると書きにくくなるのは何故でしょうか?
始めに視点です、一人称は固定された視点のため場面も固定されています。
しかし三人称は、視点が自由に変えられます。
そのため場面の始まりも何処に視点を置くかが慣れて来ないと、書き出しが思い浮かばなかったり、場面展開が無く会話ばかりになってしまったり、と不具合が起こる事があるようです。
視点に関しては映像的視点が取れないと難しいかもしれません。
しかし動くものに視点を合わせる様にすると良いかも知れません。
キャラの表情、仕草、動物、草木、触っている物や音の鳴る物も対象になるでしょう。
あまり視点移動すると五月蝿くなるだけなので注意が必要です。
もっとも問題となるのは心情表現です、これに関しては、正しい事など私には解らないと断言できます。
これでは身も蓋も無いので、私なりの提案です。
一人称も三人称も語り部としてのキャラを設定する。
と、言うことです、一人称はキャラ視点ですから解り易いですが、三人称では無機質な視点と考えてしまう事でしょう。
無機質のために地の文が堅苦しい、個性が出ない、など思われるかも知れません。
しかし貴方の文書の個性が出る部分は、地の文なので実は無機質ではなく貴方自信の文書だったりします。
三人称という貴方が語り部というキャラを演じれば良いのではないでしょうか?
次に設定ですが三人称の語り部の設定と言うのは、権限だったりします。
この場合の権限とは、キャラの心情や行動の訂正をどの様に扱えるか、という事です。
心情を断定することが出来るか出来ないか、行動の間違えを訂正できるか出来ないか、というものです。
他には、未来を知ることが出来るか出来ないか、という事も付け加えておきましょう。
これも視点同様で使い過ぎると五月蝿いだけではなく、ネタばらしに、なってしまう事も有るかもしれません。
全部の権限を使うと神視点と言われるものに成ると思います、これらの権限は人によって邪道な感じに思われるかもしれません。
最後に、一人称、三人称とは枠組みでしかないと思いますそこで悩むよりどの様な語り部にするかで悩みましょう。
と書いてはみましたが私は其れができているかと言うと出来てないです。
貴方はそれでも信じますか。
Yes/No
貴方はそれでも利用しますか。
Yes/No
ココからの茶番はお好きにどうぞ。
次回からこの設定が生かされるかも知れません。
エッセイを書き終えた僕の頭上をどんより黒い雲が渦巻いてきた、渦の中心から一本の雷が目の前に『ドッン』と落ちてきた。
周囲は煙に包まれる中から人影が一人、また小さいのが一人、二人は並んでいるようだ。
煙が流れると二人の人影に何処からとも無くスポットライトが当てられた。
「私はコラムの女王ことコラムス・ニト十三世だどっちも長いのでニト様と呼ぶが良い」
背の高い方が何やらほざいている、第一格好も黒くて艶のある、あっちの女王様だ。
「あたしはニト様の使い魔、テトロ・リスだよ~ リスちゃんって呼んでね」
今度はロリ少女か格好はヒマワリのTシャツにピンクの短いスカートか普通の小学生だ。
二人とも黒髪のセミロングで顔だけ見れば地味なのは言うこと無い。
其の前に私は冷静なのかと言えば雷の恐怖で足腰が立たない上に下も洩らしている。
「あの、ど、どちら様で?」
「だから、ニト様だ」
「あたしはリスちゃんだよ~」
私はそんな答えを待ってはいない、『もっと的確正体を言え』 と思ったのは秘密にしてほしい。
僕が困惑する状態をみてニト様と名乗る女王様が変な説明を始めた。
「まあ聞くが良い、お前にはこれからコラムの試練が待っている、試練を受けみごと乗り越えたものは私に一生使えられる権利を与えよう」
何か頭の悪そうな事を言っている、僕は当然試練を受ける気は無い、義理も無ければ、人情も無ない、愛情も無ければ、同情も無いのだ、書いてたのコラムじゃなくてエッセイだし。
其れよりも早く帰って下をどうにかしたい、こんな得たいの知れない連中に構っている暇は無い。
「あの私は用が有るので、失礼させていただきます」
僕は帰ろうと背を向けると慌てた様子のニトが目の前に回りこむ。
「お、お前は、断る権限など無い! 観念して私の試練を受けるのだ!」
「そうは言っても、僕は受ける気は有りませんよ」
顔を赤くしながら言い寄って来るニトはちょっと可愛く思えてしまった。
「受けろ! さ、さも、さもないと」
「さもないと?」
「私の奴隷として一生使えさせるぞ!」
「あの、試練を乗り越えた時の褒美と同じなのでは?」
僕の疑問にニトは言葉を詰まらせた、そこにリスが割り込むように話してくる。
「ニト様は、お前を欲しがってるみたいだよ」
「欲しがってるって?」
慌てるニトは取り繕うように。
「そんな事は、無い、下賎なお前なぞ欲しがってなぞおらんぞ、ただ召使が欲しいだけだ!」
「ニト様それは欲しがってるって事じゃないの?」
リスの疑問が追い討ち掛けたようで、困惑するニトが突然、正座をすると頭を地面に擦り付けた。
「お願いします! 試練受けてください!」
僕は完全に引いてしまったが、断れる状況でもなく受けることにした、ただ条件付けないと逃げられそうにない。
「仕方がないから、受けるだけなら良いですよ」
「あっ、ありがとぅ」
クシャクシャな表情で泣いている、何が泣くほどの事なのか解らないが。
僕は条件を何にするか考えながら、ニトを見ていると泣き止んだのか、すっと立ち上がった。
「リス契約書だ」
「はい、ニト様!」
リスはモゾモゾとポシェットから、しわくちゃな紙を取り出しニトに手渡した。
ニトは、しわだらけの紙を僕に見せ付ける。
「サインを入れてもらおうか?」
「あの、サインって必要ですか?」
「契約するんだ、契約書が有って当たり前だ、後はお前のサインだけだな」
先ほどとは違い得意げな表情だ、ニトはせっついてくる。
「ほれ、早く書け」
脇からリスがニッコリした笑顔でペンを渡してきた。
僕は紙とペンを奪うように取るとサインを書こうと周囲を見渡した。
「サイン書く場所が無いのですけど」
「めんどくさい、奴だ、ほれ、私の背中を使うが良い」
ニトは僕に向かって背中を向ける。
僕はニトの背中を使い紙を伸ばすと文面に眼を向けた。
[甲は乙の所有物に一生成る事を同意する]
「はぁー?! この契約書は何ですか!」
僕はニトに契約書を突き返した。
見直すニトとリスは愛想笑いに変わっていった。
「ごめんね~ 今本物の契約書出すから、リス! 次は間違えるんじゃないよ!」
またゴソゴソと探すリス。
「有りました! 今度は大丈夫です!」
またクシャクシャな書類を二人で見返している。
「間違い無いな、大丈夫だ大丈夫」
「間違いないです、普段使うこと無いから黄ばんでますけど」
今度は平気とばかりに契約書とペンを僕に押し付けると、早く書けと言わんばかりに背中も押し付けてきた。
リスが僕を書くように促してくる。
「さっ、早く書いちゃってください」
僕はニトの背中で契約書を確認した。
[コラム国、コラムニストおよびエッセイスト認定試練を受けることを同意する]
今度は問題ないらしい、めんどくさい流れと勢いでサインしてしまった。
書いた後の変な後悔は何だろう?
「おめでとうございます」
「よし、契約完了だ」
満足気な二人に違和感が出てくる。
「それでは早速、試練を説明する」
後悔や違和感の意味が今解った、なぜそんな大事なこと先に聞かなかったんだ? 僕は詐欺に会った気分だ、いや詐欺に今会っているのだ。
「第一の試練はブックマークを貰えだ」
行き成り僕にとっての難題だ、頭を抱えたくなってくる。
僕にとってみれば単なる公開メモ帳みたいなもんで、付けば良いなって位の物だ、いや内心は付けて欲しいよ、でもね初心者には荷が重いのよ。
どの道無数の作品に埋もれるのは目に見えてるし……
リスが思いついたかのように話してきた。
「そうだ、あたし『お前』だと呼びづらいので名前次までに考えてきますね」
「好きにして……」
落ち込む僕を尻目に無邪気に騒ぐ二人が疎ましかった。
「あっ、そうだ下の処理まだだった」
いちじく「次回のお題は未定なんですよ」
ニト「なに~ 私が考えてやろう、そうだな『カーテンの網目の数え方』はどうだ?」
いちじく「却下です」