第4章:ようこそ、アルカネリアへ!
お読みいただきありがとうございます!
前回、夢の中で“母”から衝撃の真実を知らされた奏汰。
そして彼は、再び異世界・アルカネリアへ向かう決意をします。
今回の第4章では、その“再出発”までの流れと、
あの伝説の術《狐の窓》の秘密が明らかになります。
少しずつ世界が動き出す回です。
第4章:ようこそ、アルカネリアへ!(前半)
アルカネリアに行くことを決意した俺は、ゲートの出し方を忘れてしまい、困っていた。
「ん〜どうやったら行けるんだ?
前はあの狐がやったから行けたけど、セリフとか全く覚えてねえし。」
あの時、狐が言ってたのは確か……。
「ん〜、“狐の窓”のとこしか覚えてねぇ〜!」
どうしても思い出せなかった俺は、図書館へ向かった。
「……え?」
たまたますれ違った女の子。
なぜかどこかで見たことがあるような気がした。
「……気のせいか。」
「やっと私も一人暮らし!長かったな〜。やっと会えるんだ、あの人に!」
「この図書館なら、少しは見つかるだろ。」
なんだか久しぶりだな……。
「あ、すみません。」
「えー!奏汰?!」
「おい、声が大きいよ。」
「てかなんで泉がここにいるんだよ。」
「それはこっちのセリフだよ!あんた、授業以外で本読んだこと一回もないじゃん。」
「悪かったな、本読まない人で。」
「許す。」
「は?」
こいつに構ってると時間がかかるな……ん?
「お前その本、妖怪の本じゃん。」
「そうだけど?」
「それ、見せてくれないか。」
「別にいいけど……どうしたの?」
椅子に座り、俺は泉から借りた本を開いた。
「奏汰、妖怪に興味あったっけ?」
「あ、あった!」
!!!!!!!!!
思わず声が出てしまった。
「……すみません。」
「うるさいよ奏汰……。」
「お前だけには言われたくない。」
そして、ページをめくる。
そこには、こう書かれていた。
⸻
『狐之窓──江戸奇譚集・月ノ巻より抜粋』
古の江戸の頃より、“狐之窓”と申す術あり。
手の指を輪となし、その中を覗く時、
此世と彼方の狭間が開き、
真と虚とが映りしと云う。
此の術、ただ異界を覗くためのものにあらず。
人の形を取りし“魔性のもの”、
あるいは“化生のもの”を見破る鏡とも伝わる。
心正しき者が結べば、月の光を通して清き道が開かれ、
邪を祓い、真を映す。
されど心に穢れあらば、その窓は闇を映し、
見る者の魂を惑わす。
故に古より、“天狐の一族”これを守り、
月の加護をもってのみ開くを許されし──。
⸻
「……これだ。間違いない。」
「え?何が?」
「泉、これ貸して。……うん、ありがとう。」
「……まだ“いいよ”とは言ってないんだけど。」
とにかく、誰にも見られない場所で試すしかない。
「ここの神社なら……誰も来ないだろ。」
俺は、初めて狐と会った神社で構えた。
「行くぞ……。」
両手を翳し、息を整える。
「化生のものか、魔性のものか――正体を現せ。
狐の窓!」
「……マジか。」
本当に、出てしまった。
「まあ、それはいい。行くぞ。」
「奏汰、ちょっと待っ――えっ?」
「……相変わらず眩しいな。」
光の向こう側――。
そこにあったのは、あの時とは少し違うけれど、間違いなくあの世界だった。
アルカネリア。
「すげえ……本当に俺でもできたぞ。
よっしゃ〜!できた、できた、できた〜!」
――ここから、俺の“異世界の旅”が再び始まる。
「え、奏汰……今のは……」
つづく。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
ついに、奏汰が自分の力でゲートを開くことができました。
そして、物語は再び“アルカネリア”へ
次回、第5章では異世界の風景や新しい出会い、
そして“天狐”たちの動きが少しずつ明らかになります。
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