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6話 レッツ・ショッピングー!

〈登場人物〉

空閑くが  奈津女なつめ20歳

??  由梨ゆり 26歳

九十九つくも みなみ  ?歳

神楽かぐら  咲玖さく 170歳

由梨と合流した5分後。14時40分。


「おまたせ~ゴメンね。

咲玖様が寝坊をして、急いで準備してきたんだけど……自分ら時間、間違えました?」


奈津女は30分前。

14時30分に到着し、由梨もその5分後。

14時35分。

そして、最後に咲玖と南が来たのだった。

奈津女はクスっと笑い由梨はそれを訂正する。


「あぁ、その心配はないよ。ウチらが早く着き過ぎただけだし。逆にごめんね」

「全員集まったことですし早速どこかに行きますか?」


奈津女が聞くと、由梨と南が手を挙げて。


「賛成~」


と声を合わせる。

咲玖はそんな陽気な南を冷めた目で見つめる。


「そんな目で見ないでくださいよ……

もしもみんなが行きたい場所がまだ無かったら咲玖様の服を買いに行っていい?」

「大丈夫ですよ」


そうして、ショッピングモールのマップを1階の出入り口付近から取り、洋服屋を調べる。


「2階に3店舗ぐらいあるね」

「じゃあ、エスカレーターで行きますか~」


そうして、南がエスカレーターを指さす。

エスカレーターには、南、由梨、奈津女、咲玖の順に乗った。

奈津女はエスカレーターに乗りながら少し考え事をしていた。


(そういえば誰かの声だけ聞いてないような気がしますね……)


そう考えていると後ろからため息が聞こえてきた。

スッと反射的に後ろを振り返ると、それは咲玖だった

そしてそのとき、奈津女は南に言われたことを思い出す。


〈でも、主は人間が好きじゃないので…〉(2話参照)


その瞬間、咲玖は奈津女が自分を見ていることに気づきすぐに顔をタオルで隠す。


「――ごめんなさい」


一言だけゆっくりと奈津女は言い放つ。


「⁉」


その言葉を聞いた咲玖は驚きながら、下を向いた。


(顔に出てたか……)


そう思いながら、洋服屋へと向かった。


「へー。いっぱいあるんだね~」


由梨は目を輝かせる。その一方で南は気まずそうな顔をしている。なぜなら……


(やばぁ……絶対咲玖様自分に目線送ってるよな~)


ずっと南の方を向き睨んでいる主こと咲玖がいたからだ。

南は申し訳なさそうに由梨たちに話す。


「ちょっとまってて、咲玖様とほかの場所見てくるから。2人もここら辺見てて~」

「は~い」


そうして、咲玖は少し離れた所で立ち止まる。

そして、南が話す。


「で、どうしたんですか?」

「奈津女さんのために来たのに、俺。人間嫌いが顔に出てたかもしれない」


一方奈津女と由梨の方では、由梨が奈津女の様子に気が付く。


「――どうしたの?」

「え?」


由梨は服を見ながら奈津女に質問をする。

奈津女は驚きながらも反応をする。


「浮かない顔してるから。なんかあったんでしょ」


少し間を開けた後、奈津女は由梨に相談し始めた。


「――はい。咲玖さん。人間が嫌いなのに、

寄りにもよってショッピングモールに賛成してしまったので、どこか申し訳なくて……」

「あぁ……」


何かを察した由梨。

そして、ルインを繋いだ時に話した内容を思い出す。


「ショッピングモールの意見出したの、咲玖さんだよ」


〈奈津女さんの為だったら少しぐらい我慢できる…はず〉(3話参照)


そして、南の方でも解決しつつあった。


「いや。咲玖様今日外に出たときからずっっとッ嫌そーな顔してましたよ」

「え?」


南の当たり前と言わんばかりの顔に半笑いの咲玖。

そんな主を見て南も笑顔をこぼす。


そうして、数分後。

無事咲玖の洋服と由梨のアクセサリーが買えた。


「咲玖さんはどんな服、買ったの~?」


由梨が聞くと、南が紙袋の中から服を取り出す。


「このパーカーです。

咲玖さんの好きな赤色が丁度あって部屋着にしようってなったんだ~。

そういう由梨さんは何を買ったの?」

「フフフ……見るがいい」


そう演技をしながら、

最終兵器のようにふところに掛けているカバンから、小さい袋を取り出し、3人に見せる。


「このピアスだァー!」

「うわぁ~可愛すぎる~」


由梨の持っていたピアスは、赤とピンクのグラデーションがきれいなイチゴの飾りが付いたピアスだった。黄色い金具とワンポイントのイチゴが可愛く輝いていた。

だが、その後、由梨は悔しそうに声を出す。


「だが、このクソカワアクセサリーはこれで完成ではないのだ。

これのシリーズとしてネックレスもあるのだが、今日は手持ちがこのくらいしかなかったからな……

この辺で勘弁してやる!」

「理由が可愛いですね」


奈津女が思わずツッコム。そんな笑いの中で奈津女がとある提案をする。


「あ、そうだ。

先日、会社の友人がこのショッピングモールに期間限定である水族館が楽しかったって教えてくれたんですけど……このあと良ければ行きませんか?」


すると、みんなが賛成する。

だが、心の中で気に入っていない人物がいた。


(水……族館か。外でこっそり待っていようかな。

咲玖様からしたら、奈津女さんとしっかり話し合えるチャンスだしね)


そうして、屋上へと上がった。

屋上は、ドーム型のテントが張られており、その中に水族館があるよう。


(日光の心配は……なさそうだな)


そう安心する咲玖を横目に、南は立ち止まる。

それに気が付いた由梨はわざと大きな声で、


「あーウチ行きたい場所あるんだよねー。あれーその場所。マップが無いと分からないなー」


その時、最初に取ったマップを持っていたのは、南だった。

そして、南は微笑みながら。


「じゃあ自分と由梨さんは、買い物をしてるから、

咲玖様と奈津女さんは、2人で水族館に行ってきてね~」


その言葉に驚く咲玖。

由梨は南の腕を引っ張って、お構いなしに連れて行ってた。

その背中では、慌てる奈津女に向かっての、ピースサインが作れていた。


「ありがとうございます」


そう小さく呟き咲玖の方を向いた。

奈津女と咲玖。2人とも言葉が足りていない気がする…

由梨と南はそれぞれ勘が良すぎる!        

と書きながら思いました。

次回からは、それぞれの過ごし方を書きます。

今回も読んで頂きありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ

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