4話 会社で…
〈登場人物〉
空閑 奈津女20歳
姫宮 椿 20歳
今回の話は6月6日。奈津女が会社で仕事を対処している姿です。
「奈津女さん。
すみません……急に工場の方にお相手の交渉人の方が来られまして。今日は工場お休みでしたもんね」
奈津女がスーツを羽織りながら、従業人が声を掛ける。
「今回のお相手が提示してきた資料と、それに対する社長のご意見です」
「ありがとうございます。ちなみに、交渉まであと何分ですか?」
冷静に資料を受け取りながら、奈津女は自分のデスクに座る。
「えっと、今日はあと13分余裕があります」
「ありがとうございます。それだけあれば十分です」
そうして、ノートパソコンを広げる。
すると、交渉資料と書かれたファイルをクリックしてロード画面に移動した。
深呼吸をしてから、ロードが終わりタイピングを始める。
『本日は当社にお越しいただきありがとうございます。本日提示していただいた』
無言でタイピングを進める奈津女。
すると、誰かがデスクに飲み物を置く。
奈津女が飲み物に目を落とす。
それは、奈津女が好きなレモンティーだった。
そして、誰かが分かる決定的なものがあった。
それは、ティーの上に、レモンの輪切りを入れていることだった。
時間に余裕があるわけではないが、その顔を見ずには居られなかったその人は……
「ありがとうございます。姫宮さん」
「はいよ。予想だけど、交渉資料作ってるでしょ。だから、レモン汁10滴ね」
「流石です!」
彼女は奈津女の秘書。姫宮 椿。
彼女は奈津女と同じ20歳だが、有名な大学で秘書検定を1回で合格できるほどの、実力者だ。
奈津女とは、まだ1、2年の付き合いだが奈津女の事をしっかりと理解している。
「ほら時間ないんでしょ。
手動かしな……って。いわれる前からやってたか、奈津女こそ流石ね」
だが、理解をしているのはお互いであり、他社からも噂されるほど仲の良い2人なのだ。
そして、そこから10分後
「資料作り終わりました」
「データ頂戴~」
そうして、椿のノートパソコンにデータを送り、すぐに確認に入った。
「――OK~。使えるよ。10分で作ったとは思えないほどの文章力だね」
「ありがとうございます」
「えっと、今日の会議は、第2会議室だね。行こ」
「はい」
そうして、2人は廊下を歩き、会議室に入る。
その姿はとても、自信に満ちていた。
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1時間後。
無事話し合いは終わり、交渉はうまくいったのだった。
「では、失礼しました」
相手が、会議室を出ると、入れ違いに社長が入ってきた。
「奈津女。ありがとうな。無事相手の承諾も得られた。次もよろしくな」
「はい。勿論です。では、私たちは休憩に入ります」
「失礼します」
そう言って、2人は同時に一礼をすると、会議室を出た。
少し歩いて、後ろを振り向く奈津女と椿。誰もいないことを確認すると。
「「よっし!!」」
2人で同時にガッツポーズをする。
「すごいね奈津女!
まさか、まだ。奥の手(意見)があるとは思ってなかったけど、
対応も冷静でやっぱかっこよかったよ!」
「いえ。姫宮さんがしっかりフォロー用の資料をすぐに渡してくれたからですよ。
今日もありがとうございます」
「全然。じゃあ、お昼食べる?
会社の外にサンドイッチのキッチンカーが来てるみたいだよ。」
奈津女は笑顔で。
「はい。行きましょう」
そうして、サンドイッチを買いに行き。無事にツナサンドが買えた。
そのあと、椿と別れてからデスクに座り、昼食を食べようとするとスマホのルイン通知が溜まっていることに気が付く。
サンドイッチを片手にスマホを操作して、既読を付けていく。
そのなかに、由梨から招待が来ておりその内容を確認する。
『咲玖さんと南さんウチが入ってるグループルインだよ~手が空いたら入ってね~』
そう書いてあった。
クスっと笑った奈津女はグループルインに入る。
『奈:ありがとうございます』
そう打って、スマホの画面を仕事に切り替えた。
秘書の椿が敬語じゃないのは設定が奈津女と被るからです。
椿さんは身長が167㎝で奈津女よりも2㎝大きいです(小ネタ)
今回も読んで頂きありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ