3話 では、日曜日にまた
〈登場人物〉
空閑 奈津女20歳
?? 由梨 26歳
九十九 南 ?歳
神楽 咲玖 170歳
奈津女が起きたため、改めて自己紹介をすることになった。
「じゃあ。いいだっしっぺが先陣を切ります!ウチの名前は由梨です。
今年で26歳の社会人で、好きな食べ物はイチゴで、苦手なものは勉強で~す」
パチパチと部屋に拍手の音が響いた。
次は奈津女が立ち上がった。
「私の名前は空閑 奈津女と申します。
今年で20歳の空閑財閥広報部、部長兼交渉担当人です。
好きな食べ物はレモンなどの酸っぱい食べ物で、苦手なものは恋愛に関する事です」
そう言って、ペコリと一礼をすると席に座った。
次に南が立ち上がった。
「どうも。九十九 南です。
年齢は控えさせていただきまーす。
職業は主の使用人です。
好きな食べ物はん~。特になくて食べ物だったらなんでも食います。
苦手なものか~。水が溜まっているところかな」
すると、由梨が手を挙げた。
「はい。由梨さん。なに?」
「はい。えっと、水が溜まっているところということは、海や湖といった所でしょうか?」
腕を組んで南が少し考える。
「そーだね。水たまりぐらいだったら余裕なんだけど、
深さがあるところはちょっとしたトラウマがあってね」
「ありがとうございまっす!」
そうして、2人が同時に座った。
最後は咲玖なのだが、本人はムスッと座り込んでいる。
「――咲玖様。嫌なのは分かりますが、2人ともを信用してあげて下さい。」
「信用していないわけではない……どうするんだ。アレについて話していいのか?」
に質問を投げかける。南は由梨と奈津女の方を向く。
そして、咲玖に優しい笑顔を向ける。
そこから、察した咲玖はハッと目を見開き。立ち上がり。話し始めた。
「俺の名前は、神楽 咲玖。先に行っておくが俺は吸血鬼だ」
「⁉」
「⁉」
由梨と奈津女は驚いた顔を見せる。
奈津女が口を開きそうになると咲玖が奈津女の口元に指を当てる。
だが奈津女は目を見開いていた。
自己紹介をするときにいた並びは4人で円を作るようにして座っており、咲玖は奈津女の目の前にいた。だが円の直径はだいたい2m程ありすぐに、しかも足音も立てずに奈津女の目の前に現れたからだ。
「質問は最後に頼む」
かがんだ姿勢から立ち上がり、自分の席の前で立った。
一呼吸おいてから、咲玖はまた話し始めた。
「えっと、年齢は南によると170歳。
好きな食べ物は、肉。苦手なものは、人間と自分。以上です……質問は?」
「――」
由梨と奈津女は無言で手を挙げた。
南は〈アハハ〉と笑っている。一方の咲玖は溜息をついている。
だが、その時。
奈津女のスマホが鳴った。
カバンから、スマホを取り出し、席をたって、部屋の隅へ移動した。
「はい。奈津女です……あ、はい。すぐに行きます。ありがとうございます。はい。失礼します」
奈津女は電話を切った。
すると、自分が座っていたところにある自分のカバンを手に取り。
「すみません。
工場の方で急ぎの用ができてしまったので、今日はこの辺でお暇させていただきます」
そうして、由梨の方を向く。
「由梨。すみません」
「いや。大丈夫だよ。早く会社戻りな」
「はい」
そうして、みなに一礼をして。部屋を後にした。
南が、由梨に聞く。
「奈津女さんって忙しいの?」
「まぁ。はい。でも、あの子。自分で自分を苦しめているようなものなんだけどね……」
そう呟いた。
「なにか、約束でもしてたのか?」
咲玖が由梨に聞く。由梨は少し悲しそうに、声を出した。
「今日の朝急に会議が入っちゃって、でもそれが終わったらカフェに行く予定だったんだけど……
あの感じ会議の他にも工場のほうで問題が起きたみたいだし、
しばらく予定が延期になりそうだなって思っただけ」
だがその後すぐに切り替えて、2人に笑顔を見せる由梨。
「でも、社長令嬢は大変だってウチも知ってるし、応援してあげようって考えてるんだ」
南は同じように笑顔で、
「優しいですね。由梨さん」
「///ありがとうございます」
そう。さっき由梨が気絶した理由は、南があまりにも自分のタイプだったからだ。
性格からしゃべり方。すべてが由梨の心をつかんだのだった。
すると、咲玖が由梨に聞く。
「奈津女だっけ?あの美女」
「こらッ」
やさしく、咲玖の頭をチョップする南。
由梨が頷くと、そのまま、咲玖は話を続ける。
「奈津女……さんはしっかりと息抜きってしてるの?」
(なぜいきなりさん付け?)
「はい……あの子がそう捉えているかは、分からないけどウチとよく色んな所に行ってるよ」
「――日曜日とかって空いてたりする?奈津女さんと由梨さん」
「え?」
不思議に思いながら手帳で確認する。
「ウチは大丈夫だけど、奈津女はわかんないかも。あの子忙しいし」
そこで、由梨は良いことを思いつく。
「南さんってスマホ持ってたりする?」
「うん。持ってるよ~」
「咲玖さんは?」
「一応……」
よし!そう思った由梨は……
※「グループルイン作らない?そうすれば、予定も立てやすいし!」
南はイイね~と言いながら自分のキューアールコードを出した。
そのあと、咲玖も出した。
手慣れた様子で由梨がグールプを作った。
しっかりと、奈津女にも申請を送りグループルインでスタンプを送る(ここからルインの会話)
☆ユリ☆『よろしく~(^_-)-☆』既読2
みなみ 『( `・∀・´)ノヨロシク』既読2
咲 『(*- -)』既読2
「かわいいですねー♡」
「ありがとー」
現実でも話しながら予定を立てる。
まず、どこに行くかを話し合うことに
「どこか行きたいところってある~?」
「特にここって場所はすぐに出ないね」
「――ショッピングモールとかは?」
「え?」
そうして、南は驚きながら咲玖に質問をする。
「人が多いって事ですよ……大丈夫ですか?」
その言葉をしっかりと心に入れてから、咲玖は
「奈津女さんの為だったら少しぐらい我慢できる……はず」
「そこは胸張っていってくださいよ」
そう笑いながら、ノートにまとめる南。
そして、結果このようなまとめになった。
・6月8日(日)
・15時~
・ショッピングモールにお出かけ
という予定が立った。
「マジで手伝ってくれてありがと!」
由梨が頭を下げる。
「いやいや。こちらこそ」
(こちらこそ?)
「時間も時間だし、そろそろ帰るねー」
「はーい。では、日曜日にまた」
そう言って、屋敷を出た由梨。
午後の2時。
少しお腹が減り始める時間に、由梨はルンルンだった。
※ルインとは、某メッセージの事です。
今回は奈津女があまり出せなかったのが悔しい('ω')
今回も読んで頂きありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ