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22話 壇上

〈登場人物〉

空閑くが 奈津女なつめ 20歳

空閑くが 由梨ゆり 26歳

九十九つくも みなみ ?歳

神楽かぐら 咲玖さく 170歳

市役所に車を停めると4人はその中に入って行こうとしたその時。

由梨が3人の前に立って声を上げた。


「実はさ、ウチ。ナツの秘書の人とかと知り合いなんだよね。だからさ、先に挨拶行ってもいいかな?」


明らかに棒読みの単語を並べる由梨。〈やれやれ〉と思った南がフォローに入る。


「そーなんですよ。自分とユーさんがこの間ショッピングセンターに行ったときにバッタリ出会ってね。だから、自分も咲玖様をヨロシクって伝えたいしさ。いいかな?、奈津女さん」


そう由梨と並んで奈津女を見つめる。奈津女は少し戸惑いながらも、結果頷き咲玖と奈津女を残して2人はスタジオに入った。

扉を開けて、由梨は堂々と作業をしている職員の中に入ると近くにあった木材の上に立った。

手を腰に回して、立ち続ける事20秒。由梨の周りには人だかりができていた。

すると、由梨はゆっくりと話し始めた。


「おはよう。私の事を知らない人に説明すると、私は空閑くが奈津女なつめの姉の空閑くが由梨ゆりです!」


そう声を張って自己紹介をすると、奥から驚いた様子の椿が出てきた。


「ちょ!由梨さん!?」


それを見つけると、由梨は台からピョンと降りて、椿に近寄る。その後ろを南が追いかけた。


「奈津女の言ってた友達って、由梨さんの事だったんですか?でも…え?」


混乱する椿にゆっくりと説明を始める由梨。


「ごめんね椿。まだ、ナツには関係伝えられてなくって、こんな方法しか思いつかなくてさ」

「私は全然。でも、こっちの事業に入るとまた社長ともめてしまうのでは」


心配そうに由梨を見つめる椿。

空閑財閥は17年前。奈津女と由梨の父親、母親の方向性の違いから2つの事業に分かれた。

奈津女のいる食品関連の事業。由梨のいる医療器具を製造し続ける事業と別れてしまったのだ。その時から、親族であっても互いの事業への口出しは禁じられていた。だが、2年前。とある花畑で奈津女に出会った由梨は自分の事を覚えていない奈津女に友達として手を貸していたのだった。

由梨は一度下唇を噛んだが、すぐに笑顔に戻り椿に伝えた。


「これは、奈津女に打ち明けられていないウチの責任だし、その償いだと思ってやろうと思うよ」


そう答えた。それを聞いた椿は優しく微笑んでから由梨が先程立っていた台に乗り職員に指示を出した。


「由梨さんが奈津女の親族だという事がバレないように皆さん善処してください!そして、何としてでも今年のお祭りも成功させましょう!」


そう言って、右腕を高々と上げる椿に続いて〈おぉー!〉と声を上げそうになる職員たちに対して


「声量は小さめでお願いしいます!」


と言う南。すると、職員たちはその通りに、小さな声量で気合を入れたのだった。

その様子に椿と由梨。南は顔を見合わせて笑った。


「そういえば、あなたは…?」

「ゴメン。自己紹介がまだだったね。自分は九十九つくもみなみって言います」


そう言って、自己紹介が終わったところで由梨と南が、外で待機していた奈津女と咲玖を呼びに行った。

扉を開けて辺りを見渡すが2人の姿はどこにも見当たらない。


「ナツ~。さっくーん。お待たせ~」


そう声を掛けると、通路の突き当りから顔を出した咲玖。

そこに、早歩きで向かう由梨と南。通路を曲がって見つめた先。そこには、オセロ盤と向かい合って座っていた奈津女の姿があった。奈津女が由梨と南に気が付くと立ち上がって話しかけてきた。


「お疲れ様です。意外と遅かったですね?」

「ごめんね~。意外と話盛り上がっちゃって~」


そう話す由梨の後ろで横に並ぶ咲玖と南。南がボソッと咲玖に聞く。


「咲玖様。なんでここに?」

「なんとなく、スタジオがうるさくなるように感じたから、急いで奈津女の背中押してここに避難してきたんだよ。案の定。移動した後すぐに、スタジオから意外と大きい声で〈奈津女の姉の…〉とかって聞こえてきたからそこら辺にあった物で気を紛らわせたら、ボロッボロに負けて気合が入りすぎた結果。ずっとここに居た…って感じだと思う」


そう説明し終わると咲玖は〈はぁ〉と軽く息を吐いた。その姿を見た南は口元を手で隠しながら笑ったのだった。


(人間嫌いの咲玖が、ここまで人間である奈津女さんに尽くすとはね…ドラキュラも人間も大して変わらないのかも)


そうして、オセロ盤を片してスタジオに奈津女先頭で入る4人。

奈津女はいつものように胸を張って入場。由梨と南は気まずそうに入場。咲玖は室内なのに頭にタオルを被って入場と個性豊かな入り方。

そうして、先程の由梨のように台に立つのではなく、簡単に前に出ると職員全員に声を掛けた。


「今日からコツコツと花弁祭りに向けて準備を頑張りましょう。よろしくお願いいたします」


と言って頭を下げた。その行動に拍手が鳴り響いたスタジオ。

時計は既に5時30分。

全員がそろった状態で準備は始まりを迎えた。

今回の話は詳しい設定が説明できてよかったです。

空閑家の方向性の違いや、2人の両親についても今後書いていきます

「先程昨日投稿できていなかったことに気づきました。遅くなり申し訳ございません」

今回も読んで頂きありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ

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