表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/27

19話 花弁祭りって?

〈登場人物〉

空閑くが 奈津女なつめ 20歳

空閑くが 由梨ゆり 26歳

九十九つくも みなみ ?歳

神楽かぐら 咲玖さく 170歳

デスが頑張って閻魔と交渉していた時、奈津女たちは〈気晴らしに〉と言って奈津女が取り出したチラシに目を通していた。

咲玖がチラシを両手で持ち、それを由梨と南が覗き込む。


そこには、『花弁町恒例行事! 空閑財閥主催の花弁夏祭り』と上の方に書いてあった。奈津女はモジモジと足の上で手をいじりながら話した。


「この町の伝統行事で、毎年空閑家が主体となって行っている夏祭りなのですが…4人で行きませんか?先ほども言った通り気晴らしにもなると思いますし…」


そう言うと、咲玖は首をかしげながら言った。


「ん~人が多いんでしょ…どうしよう」


そう考えているところに由梨は笑って話した。


「へ~。行かなくていいんだ~空閑家は代々、夏祭りの最後の伝統踊りで巫女姿の奈津女が見れるんだけどな~。ヘアスタイルもいつもと違ってとっても可愛いんだけどなぁ~」

「ちょ、ちょっと由梨!」


そう恥ずかしそうに顔を赤くしながら由梨の口を塞ごうとする奈津女。すると、咲玖は目を輝かせて声を出した。


「よし。行こう」

「分かりやすすぎでしょ~さっくん」


そう言っている由梨だが、その顔は嬉しそうに微笑んでいた。だが、1つ南には気になることがあった。

そこで、南は由梨に声を掛ける。


「ちょっとユーさん。こっち来てもらってもいい?」

「うん」


そうして、咲玖の部屋を後にする。そうして、由梨に向き直った南は話し始める。


「もしかして、お祭りに行くってなったら、その…」


周りを気にしながら由梨の耳元で話す。


「姉だとバレない?」


その言葉にハッと南の顔を見る由梨。


「空閑家の人達がたくさん集まるってなったら…バレないようにするには難しいと思うけど…」


そう言うと由梨は、腕を組んで考える。


「しかも、ウチも空閑の血筋だからその行事には参加しなきゃなんだよね」


そこに、南が質問する。


「去年まではどうやって乗り切ってたの?毎年恒例ってあるからその踊りも毎年だと思うんだけど」

「あの踊りって空閑家の子供が20歳になってから行う行事なの。それで、奈津女は今年からって感じなんだけど、あの子去年までずっと不参加だったんだよね。仕事が忙しい時期に開催してるから」

「でも、今年からは絶対参加になる…と。難しいね」


そうして、2人とも腕を組み考えているとドアが開く音がした。2人は同時に振り返り目をやると、咲玖が小さい声で


「奈津女の件について話してるとこ悪いんだけど、そろそろ戻ってきてもらえない?」


2人が話している間、奈津女は咲玖と二人きりで話すことが思い浮かばず、とても気まずかったのだった。そして、リビングに戻る前、南の左腕をグイっと引っ張った。左肩が下がった南はよろけたところで由梨が耳元で話した。


「当日。考えるから今は普通にしてて。お願いね。みなみん」


すると、由梨は何事もなかったかのようにリビングに戻りいつも通りふるまっていた。だが、南は…


「\\\\\」


頬を赤らめながら、その場に硬直していた。その様子に気づいた咲玖が南に近づき、話しかける


「どうした?」


すると、空気が抜けるように地面に座り込んだ。そして、ボソボソと


「あの呼び方…変えてもらおうかなぁ」


そうして、咲玖は南を連れてリビングに返ってきた。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ところで、夏祭りの開催日は現場集合にする?」


南が入れてくれたお茶とお菓子を食べながら由梨が話を切り出した。


「どうしましょうかね。私自身。会社のデスクワークと花弁祭りの準備でこれから忙しくなってしまうのですが」

「そっか~じゃあ変に遊びに行けないね」


南は話を聞いて腕を組んで考えた。すると、咲玖が曇りなき眼で奈津女を見つめ、


「でも、俺は奈津女にしばらく会えなくなるのは嫌だよ」


そう言った。由梨はプッと横を向きながら笑い、そんな咲玖を南が止めようとすると、少し大きな声で


「だから!もしよければ…一緒に祭りの準備してもいいかな」


その言葉に目を輝かせた奈津女は頭を大きく縦に振ったあと


「はい!人では多いに越したことありませんし!お願いします!」

「よ~し、じゃあ最初の準備は来週の月曜日だったよね?その日にここに集合って事で!」

(なんで準備の日付を知っているのでしょうか…)


そう奈津女が疑問に思いつつもその日はそのまま解散となった。

帰り道。由梨と奈津女が横に並んで帰っていると、ふと由梨が話し始めた。


「ナツ」

「?なんですか?」


道路側を歩いている由梨は遠くを見ながら話した。


「もしもさ、とっても仲のいい人が思ってた以上に近い存在だったらどうする?」


とても意味深に感じた奈津女は考えた末パッと思いついたことを言った。


「とてもその近い存在の距離によりますね。プライベートエリアがありますので!」

「え…アハハハそうだよね~」

(多分受け取り方違うけど、ナツなら分かってくれるはず)


そう思った由梨は笑顔で帰っていったのだった。

無事。19話まで書ききれました

次回はより詳しめにキャラクターについて書けたらと思います

今回も読んで頂きありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ