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16話 偶然

〈登場人物〉

空閑くが 奈津女なつめ 20歳

空閑くが 由梨ゆり  26歳

九十九つくも みなみ  ?歳

神楽かぐら 咲玖さく  170歳

朝の9時。

みんな4時ごろまで起きていたためか、まだまだ眠りについていた。

そんな中、奈津女は1人で館の探索をしていた。すると、キッチンを見かけて、中に入った。


「ここが台所ですか~きれいに掃除されていますね。さすが南さん」


そう言いながら、中に入る。台所はコンロが3つ。少し大きめの冷蔵庫が2つ用意されていた。


「右側にあるのは、冷凍庫でしょうか?さすがに、冷蔵庫は開けたくありませんね」


そう思いながら、探索を続ける。その隣には食器棚が続いており、奈津女はとあることを思いつく。


「みなさん。二日酔い防止などしたのでしょうか?していないとしたら、大変ですよね…南さんには申し訳ありませんが、勝手に台所。使わせていただきます」


そう呟きながら、玄関に向かって歩き出した。財布とカバン。上着を持つと、ガチャっと扉を開ける。

館にいる全員。その音には気が付かづ、まだ寝ている。

奈津女は最寄りのスーパーを検索して、そこまで歩くことにした。朝といってももう9時過ぎ。しかも月曜日であり、駅の近くである館の周りの人はとても少ない。


「・・・会社は…大丈夫でしょか」


いつもであれば、会社でパソコンと向き合っている時間だからか奈津女は会社の事が少し不安になってしまった。

そして、ついにスーパーに辿り着いた奈津女。自動ドアが音なく開き。陽気な音楽が店内に響く。

カゴを手に持ち、スーパーを回り始めて数分後。聞きなれた声が奈津女を引き留める。


「あれ?もしかして、奈津女?」

「その声は。姫宮さん!」


そう言って、振り返ると案の定奈津女の秘書。姫宮 椿がいた。椿は驚いた様子で、近づいて来る。


「ビックリしたぁーホントに奈津女だ~。今日あなたが珍しく仕事休むから…」

「あ、、あの。すみまs」


そう言おうとすると、椿は嬉しそうにこういった。


「しっかりと、休むってこと知ってるようで良かったよ!」

「え?」


奈津女は椿の方を目を丸くして見つめる。椿は、スマホを取り出して笑っていた。


「今まであなた、休んでこなかったでしょ。

だから、私も負けてられるか~と思って仕事してたんだけど、ふとこの前気づいたんだ。

『私と奈津女って休み使ってなくね』ってだから、元から今日は休み貰っててさ、奈津女にも休み取らせようって思ってたとこだったんだよね。

そしたら、こうやって嬉しそうに買い物をしようとしてる奈津女見かけてさ…めっちゃ嬉しかったんだよね」


そう話し終えると、深呼吸をしたあと、奈津女の方を見てから質問をする。


「ところで、奈津女。なんであなたが泣いてるの?」

「えぇ?分かんない…です」


そう言って、自分が泣いていることに気づいた奈津女。椿の話を一生懸命聞いていただけだったはずなのに…涙があふれ出てきていた。すると、椿は自分のカゴをその場に置くと、奈津女に優しく抱き着く。


「・・・」


椿も奈津女の首元で静かに涙を流していた。数秒後、奈津女の事を離してから奈津女に


「仕事とか家族とか。大切に思うのはすっごい良いことだよ。でもね。奈津女の人生は、そんなものよりも一番大切にしてほしい。だって、人生楽しまないと、仕事でお金貯めたって、家族を思ったって。自分が一番、可哀想でしょ。人生一度きり。楽しまなくて何になるの」


そう笑いかけた。目元の赤い2人はそのまま、買い物を続けることにした。


「ところでさ。奈津女はなに買いに来たの?」

「私は、友達の二日酔いに効く食材を買いに来ました。そういう姫宮さんは?」


そう聞くと、椿はカゴを奈津女に見せる。


「私。もう買う予定のものは全部、カゴの中に入れちゃったんだ。あ、そうだ。少し待っててくれたら、一緒に探すの手伝うよ」


そう言ってくれた。奈津女は頭を下げて、お願いした。すると、


「分かった~ちょっとまってて」


そう言って、レジの方へと消えていった。数分後。マイバックにか買ったものを入れた椿が歩いてきた。


「おまたせ~じゃあ買い物始めようか~」

「はい。お願いします」


奈津女は椿について行くと、まず初めにインスタント食品売り場に来た。


「まずは、簡単にでもしじみ汁ね。二日酔いの時は絶対これ!」


そうして、奈津女がしじみ汁を探して、カゴに入れる。そして、椿がとある質問をする。


「ちなみにさ、そのお友達は何時から何時まで飲んでたの?」

「え~っと。私、途中で潰れちゃったらしくって何時まで飲んだのか、的確な時間はわからないんですが、4時ごろに体が浮いたような感覚になったので、それまで飲んでいたのではないでしょうか」


そう言って話しながら、色々な食べ物を買ったのだった。

そして、無事すべての材料を買った2人はスーパーを出た。

そこで、椿は申し訳なさそうに、手を合わせて話した。


「ごめんね。本当は作るところまで手伝いたいんだけど、この後用事があってさ…一応、レシピは送るから頑張って作ってね」

「はい。ありがとうございます」


そう言って、椿とスーパーの出入り口で別れた。

椿が背を向けて歩く中で、その背中を奈津女は優しく見つめた後、ペコリと頭を下げたのだった。

今回は少し椿が活躍できてよかったです

今回も読んで頂きありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ

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