覚醒
Episode4 覚醒
どこだここ。草の音に鳥の声、、。
俺「はっ!!なんだここ!どこだ!。」
どこ見ても一面草原。
俺「クソーーー!リリカとかいうヤツめ!飛ばされたのか、、。」
俺はどうやら異世界転移をしてしまったらしい。
しかも俺は同意なんかしていないのに勝手に、。
俺「おーーい!リリカーー!でてこーーい!。」
何なんだよ、あいつは、俺をいろんな世界に飛ばすだけ飛ばしといていつも最後に、、。
リリカ「オヨビカ。オマエ。」
俺「おい、姿を現せ、話はそこからだ。」
リリカ「、、、。もーーう!うるさいわですけど!。」
俺「やっとか!。」
リリカ「話ってなになの?。」
俺「うん、そうだなぁ。まず、ここはどこなんだ?。」
まるで初めてやるゲームの一番始めに来るところみたいな場所だ。
リリカ「始まりの地と言ったらまずここに来るべしなのですわっ。」
俺「おい、俺も同じこと思ったけど、お前、、遊んでるんか?。」
リリカ「遊んでないのですます。貴方様は大馬鹿者さんで何より弱お虫なのですわっ。」
俺「おん、わかったよ。それは。俺の家族心配するから帰ろ?。」
リリカはなぜか笑い出した。
俺「おい、早くしろって!。」
リリカ「この世界は異世界ですのます。貴方様がいらした世界とは全くの別物でありますの。もちろん時間の流れも違いますわよ!。」
俺「そうなのか。って言っても誰もいない所で何するんだ?。」
リリカ「まず貴方様は何もスキルがありませぬわっ!。」
俺「おいおい!スキルって、。アハハ、リリカちゃんは面白いこと言うな~。俺の事監視しすぎて俺のハマってるゲームに洗脳されたか?もう、何言ってんだか!。」
リリカ「なーにー本気ですわもんっ!。スキルをある程度身につけないと貴方様はこの世界で生きていけませんですわっ!」
俺「はーい、せんせー。全く意味が分かりませーん。」
リリカ「大馬鹿者さんはこれだから手がかかりますのね!。見ていなさいであります。」
リリカはそういうと人差し指を前に出した。
俺「はいはい。」
俺は正直飽きれていた。
ん?なんだ?。
ピカッ ジューーーーーーーーーーーーーーーーッ
リリカの指先から光のようなものが出て、周りの草を焦がしていく。
おいおい、これじゃほんとに異世界に来たみたいじゃないのよ。
8Dという本当にその世界に行ったような気になりながらゲームができるコンタクトが今すごく流行っている。
今の光景はまさに8Dの世界にいるようだった。
余りの迫力に驚いて声も出せずにいた。
リリカ「なぁに?ビックリ箱を見たとでもいうお顔をしているわねっ。」
俺「ビックリ箱見た顔がわかんねぇ、。」
リリカ「これが光のスキルですます。。【デンコウランシャー】わよ、本気出せばもっと威力ありますの。」
俺「【デンコウランシャ―】?。」
なんだよ、それ凄すぎるじゃんかよ。
これは俺にも使えるようになるのか?
リリカ「貴方様が使えるかはわからないですますわっ。」
俺「だから俺の心をよむなっ、、ってそれもスキルか?。」
リリカ「ふふふっそうですます!。」
俺「ってか時間は?大丈夫なのか?。」
リリカ「何のことですますの?。」
俺「ほら、さっきはもう時間ないって言ってすぐカタコトな言葉喋るように戻ってただろ?。」
リリカ「ここでは平気ますのよ!私はここの世界の人間ですもんます!。」
俺「なんだよ。そゆことか。じゃ、さっそく俺にもアレ教えてくれよ。」
俺は今までにパラレルワールドやら異世界やら、とっくに頭が追い付かない状況を経験しすぎてかなり感覚が麻痺してきている。
リリカ「その前に。」
リリカはまた人差し指を立てて、光を出して、俺に首で何やら合図をした。
俺「なんだよ?真似すればいいのか?。」
リリカはうなづいた。
俺も人差し指を立てる。
ん?なんだ?生暖かい。
俺「お!おい!見てくれよ。俺にもついたぞ!。」
リリカ「当たり前だ。ここに来る前にお前に少し力を分けた。」
俺「え?なんか普通に喋ってない?。」
ってか、敬語になると変になるのか?
リリカ「今からリリカはお前の先生だからな。」
俺「めっちゃ、切り替え早いタイプやん、、。コレ、どうしたらいいんだ?。」
リリカ「飛ばして見ろ。」
俺「はぁ?いきなりそんなん言われても。鬼か!。」
リリカ「お前なら出来る。リリカが選び抜いた優秀な男だからな。」
俺「な、そんなん言われたら、、俺にもできる気がしてきた!。」
「行けーーーーーーーーーー!。」
ピカッ ジュッ
俺「へ、、、?。」
俺の指から放たれた光はすぐそばの草を少しだけ焦がしてすぐに消えた。
リリカ「まぁ無理だろうな。」
俺「はぁぁぁぁ?なんだよ。あんだけ出来るっとか言っといて!。」
リリカ「なぜ、今できなかったか分かるか?。」
俺「はい。わかりません、なんせ俺は初心者ですから。」
リリカ「一言でいえば、やる気だ。深く言えばお前がコレを何の為に出したいかだ。」
一言でいえばやる気なのに深く言うと、、?
いや、リリカの言葉を理解しようとしたらだめだ。
俺「何の為に、、?。」
リリカ「お前は何の為にここにいる?。」
何の為に?そんな事言われたって、、。
わからない。
そもそも連れてきたのはお前だろーよ。
[お兄ぃ、、。][健大―いつまで寝てるの?][今日の夜は焼肉に行こう][お前の事なんだかんだ一番信用してるんだよ。]
・・・絢、、お母さんにお父さん、、奏、、。
俺の頭の中に声が響く。
俺は、今まで何してたんだろう。
あの平和すぎるパラレルワールドに行って俺は完全に浮かれていた。
あの世界は違うパラレルワールドから来た俺がいるはずがなかった世界。
絶対に交わらないはずの世界。
俺はやっとあの世界に行ったのがなぜだが分かった。
俺はまた、あんな皆の笑顔を見たいんだ。
お母さんに怒られながら起こされて、口の悪い妹に馬鹿にされて、なんだかんだ俺の事を考えてくれてるお父さんがいて、大切な友達と笑いあって。
あの世界で俺が過ごした全ての出来事が幸せと感じれたように俺は俺が生まれた世界でまた皆と幸せになりたいんだ。
俺「リリカ、俺は皆とまた一緒に笑いあいたい。俺はその為に、、!。」
リリカ「さあ、もう一度やってみろ。」
リリカはすこし微笑んでいた。
俺はもう一度人差し指を立てた。
「オリャーーーーーー!!!。」
俺は今までの悔しさ等全ての感情を込めた。
ピカッッドッバンーーー
リリカが見せてくれた光の倍の光を放ち俺が立つ場所以外のすべてを焦がした。
焦げ臭さと共に目の前が風の威力で舞い上がった土で見えなくなった。
俺「ケホッゴホッおーーい!!大丈夫か?リリカー。」
リリカ「無事だ。お前、覚醒したな。思った以上の威力で感動したぞ。」
ようやくリリカの姿が見えた。
リリカは拍手をしながら満面の笑みを見せた。
俺「でもこれ、凄いな。草は焦げてるのに俺の指は全然こげてないっ!。」
リリカ「当たり前だろ!。放った本人が怪我をしてどうする。」
俺「確かに。、、というか、焦げちゃいましたけど、、コレ誰かにおこられますか、、?。」
リリカ「ここは始まりの地。誰の所有物でもない。だが元に戻すことはできる。」
俺「できるのか?。」
治癒力。ゲームの中でしか見たことないけど可能なのか?
俺「見せてくれ。」
リリカ「すまん。リリカには治癒はできない。」
俺「はあ?なんだよ。覚えたかったのに。」
リリカ「でも、お前なら出来るかもしれないな。」
俺「やり方はわかるのか?。」
リリカ「手のひらを上げて何かいうんだが、、わからん。」
俺「そこ大事なところだろ!。」
俺は手のひらを上げて〈元に戻れ〉とダメ元で願った。
シーーーン。
やっぱり無理か。
リリカ「おい、お前何した、?。」
俺「え?。」
あたりを見回すと、奥の方から草が元気を取り戻したかのようにぐんぐんと生えていきさっきまで暗かった俺の周りに明るさが戻った。
俺「で、、きた、、?。」
リリカ「お、、おう、、、。」
俺・リリカ「・・・。よっしゃーー!。」
リリカ「すごいぞ、お前!よくやった!できると思ってなかったんだが。」
俺「俺にできたぞ!治癒力手に入れたぞーー!。」
俺たちは子供の様にはしゃいだ。
それから俺にはまだできる能力があるかもしれないと、色々試した。
試してみるとこれまた驚き。
リリカの能力は俺に全て使えることが分かった。
リリカ「お前、もしかしたら全属性かもな。」
俺「全属性?あのよくゲームとか漫画で見るレアキャラじゃん!え?。」
リリカ「調子乗るな。まだ決まったわけじゃない。」
リリカは俺のおでこを軽くつついた。
俺「リリカさんよー、始まりの地?だっけ?いつここから移動するんですかー?。」
リリカ「そうだな。そろそろ行くか。」
俺「うん。どこに?一面草しかないけど?。」
リリカ「倫。」
リリカは片手を前に出し手を広げて何やら空中に円を描き始めた。
すると円を描いた空間だけが丸く黒く染まってまるで穴が開いたように見える。
俺「なんだその技、まるでブラックホールみたいだな。」
リリカ「これは空間移動【ダイラ】の空間だ。」
俺「【ダイラ】?へんてこな名前だな。テレポートじゃないのか?。」
リリカ「ダイラと名前が付いたのはこの世界で初めて空間移動を使ったのが、ダイランというお方だから。今は亡きダイラン様。リリカの一生の憧れでありますですわっ!。」
目を輝かせて言っている。
俺「なるほど。空間移動とまで言うのであれば、この中はどこかにつながっているのか?。」
リリカ「当たり前だ。タコ。」
俺「タコ?。」
リリカ「でもこの世界にある場所にしか行けない。」
俺「あ、ね。ってか、俺思ってたんだけど、この世界にそんな魔法使いみたいな人が沢山いるのになんでその人達は俺の世界に来てくれないんだ?助けたりとかさ?。」
リリカ「・・・・。」
ん?なんかまずい事言ったか、、?
リリカ「お前は本当に大馬鹿者なのか?行かないんじゃない。行けないんだ我々は。」
俺「なんで?。」
リリカ「そこまで言わないと分からないのか?。」
そういったがリリカは話してくれた。
リリカ「我々が行けたなら、わざわざお前をここに連れてくる意味がない。我々はこの世界じゃない別の世界でサークルという謎なものが出現して人々を苦しめていると情報が回ってきた。モニターでみれるからな。知ることができたのは我々からしたらお前の住んでいる世界は異世界になるからだ。我々の世界とパラレルワールドだったら知ることはできなかっただろう。その情報を聞きつけた我々は誰が一番先にあの異世界を助けて英雄となるかの勝負が始まった。皆、英雄になりたかったんだ。」
俺「優しい世界だな。それには、リリカもいたのか?。」
リリカ「もちろんいた。我々は英雄になる為に【ダイラ】を使ってその世界に行こうとしたがさっきも言った通り【ダイラ】ではこの世界の移動しか出来ない。だめだと分かり、我々は悩み抜いた結果、空想世界に入り込んでその中の一人にそれぞれ狙いを定め意識事乗っ取ることにしたんだ。だがお前の世界はすでにサークルの膜で覆われていて入り込めなかったんだ。」
俺「サークルに覆われてるって?。」
リリカ「あぁ。我々にも見えない膜で覆われていたんだ。空想世界に入り込んで乗っ取ればいいと一番乗りで気づいたリリカの親友のルルカは膜の存在を知らずに入り込み、追い返された頃には原型もわからない程の姿に変わり果てていた。後々これがサークルの膜で覆われてると知ったんだが。リリカはサークルが憎い。その痛々しい姿を見た他の人は英雄になることを簡単にやめていった。今じゃ異世界に出没したサークルの話はあの悲劇を生まないようにと、ここじゃ禁句になっている。」
俺「サークルって本当に一体何なんだよ!恐ろしい。、、、ん?でもなんであっちの世界にいた俺はリリカの声が聞こえてたんだ?。」
リリカ「それはリリカとルルカで作った空想のまた空想の世界から送った言葉だ。姿を出すことはできないが短い言葉とサークルのせいで完璧じゃないが幻想で作ったモニターは送ることができた。始めは遊びで作ったんだが、ルルカが残したものだ。」
俺「空想のまた空想、、。想像つかないな。」
リリカ「ルルカが亡くなった後、誰も近づこうとしないあの恐ろしい異世界にリリカだけは救うことを諦められなかった。ルルカの無念を晴らしたい。その気持ちで支配された。でもリリカはいけない。モニターで見てることしかできない。リリカは考えた結果やっぱりサークルの世界にいる人間をこっちに連れてくる必要があると思った。その為にはリリカと同じくらいの復讐心をサークルに持っている人をターゲットにして探す必要があった。お前に狙いを定めたころお前は不幸の連鎖真っ最中。ちょうどよかった。今の状況に平和な未来を連想させようとお前をパラレルワールドに移そうとした。」
俺「え?でも、サークルの膜が。」
リリカ「いや、平気だったんだ。異世界には行けないがパラレルワールドに飛ばすのはサークルの膜に引っかからなかったんだ。そりゃ、リリカも死ぬ覚悟はしたがな。」
俺「そんなリスクを背負ってまで、、。」
リリカ「そこからはわかるだろう?パラレルワールドにいるお前はサークルの膜にも何もとらわれていない。異世界に飛ばし放題ってことだ。」
俺「その方法なら他の人達も行けるんじゃないか?。」
リリカ「できるなら皆連れてきてるだろ。お前は極まれにいる異世界転移体質なんだ。他の人に同じ事したら皆、跡形もなくペシャンだ。」
俺「体質、、よくわかんねぇけど!俺、、、頑張るよ!。」
俺の言葉にリリカは静かにうなずいた。
大分話し込んだせいか、俺たちは少し疲れて寝っ転がった。
俺「今何時くらいだろう?。」
リリカ「ここに時間などという縛りなどない。ここ、始まりの地はずっと朝のような天気で保ち続ける。」
俺「寝れないじゃん。」
リリカ「お前は少し想像力にかけてるな。眠くなったらずっと夜の空間に行くだけだ。」
俺「家はあるのか?。」
リリカ「家はある。皆好きな時に好きな場所で寝て食べたいときに食べたいもの食べてなんでも自由だ。時間の進みもここはかなり遅い。」
俺「自由だな。」
スゥー―スゥーーッ
なぬ?寝息?
リリカは寝ていた。
疲れていたんだろう。
覚えたいことも沢山あるが俺も色々疲れた。寝よう。
ビー――――――――――
俺「あ?え?なんだ?!。」
俺は警告音のようなうるさい音で起こされた。
?「いつまで寝とるんじゃ。さあ、始めるぞ。」
誰だ?お爺さん、、。見たことがない。
ここは、、。
リリカ「んーーーっ!よく寝たぞ。お!ノン爺さん、ここまで運んでくれたのか?。」
ノン「そうじゃよ。始まりの地で寝るのは危険だとあれほど言っただろう。リリカ。」
リリカ「違う!違うんだ!この男に眠らされたんだ!。」
!!!何を?こいつは何を言ってるんだ?
ノン「そうじゃったのか?この若造やリおるのう。」
俺「おい!リリカ、お前が勝手に寝始めたんだろ!。」
ノン「人に向かってお前というなーー馬鹿もん!。」
俺「あ、、、すいません、、。」
くそぉーーあの女め、、。
ノン「こいつとあの女も禁止じゃ。」
この爺さんも心読めるのかよ!チートだろ!
リリカ「ノン爺さんーーー、会いたかったぞーー!。」
リリカは爺さんに抱き着いた。
ノン「ワシもじゃよ。リリカ、この若造かね?ワシに育ててほしいというのは。」
リリカ「そう。長瀬健大だ!。」
ノン「あぁ?なんて?。」
リリカ「この世界の人じゃない。リリカがあの場所から連れてきたんだ。」
ノン「珍しい名前だと思ったらそうか。わかった。おい!若造!ワシはノンバティーという。ノンと呼んでくれ。」
俺「俺は、健大です。あのここは、、?」
ノン「ケンタか。ワシの家じゃ。どのくらいできる若造なのか見せてもらうぞ。」
俺「え?何を?すれば?、、、ウワッッッ。」
俺は考える時間もなく強い光のようなものに包まれた。
リリカ「ついたぞ。」
俺「ここは、?。」
ノン「バトルセンターじゃ。」
まるで都会のようなビルが沢山並んでいる。その中でもずば抜けてキラキラと輝いた建物を指してノンはそういった。
俺「バトルセンター、、?」
いやいや、名前的にアウトだろ!戦うのか?
俺まだ覚えたてだぞ?これってデスバトルじゃないよな、、?俺まだ死にたくないぞ、?
ノン「デスバトルじゃないぞー!。」
ノンとリリカは大笑いをしている。
こいつら、俺の心勝手に読んで馬鹿にしやがって!
リリカ「よし、まずは見学行く!。」
リリカとノンに連れられて俺はバトルセンターへと足を進めた。
それにしても、本当にすごい。
ビルだけ見ると都会だが車は走っていない。もちろん信号もない。
人は沢山いるがたまに浮いている人もいる。
俺「おっ?お祭りか?。」
ノン「違う。あそこは武器職人たちが競い合う場所じゃよ。」
リリカ「リリカ今日は負けたくない!。」
俺「武器職人なの?。」
ノン「リリカ、ケンタは何の武器なんじゃ?。」
リリカ「あはははーーー、、えーーっと、、忘れてたぞ。」
俺・ノン「おい。」
ノン「リリカ、バトセンは武器必須じゃよ。」
俺「そんな事、きいてませーーん!。」
リリカ「リリカが選び抜いた逸材だぞ。武器などいらん。」
俺「あっれーー?リリカちゃーーん?お目目があちこちしてますよーーって。」
リリカ「お前はリリカに一切の侮辱を禁ずる!。」
俺「あ、はい。さーせんしたー。」
おい、ノンさんよー今リリカはお前って言いましたよーー?
え?今、ノン目そらした?
武器職人たちの競いの場では、振り切った風速だけで切れるだの、誰が握っても残像を残してくれる武器だの恐ろしい話が飛び交っていた。
そこを抜けるとすぐにその建物は目の前に来た。
俺「なんだこりゃ。」
俺が思わずこう口にしたのも無理はない。
バトルセンタ―と呼ばれる建物は全てが金色に輝く花で埋め尽くされていたのだから。
見上げるとビルの上には巨大なモニターが中の様子を映しながら浮かんでいる。
モニターの中では赤と青に分けられた人たちが何やら披露していた。
ノン「盛り上がっとるのーー。はよ、行くよ。」
俺「おいおい、待ってくれよ!俺は何すればいいんだ?まだなんも聞いてないぞ。」
リリカ「行くぞ。」
俺「いやだーーー。」
俺はノンとリリカに引きずられるように中に入った。
受付「ようこそ!ってノンバティー試験監!今日はお休みですよね?。」
ノン「今日は見学者を連れてきたんじゃ。まだカードを持っていない。通してくれ。」
リリカ「通るぞ。」
受付「はい、ぜひ楽しんでください。、、ってリリカ様?なぜここに、、。見学者の方っていったいどんな方なのかしら。」
通りずらーー。この人思った事全部口に出るタイプじゃん。
何か二人と知り合い見たいだし。
きまずっーーー。
リリカ「おい。早くしろ。」
俺「は、はい。失礼しまーーす。」
受付「なんだ。普通そうなガキね。」
クソアマーーーー!口悪いな。
俺は受付嬢に懇親の睨みをきかし、映画館の入り口のようなゲートをくぐった。
会場に入ると中は真ん中に丸い円があるだけでガランとしていた。
俺「これ立ち見?。」
リリカ「自分で空間から出して皆座ってみるんだ。試合が始まる直前になると皆【ダイラ】でここに来るから、今のうちに座っとけ。ほんとの立ち見になるぞ。」
俺「どうやって取り出す、、?。」
ノン「座りたい形や色を想像してみるんじゃ。なるべく正確にそんで【ダイラ】で空間を作り手を入れてみるんじゃ。」
そういったノンはバランスボールのようなものを取り出して座った。
俺の家の椅子、、、、。
俺「おっマジか。家の椅子だ、、。ソファーの方がよかったな。まぁ、いいか。」
ノン「おっ、見ろ。次はガイザーの番じゃ。」
俺はガイザーと呼ばれたその男を見て心臓がドキッと大きく鼓動した。
さ、悟さん、、、?
リリカ「ノンの弟子だ。しっかり目に焼き付けろ。」
なんで悟さんがココに?しかも身体つきが異様に変わっている。
ボディービルダーでもやっているのかと思わせる筋肉で全身が引き締まっていた。
リリカ「おい、聞いているか、。」
俺「あ、、はい。」
リリカ「どうした?言ってみろ。」
俺「い、、いや、なんでもありません、、心読めるんでしょう?。」
リリカ「聞こうとした時以外は聞こえない。」
俺「なるほど、、。」
俺は言わなかった。
もしかしたらこの世界でただ滅茶苦茶似てる人かもしれない。
俺のいた世界の悟さんがこっちの世界に来ているのは可能性低いか。
しかもあんな胸板も厚くなかったし、足も筋肉で覆われていなかった。
危ない。危うく人違いで恥ずかしい思いをするところだった。
俺「え、、?」
気づくと会場の中は沢山の人に埋め尽くされていた。
?「お兄ちゃんはガイザーファン?。」
隣に座る少し悪そうな男の人が話しかけてきた。
俺「い、いや、、今日見るの初めてで。」
?「そうかそうか。今日はガイザーの新技が見れるって、この人よー。」
俺「そうなんですね。す、すごい。」
アナウンサー「お待たせしましたー。いよいよガイザーさんの入場です。」
アナウンサーの人はどういう技をつかっているんだか分身しているように見える。
「キャ――――フゥ―――――――!!!!」
沢山の黄色い声が飛び交う。
音楽と共にガイザーが【ダイラ】を使って現れた。
悟さんのしか見えないが、悟さんじゃない気もする。
ガイザーが現れるや否や拍手と共に会場のテンションは最高潮に上がった。
だがガイザーがマイクを取り出し、話始めると会場は静まり返った。
ガイザー「今日はこの場をお借りして新技をお店する前に皆さんにお話があります。」
この声、悟さんとそっくりだ。
ガイザー「私は今ガイザーと名乗っていますが、本当の名前は、木林悟といいます。」
その言葉に会場がどよめくが一番衝撃を受けたのはおそらく俺だろう。
開いた口がふさがらないという言葉が今の俺にはピッタリだった。
ガイザー「少し長くなりますが私の話に、お付き合いください。私は、元々皆さんがよくご存じであるルルカさんの亡くなった原因のサークルの世界にいました。この世界からしたら異世界に当たる一世界です。私はそこで生まれ育ち、綺麗な奥さんと結婚し可愛い子供が生まれ、一生をそこで過ごすのが当たり前だと思っていました。ですが突然にその当たり前は私から奪われました。サークルが現れたからです。サークルは何も予告なんてしてくれません。突然に私の家族を思い出の詰まった家ごと飲み込んでしまいました。私はそれから愛しい我が子を抱きしめる事が出来なくなったんです。それは私にとって死を宣告されたも同然でした。」
悟さんは我慢ができずに泣きながら話していた。
ガイザー「それからの私は抜け殻状態。何もやる気が起きませんでした。それでも何かしていないと気がまぎれずにいた私はサークルが出た場所に手当たり次第に行きサークルを調べ始めました。そんな日々が続いていたある日、私は幼馴染の家が飲まれたと泣いてサークルに入っていこうとしていた少女とその兄と出会いました。サークルは危険だと伝え、話しているとその子らのお友達が三人ほど来て私たちは情報交換といって喫茶店で話し合った。私は正直皆が欲しい情報等つかめていなかった。だけど純粋な彼らは私の話を聞いてくれ今知ってることを教えてくれた。その帰りだ。私は突然の激しい頭痛に襲われた。立てなくなり次第に意識もなくなった。気づくとこの世界にいた。この世界で私を拾ってくれたのはこのお方です。」
ピカッ
俺の隣が照らされた。
ガイザー「ノンバティー師匠。」
ノンが少し照れながら軽く頭を下げると再び会場からは拍手と歓声が上がった。
ガイザー「ノン師匠はこの世界をなんも知らない私に沢山の事や武術や技などを教えてくれました。そのおかげで今の私はいます。今までサークルは私の元々いた世界のパラレルワールドから来ていると思われていましたが、サークルはこの世界の少し遠くにある異世界から送られて来ている事がわかりました。その世界には魔人が沢山いて人間の魂を食べていると噂されている程の恐ろしい世界です。正直私の家族の無事は立たれていると思うのが普通です。それでも私は助けたい。生きていると信じたい。長くなりましたが、私は今までサークルに対抗できるようになりたくて日々励んでいました。でもここからは皆さんの協力がないといけないんです。今からお見せする技は皆さんにも是非取り込んでもらいたい技です。それでは始めます。」
ガイザーはそういうと両手を前に伸ばし光を出した。
その光は凄く綺麗な透明感のある澄んだ青色をしていた。
ガイザー「この光は生命エネルギーと呼ばれるもので皆さんの中にも必ずあります。しかし、この生命エネルギーは私の中の生命エネルギーを出して少し手を加えたものです。契約です。私はこの力はサークルの世界に行った時にしか使わないと契約を交わしました。」
会場は少しざわつき始めた。
「契約?」「でもルルカがあんな悲惨な目にあったのに。」「私はいけないわ。」
様々な意見が飛び交う。
ガイザー「これは、私の我がままだ。協力してもいいという人だけ立ち上がってくれ。」
俺は一番のりで立ち上がった。
ガイザー「君、、、、、健大君、、、。」
俺「悟さん!俺はついていきます。そして一緒に帰りましょう。」
悟さんは足の力が抜けたようにその場に膝をついた。
ガイザー「健大君、君は覚醒したんだね。オーラが違うよ。」
俺は笑顔で悟さんにうなづいた。
俺の姿を見て次々に色んな人がたと上がり始めた。
ガイザー「皆、、ありがとう。ありがとう。異世界への出発は二か月後だ。それまでに各自極めてくれ。」
「おおおおおおおおぉぉぉぉー!!!!。」
沢山の完成と共にガイザーの演説が終わった。
すると次々と人がいれ変わっていく。
俺「なんだこれ。」
リリカ「次はバトセンだ。見たい人が次々入れ替わっていくんだ。」
俺「バトルセンター?。」
ノン「戦い合ってセンター(トップ)を決めるんじゃ。」
俺「あ、その略なんだ、、。」
リリカ「せっかくだから見てから行きたいが、二カ月しか時間がない。これから並大抵の『努力』じゃ通用しないぞ。」
「次はーー!ミーサ対トンローです。」
ノン「ほら、行くぞ、ケンタ。」
俺「お、、おう、、。」
今、、一瞬、、美琴がいたような、、気のせいか、、。




