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サークルヴィレッチ  作者: 遠藤木の葉
3/5

覚悟

 Episode3 覚悟

ムシムシしてる。

嗅いだことのある匂い、安心感、落ち着く。ここは俺の部屋なのか?

フワフワな生地に太陽の香りがする。そう。これは俺の布団だ。間違いない。

俺「はっ!なんだここは、、って俺の家か?。」

母「健大―――!朝ご飯よ!降りてきなさいー!。」

下からお母さんの声、?。どうなってんだ。

サークルで家ごと飲み込まれたはず、、、。

母「健大――――!聞こえてんの?部屋まで行かないと起きれないのー?。」

この声は確実に俺のお母さんの声だ。

俺「今すぐ行く!。」

俺は大きい声で返事をした。

階段を降りていくにつれて甘い香り。これは卵焼きだ。

妹「ママの卵焼き、ほんと美味しい!」

母「ありがとう。あら健大、今日は起きてくるの早いのね。」

あれ、、俺が繰り返した朝の会話と違うな、、。

な、、これは現実なのか?俺はまだ夢を見ているんじゃ、、。

だってそこには、そこには、、、。

俺「絢、、お母さん、、お父さんも、、?。」

俺は急に涙が溢れだした。

もう会えないと思っていた家族の姿があったからだ。

絢「お兄ぃ、怖い夢でも見たの?ウケル。」

絢は腹を抱えて笑い出した。

母「健大?どこか痛いの?。」

父「男が泣くな!健大!今日は誕生日だろう?。」

誕生日、、、?

あぁ、今はそんなんどうでもいい。

俺は皆の声を聴いて余計に涙が溢れた。

俺は泣きながら聞いた。

俺「皆、サークルに飲み込まれたんじゃないの?。」

絢「ねぇ、ママ、、お兄ぃ完璧寝ぼけてるって。」

絢はまだ笑っている。

母「サークルって何よ。健大。」

お母さんも絢につられて笑っている。

俺「はぁ?笑うなよ!あんだけニュースでも新聞でも取り上げられてただろう?。」

俺は少し声を張り上げていった。

絢とお母さんは突然の俺の張り上げた声に少し驚いていた。

母「パパ、健大、病院連れてくわね。」

父「あぁ。昨日までは普通だったのにな、熱あるか?。」

俺「おい、これは夢か。?ふざけんなよ!なんなんだよ。」

嬉しいはずなのにこの状況が飲み込めなかった俺はついつい当たってしまった。

俺はお母さんとお父さんの言葉を無視して自分の部屋に駆け込んだ。

何なんだよ。みんなして。

あんなことがあったのに忘れたかのような態度だ。

ってあれ?俺の家ごとサークルに飲み込まれたよな?

なんで俺もここにいる?

俺も飲み込まれたのか?

あぁ、どうなってんだ?わかんねぇ。

プルルルル、プルルルル

俺のスマホが鳴った。

俺「わぁぁ、ビックリした。誰だよ?。」

スマホの画面を見て俺は目を見開いた。

宮野奏、、、、。?

俺「もし、、もし、、?。」

奏「よー!健大、誕生日おめでとう!。」

俺「、、、お、おう、、?。」

奏「って元気ない?どうした?。」

誕生日、、?

なんだ?誰の誕生日だ?

俺の誕生日は終わったよな?

まぁ、とりあえず奏は生きてたんだ。

俺「奏か?なぁ、奏なのか?。」

奏「メンヘラかよ!。」

俺「奏だよな?本物だよな?。」

奏「逆に偽物いるの。連れてきて。」

俺「奏だ、、無事だったんだな、、。」

奏「何がだよ!昨日も遊んだだろ、あほっ。」

俺「なぁ、なぁ?奏、、奏のお父さんは?。」

奏「はい?今日、どうした?健大。」

俺「いいから!。」

奏「今、出張中だけど、、、?。」

出張中、、、?生きてるのか?

どうなってんだ?絢もお母さんもお父さんも無事で奏もピンピンしてるし、奏のお父さんも、、出張中だと、、、?

奏「なんだよー!なんかあったん?。」

俺「それってさ、、、神奈川だったりする?。」

奏「なんで、、知ってんの?。」」

電話越しでもわかる。奏はきっと眉間にしわを寄せて怖い顔をしてるに決まっている。

俺「い、、いや!すごいっしょ!最近メンタリストになろうかと、、あはははー。」

俺は、半ば強引な嘘をついてしまった。

奏「ついに頭、逝っちゃった?ご愁傷様です。チーン。」

俺「おい!!。」

俺たちは電話越しに笑いあった。

いつもの奏だった。

そういえば、、喫茶店は無事なのか?

俺「奏のお母さんは元気か?。」

奏「何?次は俺のお母さん狙ってんの?。」

俺「違うわっ!!。」

喫茶店の事は聞けなかったがこれで分かった。

奏のお母さんも喫茶店も無事だ。

奏「なぁなぁ、それより健大、今日誕生日だろ?夜はどこか食べに行くのか?。」

俺「誰の誕生日だ?。」

奏「はい?お前だよ!。」

俺「何言ってんだよ!もう誕生日は過ぎたよ!。」

奏「あれ?健大って、5月3日じゃなかった?。」

俺「そうだけど、、?。」

奏「なんだよ!やっぱ今日じゃんっ。俺をだまそうとしてもっー。」

奏は何か言っていたが俺はそれどころではなかった。

急いでスマホを見ると5月3日と書いてあった。

俺「どうなってんだ、、?。」

奏「何がだよ!マジで大丈夫か?。」

俺「今日は西暦何年だ?。」

奏「3064年だけど、、。」

俺はやっと大きな異変に気が付いた。

俺「掛け直す。」

すぐに電話を切り階段を駆け下りた。

俺「お父さんーー!。」

父「おっ!なんだよ。」

お父さんは新聞を読みながら俺に答えた。

俺「今日俺の誕生日じゃん?夜は焼肉?。」

父「そうだなー、焼肉行こうと思ってたけど、嫌なのか?。」

まさか、、、。

俺「焼肉・仁義?。」

父「絢も好きだから、そこにしようと、、?なんだ?ほんとどうした?。」

仁義には絢の好きなお兄ぃさんがいる。

絢「お兄ぃ、私達の会話盗み聞きしてたんでしょう!。」

これは戻ってる。いや、会話も何も違う。戻っているわけではない、、。

俺「ちょっ、新聞見せて。」

新聞にはサークルという言葉も、行方不明者も何も書かれていなかった。

日付は3064年5月3日と書かれていた。

父「なんだよ健大。お前、おかしいぞ?少し横になってゆっくりしなさい。」

母「そうね。朝ごはんは冷蔵庫に入れとくから。」

俺「う、うん。」

俺はリビングのドアを閉めて自分の部屋に戻ろうと、階段を登ろうとしていた。

その時テレビから聞こえた内容に思わず足を止めた。

テレビ「あなたは、信じますか?100年前に実在したと言われているサークル。その原因は未だに何もわかっていないんです。今では幻とまで言われているサークルですがー。」

時間が止まった気がした。

絢「こーゆー番組、ほんとママ好きだよねー!。」

母「さっき健大もサークルがなんだかんだって言っていたけど、あの子勝手に録画みたんだわ、もうー!。」

絢とお母さんの会話を聞いてまさかと思っていたことが確信に変わった。

パラレルワールド、、、。

俺の頭に真っ先に浮かび上がった。

俺自体、しっかりとここに存在している。

皆と会話もできる。今日は5月3日。

これだけで十分だ。ここはパラレルワールドだ。

あきらがいつだか言っていた気がする。

もう一つの並行世界。

俺がいた世界と同時進行している世界。

ここはサークルが再び現れなかった世界。

こっちにいた俺はどこに行ってしまったんだろうか。

なんで俺はここに来たんだ?

どうやって来た?

いつまでここにいれるんだ?

あっちの世界でサークルに飲み込まれた俺の家族はどこにいるんだ?

そういえば悟さんは?

美琴やあきらはあっちにいて平気なのか?

何を捨ててでも助ける。俺がこの世界を変えてやるとまで覚悟を決めていたはずなのに、

皆が無事でいてくれてるこの世界に俺は【ここにいたい】と強く思ってしまっている。

そんなことを考えながら、自分の部屋に戻った。

俺「まぁ、いいっか。頼んだぞーそっちの俺。」

1人気にそう言って俺はベットにダイブした。

俺「あぁぁぁぁぁー幸せだーー!いい匂いだ!俺の布団―――!。」

俺はテンションが上がり布団の上で喜びをかみしめた。

絢「お兄ぃ、うるさーーい!。」

下から絢が叫んでいる。

俺「はいはいーすいませんねーー!。」

幸せだ、幸せだ。別に何かをやり遂げたわけでもないのに、幸せだ。

ピーンポーン

家のチャイムが鳴った。

母「健大――!お友達来てるわよーー!。」

友達!?奏か?かけ直すの忘れてた、、。

俺「俺の部屋まで来てって言ってー!。」

少しして美琴とあきらが俺の部屋に入ってきた。

美琴「誕プレーー!おめでとっけんちゃーーん!。」

あきら「俺からも!おめでと!」

二人は俺にプレゼントを渡してくれた。

俺「二人とも!ありがとう!。」

俺はまた泣いていた。今日は涙腺がほんとに弱い。

俺「嬉しい。マジでありがとう。」

美琴「泣くほど、、?」

美琴とあきらは俺の涙を笑ってくれた。

それから三人で、長期の休み開けたらまず何の学食、食べる? など高校生らしい会話で盛り上がっていた。

奏も来てくれて、俺たちはひたすら話しこんでいた。

夕方になり三人は帰っていった。

絢がいっちょ前にお化粧をした後、家族で焼肉を食べ、サプライズで美琴と奏とあきらがケーキを待ってきてくれた。俺はなんとなく予想できていたからそこまで驚けなかったがそんなこんなで一日が終わった。

おいおい、この世界最高じゃないの!

滅茶苦茶楽しいぞ。

誰もいなくならない、サークルなんて幻とまで言われてるし、俺マジでここにいたい。

いや、ここにいよう。

心の中でそう呟いて、俺の誕生日は幕を閉じた。

その次の日、なぜか絢の幼馴染の智也君の家にテレビ取材が来ていた。

芸能人も来てたみたいで、外はガヤガヤしていた。

絢「お兄ぃー。智也君の家見に行こーよー。」

絢は起きてからずっとこれだ。

昼ごはんを食べている俺にずっとねだってきている。

俺「うるさいって。俺今ご飯で忙しいの!。」

絢「知らないの?今ね?大人気女優の張本楓が来てるんだよ?。」

俺「なぬ?、、、。」

張本楓は俺の中で今一番結婚したいランキングで見事に一位に輝いている。

流石に行かないわけには行かない、、。

俺「ちょっと待ってろ!ご飯食べちゃうから!。」

絢「マジ?なんで急に行くってなったの?。」

絢はニヤニヤしながら聞いてくる。

俺「ほ、ほら危ないだろ?人混みすごいらしいし!。」

絢「ゆったって、ここの裏だよ?。」

クソ、、ケラケラと笑い始めた。

俺「ふーーん!じゃあ、一人で行けよ!。」

少し意地悪言いすぎたか?、、、。

絢「わかった!行ってきまーーす!」

な、、なぬーーー!行くんかいっ!

だったら初めから一人で行けよ!

俺「オイ!お、、俺も行こうかな?。」

食べ終わった食器を流し場に持っていきながら俺は絢に声をかけた。

俺「絢、、、?。」

絢の声は聞こえない。

俺「アイツーーーー!行きやがったな!この可愛くない妹め!!。」

俺は絢のあとを追いかけるように家を出た。

うわ、、こんな細道で規制かかってるよ。

でもそりゃあそうか。

だってあの楓様がきていらっしゃるのだからな!

それにしてもほんとにすごいな人混み、、ん?、、。

人混みの中で俺は知っている後ろ姿を見つけた、、。

俺「悟さん!、、、。」

俺は思わず声をかけてしまった。

悟さんは娘を肩車していた。

悟「、、、?どちら様でしょうか?、、。」

俺「え?、、、。」

悟は俺の事を不信な目で見ていた。

俺「あ、、あの、、長瀬健大です、、。」

悟「一度どこかでお会いしましたか?すいません。覚えていなくて、、。」

悟さんは俺に申し訳なさそうな顔を見せた。

娘「パパ?、、?。」

そうか、この世界はサークルが存在していない世界。

俺と悟さんはサークルで知り合ったんだ。

この世界で悟さんが俺を知っているはずなんてなかった。

ついつい嬉しくてすっかり忘れて話しかけてしまった。

俺「あ、、すいません。人違いです。。」

悟「ん?でも君は私の名前を知っていたよね?。」

なんていえばいいんだ?

あっちの世界で知り合ったんですよなんてとても言えない。

頭がおかしい人だと思われるじゃないか。

俺「あ、あの、、俺にも妹がいて前に、あの、、公園で、、。」

俺のとっさについた嘘は流石に内容が適当すぎた。

悟「あぁ、、。そうなんですね。すいません。健大君かな?覚えたよ。」

あれ?いけたか?、、?

娘「パパ??。」

俺「あ、、あの娘さん可愛いですね!。」

さっきの自分の言葉を取り消すように違う話をした。

悟「はい!可愛いです、、命よりも大事な娘です。」

娘「パパ、見えない。」

悟は娘を肩車から下ろし、抱きかかえた。

悟「顔は奥さん似なんですけどね、この鼻の部分だけ私に似てるんですよ。」

娘「見えない、、。」

悟さんはあっちの世界では考えられないほど幸せそうな優しい顔をして笑った。

悟さんってこんな顔するんだ、、。

俺「めっちゃ可愛いです!そういえば家近いんですか?。」

悟「全然!近くないよ!今日は娘が飛行機展示会に行きたいって泣いてね、はるばる車でこっちまで来たんだ。飛行機展示会に歩いて向かってたら、周りの人がここの近くに芸能人が来てるって噂してたから、見に来たんだ。でも人が多すぎるから戻るかな。」

娘「パパ、肩がいいー。」

俺「そうなんですね!すいません、足を止めてしまって。」

悟「いやいや、平気です。では、またどこかでお会いした時にお話ししましょう。美沙ちゃん行くぞーーー!」

娘「行こーーー!。」

悟さんは幸せそうに去っていった。

そうか。

偶然会ったんだ。

あっちの世界でも偶然。

最後に白紙の名刺を置いてったのは謎だったけど、あんな世界一幸せそうな悟さんが何かをしたりするような人には改めて思えない。

もうこの世界で悟さんに会うことはないだろうなぁ。

絢「お兄ぃ?何してんの?。」

俺「え?あぁ、、知り合いに会って話してたんだ。」

絢「早く行くよ!マジ可愛かったから!。」

俺「は?お前先に見たんか?。」

絢「だってお兄ぃ、遅いんだもん!。」

俺たちは智也君の家につきお目当ての楓様を拝むことができた。

智也君は今俳優の卵で今それなりに有名らしい。顔もかっこいい。

今日は、智也君の家を訪れる企画で来ていたと知った。

俺たちは満足して家に帰った。

俺は家に着くなり漫画を読み漁った。

俺「一日って早いなぁ、、。」

もうすっかり夜になり、ベットの上でつぶやいた。

今日は、楓様に会えた事よりも、悟さんに会えたのが嬉しかったなぁ。

美沙ちゃん?だっけ?可愛かったなぁ。

ホント、この世界って皆幸せなんだな。

サークルなんて、、、。

いやもう忘れよう。

まだここに来て二日目か。もう何日もいるような気がする。

そっか。サークルのおかげで、何気ない俺の送っていた日々が幸せだと感じるようになったのか。

あっちの俺、頑張ってるかな。

もしかしたら、サークル無くなったかな?

それはないか。

寝よう。

俺のパラレルワールドの二日目が終わった。

それからも俺はこの世界を全力で楽しんだ。

家族皆で旅行に行ってかき氷を食べて花火を見たり、奏と一緒に魚釣りに行って帰りに奏のお母さんの喫茶店で時間を忘れたかの様に語り明かしたり、美琴とたまたま道で会った時には今流行りの色が変わるアイスを一緒に食べたし、あきらん家に行ったら美琴と奏がいて四人であきらのお父さんの研究室に忍び込んで色んな研究機械に触れたり、使ったりしたりと俺は全力で楽しんだ。

サークルってどんな色してたっけ?

そんなことを俺は今聞かれたら多分答えられない。

あれから何日、いや、何か月たっただろうか。

長期の休みが明けて高校生活もスタートして、かなり充実した生活を送っていた。

俺はあっちの世界の事をすっかり忘れていた日の夜の事だった。

母「健大――!夕飯の食器片づけてって言ったじゃない!。」

俺「おーーーすまん!試験勉強で忙しんだよ!。」

母「もうー!。」

なんちゃって。

ゲームで忙しいんだ。

俺は部屋で今ハマっているゲームをしていた。

一時間位たったか。俺は眠りについていた。

?「オイ、、オイ、、。」

俺「ん?なんだ?。」

?「オマエ、カクゴ、シタハズ。ワスレタ、オマエ。」

俺「お前か。久しぶりだな。」

真っ白な世界。前にも一度経験をした。

俺「でも、俺は君に感謝しているぞ。姿は見えないけど!。」

?「・・・。」

俺「こんな幸せな世界に送り込んでくれるとは。」

?「オマエ、ダメナ、ニンゲン。」

俺「はぁ?何のことだよー。俺は今幸せなの、邪魔するな。」

?「ホントニ、ソレデイイカ。」

俺「あぁ、サークルも出ないし家族もいる。奏も奏のお母さんにお父さんもいる。あんな恐ろしい出来事なんて初めから起こっていなかったんだ、しかもな聞いてくれよー奏のお母さんーっ。」

?「コレ、オマエ、ミル。オナジコト、オモウカ。」

姿の見えない声は俺の話をさえぎってそういうと、目の前にモニターが現れた。

警報音が鳴り響く。

モニター「逃、、げ、、ろ。。ここにもサークルが。」

モニター「もう無理だ、、この国は終わる、、対処法はない。」

モニター「『サークルの出現スピードが速くなっています。皆さん今すぐ逃げてください。』」

モニター「おかあさーーん、、おかあさーーん。」

モニター「近づくな。溶けてしまう。」

モニター「いやぁーーーーーーーー!。」

俺「もう!やめてくれ!」

俺はモニターから目を背け大声を荒げた。

ずっと忘れてはいけないとわかっていたのに、今の自分の幸せに溺れて忘れているふりをしていたんだ。

?「ナゼ。コレガ、ホントウノ、ゲンジツ。」

俺「もう、、もう、やめてくれ、、。もう十分なんだ。つらい思いするのは。大切な人達が目の前でいなくなるのは、、もう、、もう、たくさんなんだ!。」

俺は昨日の事の様に鮮明に思い出した。俺のいた世界で起きたことのすべてを。

でも俺はここにいたい。皆と平和なこの街に。

?「ダカラ、ミステル。オマエ、タスケル、デキルノニ。」

俺「見捨てる?ハハッ違うよ。今、俺の目の前にある皆の幸せを見守ってるじゃないか。しかもなんだ?助ける事ができるって?俺に?。」

少し挑発的な態度をとってみた。

?「オマエ、エラバレタ。オマエ、カクゴシタ。」

俺「誰にだよ!お前はどうせ全部見てたんだろ。ならわかるだろ?俺は何をした?なんもしてないよな?誰か助けた?できなかったよな?俺は結局何もしてないし、できなかったんだ。でも、、でもそれでも諦めなければ救えると思った。何かできることはまだあると心から信じてたんだ。だからあの時に俺は覚悟をしたんだ。バカみたいな何の根拠もない覚悟を。」

言葉が何も考えずにスラスラと口から出ていく。

?「オマエ、マチガッテナイ。アノヒノ、オマエ、カクゴ、ホンモノ。」

俺「何が間違ってないんだ?間違えだらけだ。」

?「オマエ、デキル。」

俺「俺はできないんだよ!。」

俺は下を向いた。

ん?足?え?足が見える。

白い靴に白いタイツを履いて白いフワフワのワンピースを着た、、女の子?

バチンッツ

?「貴方様は大馬鹿者のお馬鹿でいらっしゃるのかしら?!弱お虫なのかです?!。」

俺「え、、?誰、、なんて?、、。」

俺はビンタされたほっぺを抑えた。

?「私はリリカと申すのであります!貴方様の大馬鹿者さに頭がカチンなのですわ!。」

はぁぁ?誰なんだよ。へんてこな日本語しゃべってるし。

俺「リリカ?どっから現れたんだよ。痛いし。」

リリカ「ずーーっとここにいたましたわっ大馬鹿者さんっ!。」

俺「その呼び方やめてくれ。、、、ってまさか俺が今まで話してたのって、、。」

リリカ「やっとお気づきましたのですねっ。大馬鹿者さんの事はよくご存じっていますですわ。」

俺「ご存じっていますって、、。」

リリカ「あら、お時間が、おありませぬわっ。とりまえず、大馬鹿者さんは、もうこの平和パラレルワールドからお姿を消えなさいです。大馬鹿者さんのお助けをお待ちしてくださっている人が沢山いらっしゃいますです。」

俺「いやいや、日本語がおかしくて何も入ってこないんだが。」

リリカ「もう、大馬鹿者さんのご意見をお聞きしている場合じゃないわですの。大馬鹿者さんはこのお世界からサヨナラして、人を助ける為に強くおなりなさい。大馬鹿者さんは異世界転移適正試験にクリアしていますのわっ。さあ、お行くのです。では!。」

俺「おい!どういう事だよって、、いない、、クソッ。」

何なんだ?あのよくわからない生命体。日本語下手すぎだろ。

異世界転移適正試験ってなんだ?勝手に試験したのか?

でも異世界、、、!転移、、少し興味はあるぞ、、!

行くか?いやいや俺、よく考えろ。こんな幸せな生活俺が捨てるわけないだろ!だって皆いるんだぞ?皆笑ってる世界。俺が求めていた世界だ。

でも、あっちの俺の家族はいないんだよな。でも、俺には何もできないし、、。

でも、今も沢山の人がサークルで苦しん出るんだよな。でも、サークルに勝てる気はしない。

でも、、

リリカ「デモデモ、ウルサイ。サッサト、イケ。コノ、ゴミ。『カクセイ』シロ。」

俺「え?まだいるのか?心の声まで聞こえるんかよ!反則すぎだろ。しかももっと口悪くなってない?。」

リリカ「ホンニンノ、ゴウイニヨル、イセカイテンイ、カイシシマス。」

俺「おっ、、おい!どういうことだ、何を勝手に!俺はまだ合意していないーーー!。」



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