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ハンターのお客さん

 ユリウスが北方に行ってから半年、酒場で働き出してからも半年。


 彼は今のところ順調に戦果を上げているようだ。


 地面を這いまわっていた士気を上手く向上させる事に成功し、崩れかけていた部隊を編成し直して、反撃の足掛かりにしているという報告書を盗み見た。


 私の方は、城では誰からも忘れ去られているから、わりと平和に一人で生活していたし、それを多少は楽しむことができていた。


「へー、アイーダさんも、ハンターなんだ」


「そうよ。ティーも、興味ある?お姉さんが紹介状書いてあげようか?」


 ここでの私は、ティーと呼んでもらっている。


 酒場の常連さんで、羨ましいほどのボディをもつアイーダさんと言う女性と仲良くなったけど、話を聞くと、ハンターを生業にしている方だった。


「ハンター登録は、紹介状がいるの?」


「なくてもいいけど、あった方が手続きが早いな。その日のうちに証が貰える」


「欲しい!……でも、タダじゃないでしょ?」


「いやいや、ティーから何か要求しないよ。お姉さん、これでも高位ランクのハンターなんだよ。悪どい事はできないから。それに、頑張る女の子は応援したいかな」


「嬉しい。アイーダさんに、何か奢るよ!何がいい?」


「えー、いいよー。ティーの稼ぎが少なくなるよ」


「いえ、もっとハンターについて教えてもらいたいから」


「あら、本当になりたいの?」


「はい!自立する為にお金を貯めていて、それで、ハンターになって色んなところに行きたい」


 アイーダさんは、ジョッキを掲げてニヤリと笑いかけてきた。


「いいね、世界を旅する少女。私が一人立ちしたのは、16の時だったよ。ハンターズギルドは知ってる?そこで依頼を受けたり、報酬をもらったり、仕事の派遣も請負うこともあるよ」


 この世界にも、厄介な生き物はいる。


 人を食べてその生命力を糧にする、ケヤンと呼ばれる魔獣。


 個体差はあるけど、大きな奴は馬を丸呑みにして人間を襲う。


 それを退治するのが、この世界のハンターの役目だ。


 ケヤンの体内にある核をギルドに渡して報酬を得る。


 騎士団や王国軍も魔獣退治は行うけど、魔獣の数が多すぎて、結局ハンター達の存在に依存するしかない。


 それに、国は魔獣相手よりも、人間を相手にするのに忙しい。


 そんな理由で、ハンターの需要はそれなりにあった。


 因みに魔獣の核は燃料になるから重宝されるし、大きい方がより高価だ。


「どこの町でも登録はできるよ。この町にも、隣町にもハンターズギルドはあるしね」


 グビッとエールを豪快にあおって、そのジョッキを勢いよくテーブルに置いたら、目を細めて私を見た。


「あたしの勘だけどね、ティーはいいハンターになるよ。あっという間に私に追いつくかも」


 ハンターのランクは、金銀銅などの5段階があって、金が1番上で数人しか登録者はいない。


 アイーダさんは、銀のハンターだそうだ。


 いざ自分がハンターになった時にどれだけやれるかは分からないけど、前世のノウハウを生かして頑張るつもりだ。


 て言うか、それしか私の生き残る道はない。


「アイーダさん、私、頑張るね!」


 ここで、決意を新たにしていたのだった。








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