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10話 喫茶リュミリエーラ

「うふふ、料理はご期待に応えられたかしら」

「うむ、誠に美味であったぞ! ええと、ゆり殿、だったか?」


 辺莉と毅がサンドイッチで、慎次がオムライス、播凰がナポリタンを注文し、それぞれがその味を堪能した後。

 食後のデザートを待ちながら歓談していた播凰達のテーブル席に、椅子を持って彼女はやって来た。

 ちなみに歓談と言いつつ、食前も今も基本は辺莉が自分のことを話したり、興味津々で話題を振って播凰と毅がそれに答えるといった構図で。学園のことや私生活など、ほぼほぼ辺莉が喋りまくっていた――無論慎次は無口であった――のだが、それはさておき。


「ふふっ、殿、なんて変わった呼び方をする子ね。店長のゆりです、よろしくね」

「私は三狭間播凰だ、よろしく頼む」


 クスクスと可笑しそうに、しかし上品に笑うゆりと、播凰は改めて挨拶を交わす。


「辺莉ちゃんと慎次君もそうだけど、そちらの初めて来てくれた子達もジュクーシャちゃんの知り合いって聞いてちょっとお話したくなっちゃって。……もしかして、お邪魔だったかしら?」

「いえいえ、そんなことないです! でも、お店の方は大丈夫なんですか?」

「大丈夫よ。他にお客様もいないから」


 言われてみれば、確かに播凰達以外に店内に客の姿はない。

 狭いというわけではないが、そこまで客席は多くはない店だ。一通り周囲を見回せばある程度は確認でき、いずれも空席ばかり。

 確か、播凰達が店に入った時は数人の客がいたような気はしたが、その姿ももうない。


 そこは経営者であれば気にするものであろうが、しかし何でもないように微笑むゆりは。


「まずは、そうねえ……ジュクーシャちゃんとどんな関係なのか。おばさん、聞いちゃおうかしら」


 落着きのある笑みの中に一握りの子供っぽさを湛え、少しばかり弾むような声で尋ねる。

 何を求めているのか、まるでわくわくとしているかのような面持ちだ。


「関係っすか。自分は、同じアパートの住人さん、ぐらいっすかねぇ……」


 少し考え、毅が答える。

 会ったことは数回、話もしたことはあるが、彼からすれば取り立ててこれという接点はない。


「ふむぅ。私も同じだが、ジュクーシャ殿には色々と教わったり相談に乗ってもらったりして、個人的に世話になっているな」


 対する播凰も、同じといえば同じ。

 だが、天能について教わったり、天能武装について相談に乗ってもらったりで、部屋を度々訪れている。

 答えた瞬間、慎次から無言の視線が飛んできたが。ゆりからの質問は続く。


「なるほどねぇ。じゃあ、二人はジュクーシャちゃんのこと、どう思っているかしら?」

「どうっていうと……優しい人、っすね」


 毅がジュクーシャに抱いた最初のイメージはずばり、変な人だった。

 しかし、初めての邂逅の時は一階の住人である一裏万音がおり、それに関わらなければまともそうな人であると後々分かった。

 では、優しいという印象はどこから来たかというと。


 ……背中、押してもらったっすからね。


 ドラゴン騒ぎの折。彼女は、恐怖で固まっていた毅に言葉をかけた。力を、踏み出す勇気を与えてくれた。

 思えば何故ジュクーシャもあの場にいたのか不思議ではあるが、その優しさは忘れていない。


 しみじみと、しかし真摯な顔で告げる毅。

 それを受けて、ゆりは嬉しそうに微笑んだ。その顔はまるで、我が子が褒められたことを喜ぶかのようで。

 うんうん、と同意するように辺莉も頷いている。

 だが、そんな空気をぶち壊すのが、一人。


「美しいな」


 刹那、場の全ての視線が、そう宣った播凰に集中した。

 女性陣――辺莉とゆりは、まるで示し合わせたかのようにその双眸に妖しい紫電が走り、俄かに色めき立つ。

 そして毅は、そのあまりにもストレートな物言いに震撼し。

 元より播凰を睨みつけていた慎次は、より一層強い光を宿し、眉間に皺を寄せる。


美しく(・・・)綺麗(・・)に鍛え上げられた肉体であろうというのが、衣服の上からでも、所作の随所からでも伺える。結構な実力を持っているだろう、というのが私の見立てだ」


 ズコーっと辺莉が無言でテーブルに突っ伏した。

 あらあら、とゆりが苦笑すれば、毅は言葉を失ったように少し引いている。

 さも気にしていなかったように振る舞いコップを口元へと運ぶ慎次であったが、その中身は殆ど空だったりする。

 何とも形容しがたい空気が流れるが、播凰はその変化に気付かずにいた。


「デザートをお持ちしましたが……えっと、皆さんどうかしましたか?」


 正にそんなタイミングで、丁度。

 お盆にデザートとドリンクを載せて、ジュクーシャが席へとやってきた。

 彼女は雰囲気に違和感を覚えたのか、その場にいる五人をそれぞれ見回して首を僅かに傾げながらも、それぞれのデザートとドリンクの配膳をしていく。


「うふふ、ジュクーシャちゃんが可愛いって皆で話をしていたのよ」

「そうそう! ジュク姉ってあんまり自分で自覚無いみたいだけど、すっごい美人さんなんだから!」


 そんなジュクーシャに、ゆりが片目を瞑りつつ茶目っ気に言えば。

 辺莉がガバッと顔を起こし、すぐさま同調する。

 はて、そんな話だったかと播凰は内心疑問を抱くが。


「……なっ、えっ!?」


 これに大きく反応したのが、当たり前といえば当たり前だが、ジュクーシャである。

 配膳し終わった後だったのが幸いであり、彼女は空となったお盆を取り落としそうになりながら慌てたような声を上げる。

 その慌てぶりを前にゆりは、クスクスと笑って。


「そっちの彼なんて、ジュクーシャちゃんのこと美しくて綺麗だ、なんて言っちゃって。……若いっていいわねぇ」


 播凰に視線をやりつつ、頬に手を当ててしみじみと演じるように畳みかければ。

 途端、ぐるん、と勢いよくジュクーシャが播凰を見た。その褐色の頬は真っ赤に染まっており、目は少し泳いでいる。


「ほ、本当ですか、播凰くん!」

「うむ、確かに言ったな」

「なぁっ!?」


 真偽を確かめるように真っ先に本人に確認しようとしたジュクーシャ。

 若干話の流れについていけていない播凰であったが、その単語を口に出したのは事実であり。故に、迷いなく即答。

 その肯定を受け、ジュクーシャが完全に硬直する。

 確かに、播凰は言った。言った、が。両者の意味合い、認識が違っているなど言うまでもない。


「いや、ソイツが言ったのは――」


 その状況を見て堪らず異を唱え――正確には真実だが――ようとした慎次であったが。

 余計なことはするな、と言わんばかりに姉の辺莉が、その口を手で全力で塞ぐ。

 じたばたと抵抗する慎次であったが、こういう時の女性はなんというか、強い。


「そうそう、可愛いって言えばね。ジュクーシャちゃんが初めてここに来た時。この()ったら、本当に可愛かったのよ」

「へー、聞きたい聞きたいっ!」

「今でも、よく覚えてるわ。なんたって、スタイル抜群のもの凄く綺麗な外国人さんが入ってきたと思ったら、子供みたいに目をキラキラさせて、店内やケーキの入ったショーケースをしきりに見回すんですもの」

「うわー、ジュク姉可愛いー!」


 盛り上がる――無論、当人を除く――女性陣。

 ゆりが思い出しながら語れば、一々辺莉が合いの手を入れる。

 こうなれば、話の流れは完全に変わり、言い出せなくなった慎次には黙るしか道はない。


「そうしたら、その隣にいた貴方たちのところの小さな管理人さん――時々うちのデザートを買いに来てくれてるんだけどね。その子が、スタッフ募集してませんかーって声をかけてきて。もうびっくりしちゃって」

「……ゆ、ゆりさん。ちょっと、その話は恥ずかしいのですが」


 漸く、とでも言えばいいのか。或いは、自身の過去が話題となっていたからか。

 我に返ったジュクーシャが、蚊の鳴くような声で制止を求めるが。


「ダーメ。ここからが、ジュクーシャちゃんが本当に可愛かったところなんだから」


 ゆりは悪戯っぽく笑って、それを一蹴すると。


「それで面接することになってね、ジュクーシャちゃんにこう聞いたの。どうしてうちで働きたいって思ったの、って。そうしたら、何て答えたと思う?」

「えー、なんだろ、なんだろ!?」

「――っ、わ、私は仕事に戻りますのでっ!」


 続いた内容を聞き、ジュクーシャはパタパタと小走りにカウンターの奥へと入っていった。

 店主を止めるのが無理だと悟り、ならばせめて聞かないことで保身を図ったのだろう。

 戻っていったその背中を見つつ、残念そうな顔を浮かべたものの。しかしゆりは、言葉を止めることはなく。


「ケーキのお店で働くのが夢だったから、ですって」

「きゃーっ! ジュク姉可愛すぎーっ!!」


 ボルテージが最高潮になりつつある辺莉を横目に、播凰は僅かに目線を下げる。

 何気なく交わされた会話の中に、引っかかるものがあったからだ。


 ……夢。


 言うなれば、理想。己の目指す、或いは目指したい到達点。

 果たしてそれは己にあるものだろうかと。


 こうしたい、なりたい、という思い。つまり天能術を使いたいという気持ちはある。

 だがそれが夢かと問われれば、きっと違う。天能術を使う、というのは決して夢足り得ない。


 ……だとしたら、私の夢とは何だろうか。


「もっと話したいことはあるのだけれど、あんまり喋りすぎるとジュクーシャちゃんに嫌われちゃいそうだから、このあたりにしようかしらね」


 一人、思考に耽る播凰とは反面。

 散々辺莉と二人で盛り上がった後、ゆりはやがて椅子から立ち上がり。


「デザート、楽しんでいってね」


 最後に一同にそう微笑みかけ、播凰達のテーブルから離れて行った。


「……なんというか、見た目に反して……本当になんていうか、あれだったっすね」

「もう、晩石先輩、そんなこと言わないの。ゆりさん、いい人なんだから」


 掻き回すだけ場を掻き回していった――流れ弾が直撃したのはジュクーシャだけであるが――とでも言えばいいのだろうか。

 そんなゆりに、毅は戦々恐々としつつ何とも言い難い表情でポツリと漏らす。

 だが辺莉は、その発言をさらりと注意すると。デザート、デザート、と鼻歌交じりに運ばれてきていたチーズケーキをつつき始める。

 途端、んーっ! と喜色満面になった辺莉を見て、播凰はデザートのことを思い出すと。

 何の気なしに、自身も注文したチョコレートケーキを口に運んでみて――目を大きく見開いた。


 一言でいえば、衝撃的だった。

 溶けるような、とろけるような舌ざわり。一欠片であるのに、口いっぱい広がる濃厚な甘み。

 今までにない感覚だ。


 そもそもからして、この世界の食事は元の世界よりも美味しいものが多いと感じていた播凰である。それは理解していたが、甘いものを食べた経験というのはそれほど無く。

 こちらの世界に来て甘味は何度か口にしたことはあったものの、これ程までに感動を覚えた一品はなかった。


「……これ、は」


 口を動かすことも忘れ茫然と、しかしその味わいはしっかり堪能し。目では皿の上のチョコレートケーキを凝視する。

 播凰の反応があまりにも真に迫っていたからか。

 毅もシュークリームにがぶりと噛みつき、目を丸くする。


「どう、播凰にい? すっごく美味しいでしょ?」

「うむ、美味い。……美味いな」


 ふふん、と得意げに胸を張る辺莉。

 どこかぼんやりとしつつ、播凰は二口目を咀嚼し、またじっくりと感じ入る。

 瞬く間に口内で溶けていく小さい塊。飽きることなどなく、まるで舌が、心が、次を早く寄越せとせっついてくるようにすら思えてくる。


 いざ、三口目。いそいそと播凰がフォークを伸ばした、その時。


 ――カランカラン、と。


 新たな来客を告げるベルが鳴った。それから、一拍遅れて。


「へへっ、邪魔するぜ」


 一見すれば柄の悪い男。そして煙草を咥えた派手な金髪の女。

 そんな男女の二人組が、品のない笑い声と共に、店に入って来た。


「……いらっしゃいませ」


 今までに播凰が聞いたことのない、ジュクーシャの硬い声であった。

 ジュクーシャは店員として言葉こそは通常の対応をしているものの、しかしその顔に笑顔はなく。険しい面持ちで、その男女を見やっている。


「おいおい、つれねえなあ店員さん。俺達はお客様だぜ?」

「こんなしけた喫茶店に来てやっただけでも、ありがたいと思ってもらいたいねえ」


 二人組がそうゲラゲラ笑っていると、店の奥からゆりが姿を見せた。

 彼女もまた表情は穏やかそうでありながらも、しかし先程まで播凰達が見ていたものよりどこか強張っており。


「ジュクーシャちゃん、ここは私が対応するから――」

「いえ、ゆりさん。私は大丈夫ですから」

「だけど……」


 彼等の姿を認めて、ゆりがジュクーシャへと接客の交代をしようとするが。

 しかしジュクーシャは、安心させるように一瞬だけゆりへと微笑み。


「ほら、とっとと席に案内してくれよ。喉乾いたから、水もすぐ頼むぜ」


 男の揶揄うような声を受けて、ゆりが動くよりも前に、こちらへ、と誘導する。

 播凰達の座っているテーブル席は、少し身を乗り出せば店の入り口が容易に見える位置にある。

 ゆえに、急に騒がしくなった店内、その元を播凰達四人は見ていた。


 ジュクーシャが二人組を案内したのは、どうやら播凰達の席から見て入り口を挟んだ反対側のエリアのようで。

 ゆりがさっとこちらに目配せをし、まるで四人を安心させるかのようにふわりと軽く微笑む。


「……どうしたんだろう?」


 ヒソヒソ声で、まず辺莉がそう言った。

 幸いにも店内には落ち着いたBGMが流れており、また席も距離があるため余程五月蠅くしなければ目立つことはない。


「嫌な感じがするっすね……」


 続くように、毅も呟く。

 すると、その直後。


 ――カチャンッ!!


 何かが割れたような甲高い音が、店中に響き渡った。


「おっと、すまねえな! ついうっかり、コップを落としちまったぜー」


 次いで、悪びれる様子のない、男の芝居がかったような声。

 連れのもう一人も、注意するどころかむしろ煙草を片手にケラケラと笑っている始末。


「……すぐに片付けますので」


 問いただすまでもなく、故意なのは明白だった。

 男は、ジュクーシャが置いたコップを一口だけ飲むと。テーブルに一度戻した後に、乱暴にコップを手で払ったのである。

 結果、コップは床に落下し、割れてもう二度と使えない状態となってしまった。


 唇をギュッと噛みつつも、ジュクーシャはぶちまけられた水とコップの破片を処理するために屈もうとした。

 が、そのジュクーシャの腕を男が無遠慮に掴む。


「何回も言ってるけどさ、お姉さん、こんな店辞めて俺達のとこに来ねえ? 外国人、しかも相当な美人の上玉だ。アンタだったら、かなり人気が出ると思うんだよなぁ」

「……では、私も何度も言いますが。このお店を辞めるつもりはなく、貴方達のお店とやらに行くつもりもありません」

「ちっ、強情な女だ。けど、ま、そういう女ほど楽しみがあるってね」


 その様子を見ていた辺莉は、思わず席から立ち上がりそうになる。

 だが、押しとどまったのは、ひとえにゆりの目配せを思い出したからだ。


「――なにあれっ! なんなの、あの人達!」


 憤りながら、小声で周囲に不満を漏らす。

 それは当然辺莉だけではないようで。隣に座る慎次は今にも飛び出していかんばかりの形相だし、対面の毅も振り向いて様子を伺うその横顔には非難と不安の入り混じった色がある。

 どうやら全員同じ気持ちのようであり。だからこそ辺莉は自らを落ち着かせるように、ふぅ、と息を深く吐いた。

 ふと、気付く。


「……ってあれ、播凰にいは?」



 むんず、と男に掴まれた腕。

 無礼であり、異性というのもあって当然いい気分になるものではない。

 振り払おうとするジュクーシャであったが、しかし眼前の男はしつこく、簡単に離すつもりはないらしく。


 ――強引にでも振り払うべきか。


 それは不可能ではない。彼女にとってそれは、何ら難しいことではない。

 だが、それをしてしまった場合、事態の悪化に繋がるは必至。

 ゆえに、ジュクーシャは一瞬、逡巡した。してしまった。


「あーあ、こっちも手が滑っちゃったー」


 それを見越して、というのは買い被りにすぎるだろうか。

 けれども、正しくもう一人が彼女の隙をつくように、わざとらしくコップを滑らせる。


 傾き、水を零しながら落下していくコップ。


「……っ!」


 させまい、と踏み出そうとするジュクーシャであったが、しかし嫌らしく彼女の腕を掴む手がその行動を邪魔する。

 そうなると、もはや落下を妨げるものはなく。

 数瞬前に無残にも割れ、今なお床に散っているコップの二の舞になるであろうと、それを見ていた誰もが。ある者は笑いながら、ある者は悔し気に結末を予期した。

 ……否、たった一人を除いて。


「――お主ら、随分とうっかりしておるな」


 はっはっ、と豪快に笑いながら伸ばされた手が、それを受け止める。

 三狭間播凰が、いつの間にかそこにいた。

本日二回目の投稿でした。夜にもう一話投稿できるかなという感じです。

次話『招かれざる客』、よろしくお願いします。

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