無垢めく
気が付けば、目が覚めて、
点けっぱなしのLEDライトの眩しさに、
目を細めて、手をかざして、
あぁ、今日も生きているんだなって、
安心して、不安になる。
ベッドの上の僕の体の内側を、
這いずり回る、たくさんの虫たち。
弱虫、蛆虫、苦虫。
あらゆる血液から、神経から、
侵入して、増殖して、
僕の心を、かじる。
心を、かじる。かじる。
声にならない叫びと共に、言葉と一緒に、
虫たちは外に羽ばたく。
日々削られていくCOCOROは、もはや、
そこにあるのかさえ定かではない。
思い出したように、痛むだけ。
痛みと、LEDライトの眩しさに、
目を細めて、手で拭っても、
涙が止まることはなかった。
生きることを運命と呼ぶには、
あまりに浪漫的だし、
生きることを呪いと呼ぶには、
あまりに
布団の上を僕の手が這って、
スマートフォンや、タブレット、
ワイヤレスイヤホンを探り当てる。
それ以外の、内用薬、体温計、
キャラクターのスケジュール帳等は、
雑多に散らばっている。
今は隔離されたこの空間から、
僕と世界を繋ぐデバイスに、一刻も早く、
アクセスしたかった。
咳をする。
これは現実逃避か?
鼻をすする。
これは自己嫌悪か?
頭を押さえる。
これは成れの果て?
唾をゆっくりと飲み込む。
これは未来へと続く物語?
全部そうだとしたら。
全部そうだとしても。
あぁ、今日を生きていいんだなって、
安心して、不安になる。
苦しんで寝返りをうち、
終わりの見える暗闇を、一人、
這いずり回る、覚悟がある。
纏わりついた虫を一匹、二匹、三匹……
と数えながら振り払い、
気が付かないまま、眠りに就いた。




